ドラゴンカップ

ヒロ

エピソード1(脚本)

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〇可愛らしい部屋
諏訪葵(すわあおい)「いやぁ、緊張するなぁ、毎日毎日」
諏訪葵(すわあおい)「もうすぐ初音が来るわ」
諏訪葵(すわあおい)「こんな忙しいときに・・・って思ってたけど、けっこういいストレス解消ね」
  ピンポ〜ン。
松本初音(まつもとはつね)「ヤッホー。元気?」
諏訪葵(すわあおい)「元気だよ、初音。よく来たね」
松本初音(まつもとはつね)「私がいなくて淋しいでしょ、ハツ? なんなら同棲してあげてもいいよ」
諏訪葵(すわあおい)「うん、いいや、遠慮しとく〜。ありがとう」
  私はハツって呼ばれている。そう、名前の葵が麻雀牌の發に似てるから。
  私、諏訪葵は実は麻雀プロだったりする。
  初音もいわばプロ志願者。
  私に麻雀を教わりたいらしい。
  まぁ、お互い基本ボッチだから淋しいのだろう。
  私はというと来週からリーグ戦が始まる。
  その直前のクソ忙しいときに麻雀の指南を頼まれたってわけ。
  面倒だなぁ、と思っていたけれど、まぁ気分転換になってよかったかも。
諏訪葵(すわあおい)「1とか9とか端っこの牌や字牌の無いアガリは何だっけ?覚えてる?」
松本初音(まつもとはつね)「うん、タンヤオ・・・だよね、たしか」
諏訪葵(すわあおい)「おっすごい。よく覚えてるね」
松本初音(まつもとはつね)「ねぇハツ。タンヤオってすごい役だと思わない?鳴いても鳴かなくてもアガリなんでしょ」
諏訪葵(すわあおい)「そう、その通りなのだ〜。しかも点数も変わらない、お買い得な役となっております」
松本初音(まつもとはつね)「うん、ドラゴンカップには全然関係なかったけどねー」
諏訪葵(すわあおい)「ドラゴンカップかぁ、懐かしいなぁ」
  ドラゴンカップ・・・3年くらい前になる。
諏訪葵(すわあおい)「まさか皆龍が好きとはねぇ」
松本初音(まつもとはつね)「だって学校のアイドルだったじゃん。 イケメンだし」
諏訪葵(すわあおい)「松田龍。うん、確かにイケメン王子だったわね」
松本初音(まつもとはつね)「私達女子会メンバー4人とも、龍にバレンタインチョコ渡して告ろうとしたんだよね」
諏訪葵(すわあおい)「ナナコとアヤカが二人とも麻雀が好きだったから急遽麻雀大会が開催されたんだよね」
松本初音(まつもとはつね)「そう、役満しばりの。役満を最初にあがった子が告れるんだよね」
諏訪葵(すわあおい)「名付けてドラゴンカップ!」
松本初音(まつもとはつね)「役満あがるまで帰れまテン!」
諏訪葵(すわあおい)「永遠にアガれなかったから帰らないわけに行かなかったけどねー」
松本初音(まつもとはつね)「ハハハハハ!そうそう!」
諏訪葵(すわあおい)「結局皆チョンボばっかりで・・・・・・」
松本初音(まつもとはつね)「最初にあがったのがハツの国士無双で東タンキ」
諏訪葵(すわあおい)「あれ実は国士無双13面待ちだと思ってたんだよね。東タンキだって気付かなかった」
松本初音(まつもとはつね)「でもあがれちゃうんだからハツはツイてるよね。おまけにプロになっちゃうんだもん。出来すぎ!」
諏訪葵(すわあおい)「これで龍と付き合えてたらなぁ」
松本初音(まつもとはつね)「いや、それはムリだよ」
諏訪葵(すわあおい)「なんで?私のことモテないと思ってない?」
松本初音(まつもとはつね)「じゃなくて──龍には彼氏がいたの」
諏訪葵(すわあおい)「はあ?」
松本初音(まつもとはつね)「男の子が好きなのよ、龍は。私知ってたんだ」
諏訪葵(すわあおい)「あ、あのさぁ。知っていたなら先に言おうよ」
松本初音(まつもとはつね)「アハハ、ごめん。だって言ったらドラゴンカップやらなかったじゃん。私やりたかったんだもん、麻雀」
松本初音(まつもとはつね)「でもその後ハツがどんどん麻雀にハマって、今やプロだもんね。超ビックリ。頑張ってね、ハツプロ!」
諏訪葵(すわあおい)「なんか・・・安っぽいなぁ」

コメント

  • 4人の女子高生が同じ人を好きになって、告白する権利を得るために全員が麻雀できる確率って気が遠くなるほど小さいんじゃないだろうか。現実の中の異次元空間みたいな不思議な味わいのあるストーリーですね。

  • 麻雀がわかればもっと意味がわかるのに…!と悔しい思いをしつつも楽しませていただきました!

  • この可愛らしいビジュアルとマージャンのギャップがイイですね。報われない恋のために役満縛りで勝負って、、、なかなか酷なことさせられましたね。。

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