第5話 見えない思いを(脚本)
〇血まみれの部屋
・・・・・・麗
母さん!なんで捨てるんだよ!
待ってよ!置いてかないで!!
父さんと幸せにね
バタン
麗、母さんはお前を捨てたんだ。父さんはちゃんとお前を可愛がるからな
ぁあぁぁぁ!!!
父さん、怖いよ
何か・・・・・・くるよっ・・・・・・!!
大丈夫だ、これは気持ちいいだよ
父さん!父さん!
麗!麗、いくぞ
んぁあぁぁぁあぁぁ!!!
父さん、お前のこと愛してるぞ
森崎 麗(レイ)「大っ嫌いだよお前なんて」
森崎 麗(レイ)「んんー!」
森崎 麗(レイ)「こんなに分厚い壁なのに鳥の声がはっきり聴こえるよ」
森崎 麗(レイ)「うわ!血が!」
眞白 亜裕(アユ)「起きたかいおはよう」
森崎 麗(レイ)「うるせえ!この血どうにかしろ!」
眞白 亜裕(アユ)「わかってるよ」
眞白 亜裕(アユ)「やりなさい」
美月加奈(カナ)「失礼します」
森崎 麗(レイ)「わわっ!」
美月加奈(カナ)「あなたはあそこを」
「はい!」
美月加奈(カナ)「あなたはこっちをお願い」
「分かりました!」
〇高級マンションの一室
森崎 麗(レイ)「わあー!」
森崎 麗(レイ)「綺麗になってるー!!」
眞白 亜裕(アユ)「麗が住みやすくなるようにしたんだよ。ゆっくり休めるだろう」
森崎 麗(レイ)「・・・・・・ありがとう」
森崎 麗(レイ)(なんだ、普通の感情なんてあるんだ)
眞白 亜裕(アユ)「部屋はまだまだ広い。もっと見ていくといいよ」
〇ホテルの部屋
森崎 麗(レイ)「おおー!」
眞白 亜裕(アユ)「なるべく普通の部屋してみたのだが・・・・・・どうだ?」
森崎 麗(レイ)「!!」
森崎 麗(レイ)「お前・・・」
森崎 麗(レイ)「結構優しいんだな!」
眞白 亜裕(アユ)「・・・・・・笑った」
眞白 亜裕(アユ)「初めて会ったときみたいな顔」
眞白 亜裕(アユ)「嬉しい」
森崎 麗(レイ)「なんだよ!気持ち悪いなあ!」
眞白 亜裕(アユ)「麗・・・・・・」
森崎 麗(レイ)「なんだよ」
眞白 亜裕(アユ)「抱かせてくれないか」
森崎 麗(レイ)「はぁー???ほんとに気持ち悪いなぁ!」
眞白 亜裕(アユ)「本気なんだよ」
森崎 麗(レイ)「・・・・・・ちょびっとだけなら」
森崎 麗(レイ)「嫌だって言ったらすぐやめろよ!!」
眞白 亜裕(アユ)「わかった。ありがとう」
〇ホテルの部屋
「んん!」
「はあ、はあ」
「もうっいきそうか?」
「もうっむりぃ」
「俺もっ」
「いっく!!」
「んぁあぁぁぁ!!!」
〇ホテルの部屋
眞白 亜裕(アユ)「ありがとう」
森崎 麗(レイ)「いや、こっちこそ迷惑かけてごめん」
眞白 亜裕(アユ)「どこまで良い奴なんだ」
森崎 麗(レイ)「・・・・・・」
眞白 亜裕(アユ)「どうしたんだ」
森崎 麗(レイ)「俺実は」
森崎 麗(レイ)「子供のときに父親に犯されたんだ」
森崎 麗(レイ)「ポルノレイプだよ」
森崎 麗(レイ)「まあ父親つっても母親の再婚相手で、」
森崎 麗(レイ)「実の母親に捨てられたんだ」
森崎 麗(レイ)「毎日辛かったよ」
森崎 麗(レイ)「まだ小三で何にもできないし、学校なんて行ってなかったから逃げる隙もなくて」
森崎 麗(レイ)「誰にも相談できないし」
森崎 麗(レイ)「無理矢理って辛いよ」
森崎 麗(レイ)「好きでもない相手って辛い」
森崎 麗(レイ)「毎日まいにち」
森崎 麗(レイ)「父親が寝てから泣いてた」
森崎 麗(レイ)「これが明日の続くんだって」
森崎 麗(レイ)「中3まで続いたんだけど父親がそのとき病気になったんだ」
森崎 麗(レイ)「そりゃそうだよな」
森崎 麗(レイ)「ずっと出前だったから」
森崎 麗(レイ)「おれ、今なら逃げれると思って」
森崎 麗(レイ)「父親を置いて逃げたんだ」
森崎 麗(レイ)「父親は自力で病院に行ったんだけど俺はそれから1回も会ってない」
森崎 麗(レイ)「お見舞いも行きたくなかったから」
森崎 麗(レイ)「アイツの顔を思い出すと苦しくなる」
森崎 麗(レイ)「またあの生活が始まるんじゃないかって」
森崎 麗(レイ)「怖くってさ」
森崎 麗(レイ)「俺、良い奴なんかじゃないよ」
森崎 麗(レイ)「血は繋がってなくても親権があと父親に渡ってたんだから」
森崎 麗(レイ)「父親という人を見殺しにしたんだ」
森崎 麗(レイ)「お前に犯される時も怖かったんだ」
森崎 麗(レイ)「あの地獄を思い出しちゃって」
森崎 麗(レイ)「でも次やってくれたときは」
森崎 麗(レイ)「すげー優しくて」
森崎 麗(レイ)「かっこよくて」
森崎 麗(レイ)「好きに」
森崎 麗(レイ)「なっちまったよ」
森崎 麗(レイ)「こんな俺だけど」
森崎 麗(レイ)「もっと近くに」
森崎 麗(レイ)「ずっといっしょに」
森崎 麗(レイ)「いてください」
眞白 亜裕(アユ)「ありがとう」
眞白 亜裕(アユ)「ずっといっしょだ」
眞白 亜裕(アユ)「付き合おう」
森崎 麗(レイ)「うああああああああん」
もう1回戦
もう1回戦
腰が痛くて動けないくらい
何回もした
愛を感じた
こんなに気持ちのいいものなんだと
心から嬉しくなった
繋がっている
あったかくて
優しくて
ずっと続けばいいのに
そんな思いを抱きながら眠った