長女シイロの家族の話

セツ

始まり……?(脚本)

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〇明るいリビング
  これはわたしの家族のお話──。
  わたしの家族にはパパがいて──
  ママがいて──
  あるときパパが言ったの
パパ「あなたに家族が増えるのですよ」
  あるときママが言ったの
ママ「あなたに弟ができるのよ」
  弟って?
ママ「ばあ!!」
  いきなり現れたそれは、布にくるまれていた
  ためしに布をふみふみしてみると・・・・・・なるほど
  中にも詰まっているらしい
  それから、パパとママがわたしに構ってくれる時間が減った
  パパとママは忙しいみたい
  かわりに、弟がわたしに構ってくるようになった
  ・・・
  これがわたしの弟
  これがわたし
  ”シイロ”

〇明るいリビング
  これはおにいちゃん
  おにいちゃんは喋らない
  動かない
  わたしはおにいちゃんをはみはみするのが好き
弟「あー、んーあー・・・・・・」
  弟もはみはみするのが好きみたい
ママ「あら、こんなにべとべとにしちゃって・・・・・・!?」
  でもママがおにいちゃんを洗うと
  しばらくはみはみできなくなるから寂しい

〇明るいリビング
  ── ある日のこと ──
  ママの知り合いのオジちゃんがやって来た
  ウチに泊まるらしい
オジちゃん「ウホウホッ」
オジちゃん「ウホイウホーイ」
  オジちゃんはタカイタカイがお上手

〇明るいリビング
  その日の夜、寝るときにオジちゃんがお話をしてくれた
  ママはパパのもみあげが好きで結婚したんだって
  ナイショ話ね
  ・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇明るいリビング
  ── ある日のこと ──
  ご近所からおいしいおいしいお食事の匂いが漂ってくる時間になると・・・・・・
ママ「さてと・・・・・・」
  今日のママは・・・・・・
ママ「行ってくるわね」
  出かけるみたい
シイロ「ニャアニャアー」
  と言って送りだす
  そうしてるとパパがカリカリを持ってきてくれる

〇明るいリビング
  ── ある日のこと ──
パパ「今おしめを替えますからね~」
パパ「・・・・・・」
パパ「ああ、おむつを持ってきていませんでした」
シイロ「ニャニャア~? (あら、下半身丸出し・・・・・・)」
  ・・・
魔王「フッフッフッ・・・・・・」
魔王「ようやく見つけた・・・・・・ これが例の──」
シイロ「・・・・・・」
  見知らぬ人が部屋の中に現れたわたしの気持ちわかる?
魔王「さあ、我が城に・・・・・・!」
  ジョボボボボボ・・・・・・
シイロ「ニャ・・・・・・ (あ・・・・・・)」
魔王「なっ・・・・・・! 転移魔方陣がっ・・・・・・!?」
シイロ「ニャニャーン・・・・・・ (変な模様が消えたと思ったらあいつも消えちゃった・・・・・・)」
パパ「おっまたせしました~」
パパ「って、ああ!?」
パパ「寒かったよねぇ ごめんよ~・・・・・・」
  まったくもう
  わたしの気も知らないで呑気なものね
  でもあいつ・・・・・・
  いったいなんだったのかしら・・・・・・?
  ・・・
  ・・・・・・
  ・・・・・・・・・
ママ「ついに来たわね・・・・・・」
オジちゃん「ウホッ・・・・・・」
ママ「・・・・・・」
オジちゃん「・・・・・・」
ママ「バナナ超特売セール、行くわよ」
オジちゃん「ウホッ!!」

〇川のある裏庭(発電機あり)
  ”長女シイロの家族の話”
  『始まり・・・・・・?』
  〈了〉

コメント

  • 毒があるような無いような、なんとも摩訶不思議な雰囲気のお話で面白かったです。我が家でもちょっとトイレに行ってる間に、異世界から魔王が出入りしててうちの犬が見てるかもしれないなあ、なんて。

  • 知りあいのおじさんがゴリラなのにはびっくりでした!猫も飼い主に子供が生まれたら、色々と思うところあるのでしょうね。なかなかおもしろい構成だと思いました。

  • 何かに気づいたのかと思ったらバナナセールでしたか…笑
    猫の目線で人間の世界を見ることなんて、普段想像することもないので、新鮮な気持ちで読ませて頂きました!

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