魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

第17章 再会(脚本)

魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

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〇森の中
ヴィオラ・コーディエ「父さん・・・!」
アイオ・コーディエ「強くなったな・・・ ヴィオラ・・・」
ノエル・エンジェライト「シグバートさん!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「わかっている!」
アイオ・コーディエ「悪い夢から覚めた気分だ・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あ・・・あたし・・・!」
アイオ・コーディエ「悲しむ必要などない」
アイオ・コーディエ「子どもが親を超えた・・・ これほどうれしいことはない」
アイオ・コーディエ「<虹>を探す中で・・・ おれは神の声を聴いた」
アイオ・コーディエ「おれの記憶を封じたのは・・・」
アイオ・コーディエ「ぐっ・・・!」
ヴィオラ・コーディエ「父さん!」
シグバート・フォン・ブラッドショット(やはりオレの光精術では無理だ・・・!)
アイオ・コーディエ「おれは使命に従い・・・ 学園の魔道士たちを何人も斬った」
アイオ・コーディエ「だからヴィオラ・・・ おまえが気に病むことはない」
ヴィオラ・コーディエ「けど・・・!」
アイオ・コーディエ「神器を守れ・・・」
アイオ・コーディエ「キープレートの目的は・・・ 神への復讐だ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「女神イリデッセンスへの・・・復讐?」
アイオ・コーディエ「頼んだぞ・・・ヴィオラ・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・父さん!」

〇豪華なクルーザー

〇クルーザーのデッキ
ノエル・エンジェライト「・・・ヴィオラさん 部屋から出てきませんね」
シグバート・フォン・ブラッドショット「無理もない」
シグバート・フォン・ブラッドショット「仮面の戦士の正体が、ヴィオラの父親だったとは・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「彼は記憶を封じられていたようだな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「いったい誰がそんなことを・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・学園長・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「なんだと?」
ノエル・エンジェライト「おそらく学園長が・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ヴィオラ・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・続けて」
ノエル・エンジェライト「・・・学園長は、闇精術で記憶を封じることができます」
シグバート・フォン・ブラッドショット「なんだと・・・!?」
ノエル・エンジェライト「・・・貴方がたにも、封じられている記憶があります」
ヴィオラ・コーディエ「えっ?」
ノエル・エンジェライト「ぼくが学園を凍らせたこと 覚えていますか」
ヴィオラ・コーディエ「入学試験のとき・・・?」
ノエル・エンジェライト「・・・いいえ 去年の春です」
シグバート・フォン・ブラッドショット「去年の春・・・? 専門課程に進級してすぐか?」
ノエル・エンジェライト「・・・ええ」

〇ファンタジーの教室
男子学生「平民が3人もいるクラスに配置されるとは」
女子学生「あら、平民は2人でしょう?」
女子学生「ヴィオラ・コーディエと ノエル・エンジェライト」
男子学生「ミモザ・クラリティを忘れてるぞ」
男子学生「王家の血を引いてはいるが しょせん妾腹の庶子だ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
女子学生「ねえミモザさん?」
ミモザ・クラリティ「・・・はい」
女子学生「あなた、シグバート王子の婚約者だそうだけど」
女子学生「どうやって取り入ったのかしら?」
ミモザ・クラリティ「取り入るだなんて・・・」
男子学生「決まってるさ その美しさで惑わしたんだろう?」
女子学生「お母上譲りなのかしら?」
ミモザ・クラリティ「母を侮辱するのはおやめください!」
ミモザ・クラリティ「母は侍女として勤めていただけです 父に取り入ったりなどしていません!」
女子学生「・・・お仕置きが必要かしら」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
男子学生「おまえは・・・」
ミモザ・クラリティ「・・・ノエル様?」
ノエル・エンジェライト「貴方がたの発言には正当性がありません」
ノエル・エンジェライト「発言を撤回し、彼女に謝罪してください」
女子学生「わたしたちが? なぜ?」
男子学生「平民の分際で こざかしいことを言うものだ」
ノエル・エンジェライト「・・・謝れ」

〇ファンタジーの教室
男子学生「なっ・・・ なんだ、この魔力はッ!?」
女子学生「やめなさい! やめっ・・・やめてぇ!」
ミモザ・クラリティ「ノエル様!? おやめください・・・!」

〇クルーザーのデッキ
ヴィオラ・コーディエ「あーっ! 思い出した!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・オレもだ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「その日オレは学外にいたが 解凍のために呼び戻されたぞ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ヴィオラ、おまえは?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「その場にいれば ノエルより先に怒り出しそうだが」
ヴィオラ・コーディエ「えーっと」
ヴィオラ・コーディエ「レオナとケンカしてさ 先生に呼び出されてたかな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「進級早々なにをしているんだ おまえたちは」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「この記憶を封じたのが学園長だと?」
ノエル・エンジェライト「ええ・・・」
ノエル・エンジェライト「ぼくが問題を起こしたことを隠したいのだと・・・」
ヴィオラ・コーディエ「父さんの記憶を封じたのも?」
ノエル・エンジェライト「・・・おそらく」
ヴィオラ・コーディエ「なんでそんなこと・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「目的を知られたからだろうな」
ノエル・エンジェライト「神への復讐・・・と 言っていましたね」
ヴィオラ・コーディエ「復讐って・・・ どういうことなんだろ」
ヴィオラ・コーディエ「<虹>を架ければ、神の力が戻るんだろ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「それすらも偽りなのかもしれない」
シグバート・フォン・ブラッドショット「復讐を果たすために・・・ オレたちを利用していたのか?」
ヴィオラ・コーディエ「そんな・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「明朝にはスペサルタイトに着くはずだ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園へ戻り、真相を確かめねば」
ヴィオラ・コーディエ「・・・うん」
ヴィオラ・コーディエ「それが父さんの願いだから・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ヴィオラ」
ヴィオラ・コーディエ「あたしは父さんを殺した・・・」
ヴィオラ・コーディエ「そのことは・・・ もう変えられない」
ヴィオラ・コーディエ「けど、自分を責め続けても・・・ 父さんは・・・戻ってこない」
ヴィオラ・コーディエ「だからあたし・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あたしは・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・そうだな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「負い目を感じ続けることが贖罪ではない オレはそう思う」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ありがと」
ヴィオラ・コーディエ「償いをするためにも・・・ 立ち止まったらダメなんだ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」

〇ヨーロッパの街並み

〇城の廊下
シグバート・フォン・ブラッドショット「妙に騒がしいな」
ノエル・エンジェライト「ぼくとヴィオラさんが城にいるからでは」
ヴィオラ・コーディエ「投獄されそうになったら魔法使っていいよな?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・オレがどうにかする だから余計なことはするなよ」
「姫が奥宮殿から抜け出したって?」
「殿下が連れ出したそうだ シグバート王子を迎えに行こうと言って」
「もうプレーンへ発つ時間だろ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・?」
デアネイ・フォン・スペサルト「ノエルさん!」
ヴィオラ・コーディエ「デアネイ?」
デアネイ・フォン・スペサルト「間に合ってよかった・・・!」
ヴィオラ・コーディエ「どうしたんだよ? そんなに慌てて」
ミモザ・クラリティ「あ・・・皆様 お帰りなさいませ」
ヴィオラ・コーディエ「ただいま・・・?」
デアネイ・フォン・スペサルト「ほらっ、姉上! ノエルさんが迎えに来てくれたよ!」
ミモザ・クラリティ「この方が・・・ ノエル様・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ミモザ・・・まさか」
デアネイ・フォン・スペサルト「ね、姉上・・・! なにか思い出さない?」
ミモザ・クラリティ「・・・いえ・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・ミモザさん・・・」
ミモザ・クラリティ「わたしを・・・ ご存じなのですか?」
ノエル・エンジェライト「貴方はぼくの・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ノエル・エンジェライト「ぼくは貴方の・・・ ・・・同級生です」
ミモザ・クラリティ「どうして・・・」
ミモザ・クラリティ「どうしてそんなに・・・ 悲しそうなのですか・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「嘘だろ・・・!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園長の狙いはこれか!」
ヴィオラ・コーディエ「けど、なんで・・・!」
デアネイ・フォン・スペサルト「とにかく姉上を連れてって! このままじゃ・・・」
ナギット・フォン・スペサルト「騒がしいと思ったらおまえたちか」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ナギット様・・・」
ヴィオラ・コーディエ「おいオッサン! ミモザになにをした!?」
ナギット・フォン・スペサルト「なんの話だ?」
ヴィオラ・コーディエ「学園長に頼んでミモザの記憶を封じたんだな!」
ナギット・フォン・スペサルト「なんのことやら」
ノエル・エンジェライト「この期に及んでしらを切るのですか」
ナギット・フォン・スペサルト「元はといえば小僧 おまえのせいだろう」
ナギット・フォン・スペサルト「娘をたぶらかしおって」
ナギット・フォン・スペサルト「もしくは、繋ぎ止めておけないシグバートに問題があるな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・否定はしません」
シグバート・フォン・ブラッドショット「だからといって、このような暴挙 看過するわけにはいきません」
ナギット・フォン・スペサルト「ブラッドショットごとき もはや恐るるに足らず」
ナギット・フォン・スペサルト「レオナ亡き今、ウーウァに取り入る好機だ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「まさかミモザをウーウァ王子に嫁がせるおつもりですか!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「これは国際問題です わたしも母も了承していません!」
ナギット・フォン・スペサルト「内側からプレーンを掌握したのち ウーウァを片付ければ」
ナギット・フォン・スペサルト「大陸を支配するのはスペサルトだ!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「きさま・・・」
スペサルト兵「申し上げます!」
スペサルト兵「ウーウァ王子が討たれたとのこと!」
ナギット・フォン・スペサルト「なんだとっ!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「いったい誰に!?」
スペサルト兵「末妹のレオナ王女です!」
ヴィオラ・コーディエ「レオナ、死んだんじゃ・・・?」

〇流れる血
スペサルト兵「ヘンリー王の目論見を知った王女は・・・」
スペサルト兵「解毒作用のある薬草を事前に服用していたと」
スペサルト兵「死んだように見せかけて油断させ・・・」
スペサルト兵「王子を短剣で・・・」

〇城の廊下
ナギット・フォン・スペサルト「では、ヘンリーとレオナの一騎討ちか!」
ナギット・フォン・スペサルト「このままではわたしの計画が・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「デアネイ! 今だ!」
デアネイ・フォン・スペサルト「うんっ!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「光よ!」
デアネイ・フォン・スペサルト「風精よ! あまねく光をもたらせ!」

〇白
シグバート・フォン・ブラッドショット「今のうちに脱出するぞ!」
ヴィオラ・コーディエ「おう!」
ノエル・エンジェライト「ミモザさん、行きましょう!」
ミモザ・クラリティ「でもわたし・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・失礼します」
ミモザ・クラリティ「あっ・・・!」
ミモザ・クラリティ(手が震えてる・・・ それに、指先が冷たい)
ミモザ・クラリティ(あのとき、手が冷えてたのはわたしだったのに)
ミモザ・クラリティ(・・・あのとき?)
ミモザ・クラリティ(恋人でもない男性の手に触れたことなんてないはず)
ミモザ・クラリティ(それなのに・・・どうして)
「あっ! 靴が・・・」
「きゃっ・・・!」
「しっかりつかまってください!」

〇城の廊下
ナギット・フォン・スペサルト「こしゃくな真似を!」
ナギット・フォン・スペサルト「兵士よ、奴らを追え!」
「・・・・・・」
ナギット・フォン・スペサルト「なにをしている! 早くガキどもを・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「よく周りをご覧になっては?」
デアネイ・フォン・スペサルト「なぜみんなが父上の命令に従わないか おわかりになりませんか?」
デアネイ・フォン・スペサルト「正義は父上にないと・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「あなたに従う価値はないと 彼らが判断したからです」
ナギット・フォン・スペサルト「なんだと・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「ご自分がしたこと 今一度省みてください」
デアネイ・フォン・スペサルト「あなたは本当に王の器ですか?」
ナギット・フォン・スペサルト「・・・・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「父上!」
ナギット・フォン・スペサルト「プレーンへの対策を考えねばならぬ 子どもの戯れ言に付き合う暇はない」
「まだ手はあるはずだ・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「・・・グレゴリー」
宰相グレゴリー・シーン「ここに」
デアネイ・フォン・スペサルト「話があります ついてきなさい」
宰相グレゴリー・シーン「御意」

〇ヨーロッパの街並み
ヴィオラ・コーディエ「なんとか逃げられたな!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「早く王都を出なければ」
ヴィオラ・コーディエ「ノエル なんでミモザのこと抱えてるんだ?」
ノエル・エンジェライト「途中で靴が脱げたので」
ヴィオラ・コーディエ「そっか」
ヴィオラ・コーディエ「ならあたしが適当に買ってくるよ みんなはここで・・・」
ミスルト・ブレイジャー「待ちたまえ」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ミスルトさん!?」

次のエピソード:第18章 新たなる決意

コメント

  • 仮面の男の正体が解ってからの怒涛のストーリーの動き、圧巻でした! 父を殺めてしまってなお前を向くヴィオラ、とても彼女らしく強くて好きです😆そして必死にアイオを助けるシグバートも恰好良かった! アイオは残念でしたが、学園長の思惑がだんだん露呈してきましたね…。テアネイも恰好良かったし、ミモザの記憶も戻りそうだし、新キャラも増えて続きも楽しみです!

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