聴覚機動隊 - Sound School Police -(脚本)
〇学校の屋上
猫間 ネオ「聞こえる」
猫間 ネオ「耳障りな不協和音」
猫間 ネオ「事件の音だ」
〇学園内のベンチ
千春「私、どうしよう」
梨花「大丈夫だって、ほら泣くのやめな?」
猫間 ネオ「待たせたな!」
猫間 ネオ「学園理事長付 特務治安維持組織 聴覚機動隊」
猫間 ネオ「猫間ネオ、ただいま到着しました!」
猫間 ネオ「私が来たからにはもう大丈夫」
猫間 ネオ「泣いてる訳を教えてちょうだい」
梨花「げっ、出たよ。聴覚機動隊」
梨花「根も葉もないところに事件の音を聞きつけて」
梨花「学園内の小競り合いを大事件まで発展させる「地獄の猫耳」」
梨花「猫間、あんたに頼むことなんてないから 警察ごっこは向こうでやっといで」
猫間 ネオ「そうつれないこと言うなよ梨花ちゃん」
猫間 ネオ「千春ちゃんは、猫の手でも借りたいって顔してるぜ?」
千春「・・・えっと、私」
梨花「うそっ」
梨花「千春マジで猫間に頼むのはやめた方がいいよ」
千春「でも、どうしたらいいか分からないし」
梨花「はぁ、分かった」
梨花「でも、用件だけ簡潔に伝えるんだよ」
梨花「あんまり深入りさせると、ろくな事にならないんだから」
猫間 ネオ「さぁ、悩みを話してごらんなさい」
千春「私の持ち物がなくなっちゃって」
千春「探してるんだけど、見つからないの」
猫間 ネオ「ほう、持ち物とはどんなものかな?」
千春「これと同じ紙袋」
猫間 ネオ「いつなくしたの?」
千春「30分ぐらい前かな」
千春「ここに置いたまま梨花ちゃんの教室に行って」
千春「戻ってきたときにはなくなってたの」
猫間 ネオ「紛失と盗難の両面から捜査する必要があるね」
猫間 ネオ「了解!この事件、私に任せて!」
梨花「アンタがいるから不安なのよ」
〇散らかった職員室
猫間 ネオ「失礼します!」
猫間 ネオ「学園理事長付 特務治安維持組織 聴覚機動隊」
猫間 ネオ「猫間ネオ、入ります!」
猫間 ネオ「紙袋の落とし物は届いてませんか?」
先生「こら猫間!」
先生「職員室に入る時には変な役職ではなく 学年とクラスを名乗れって言ってるだろう」
猫間 ネオ「お言葉ですが、教官!」
先生「誰が教官だ!先生と呼べ、先生と」
先生「それと、その変なカチューシャも外せ!」
猫間 ネオ「こ、これは理事長から頂いた」
猫間 ネオ「Cochlea Access Transmitting ear 《蝸牛接続伝送外耳》と呼ばれるデバイス」
猫間 ネオ「頭文字を取って、CATear 通称「ネコミミ」 私の大切な仕事道具です!」
先生「また理事長が変なおもちゃ与えてるのか」
猫間 ネオ「・・・・・・」
理事長「・・・・・・」
先生「さっきも急に修学旅行の行き先を変えるとか言い出すし」
先生「あの人には困ったもんだよ」
理事長「ワシ、おるよ」
先生「り、理事長!?」
先生「いつの間に?」
理事長「急に変えるとか言ってごめんね」
先生「そんな、生徒のためならお安いご用ですよ」
理事長「そうそう、ネオちゃん」
理事長「ワシ、紙袋見たよ」
猫間 ネオ「うそ!どこで?」
理事長「さっきグラウンドに向かう男子が持っとった」
猫間 ネオ「ありがとう! それが分かればこっちのもんだよ」
猫間 ネオ「この事件なんとしてでも解決するね」
猫間 ネオ「理事っちゃんの名にかけて!」
先生「こら、猫間! 理事長を「じっちゃん」みたいに呼ぶな!」
〇学校の屋上
猫間 ネオ「グランドにいる男子の中から紙袋を持った 生徒を探す」
猫間 ネオ「聴覚機動隊の本領発揮だね」
猫間 ネオ「Sound Dive 《音波潜水》」
猫間の装着するネコミミは、半径1キロまでの音声を受信し、ヒトの内耳にある蝸牛へと情報を伝達する
その膨大な音声情報の海に意識を沈め、
優れた聴覚センスによって必要な情報を
聞き分けるSound Dive 《音波潜水》
猫間ネオの特技であり
彼女が聴覚機動隊を自称する所以である
〇水の中
猫間 ネオ「聞こえる」
猫間 ネオ「求める音は近い」
男子生徒「聴覚機動隊って知ってる?」
女子生徒「なにそれ? 名前ダサっ」
女子生徒「ねぇねぇ さっき猫耳つけてる変な人いたんだけど」
男子生徒「ちょ、聴覚機動隊www」
〇学校の屋上
猫間 ネオ「グハッ」
猫間 ネオ「ダメだ 自分の悪口ばかり聞きつけてしまう」
猫間 ネオ「くそ〜 言葉は人を傷つける凶器なんだからな」
猫間 ネオ「集中しよう、集中!」
猫間 ネオ「紙袋、紙袋」
猫間 ネオ「Sound Dive 《音波潜水》」
〇水の中
男子生徒「剛田、その紙袋どうしたんだよ?」
男子生徒「あぁ、これはさっきそこのベンチで・・・」
〇学校の屋上
猫間 ネオ「はっ!」
猫間 ネオ「剛田!ラグビー部のキャプテンか」
猫間 ネオ「待ってろよ!すぐに捕まえてやる」
〇学園内のベンチ
千春「どこにもないよ」
猫間 ネオ「千春ちゃん、犯人見つけたよ!」
千春「えっ?」
猫間 ネオ「ラグビー部の剛田!」
猫間 ネオ「私が今から取り返しに行って来るから」
千春「も、もう大丈夫だよ、ネオちゃん」
猫間 ネオ「安心して、ラグビー部相手でも負けないから」
猫間 ネオ「聴覚機動隊に任せときなさい」
〇グラウンドのトラック
剛田「よーし、アップ行くぞ」
猫間 ネオ「ちょっと待て!」
猫間 ネオ「学園理事長付 特務治安維持組織 聴覚機動隊」
猫間 ネオ「猫間ネオだ! 剛田、盗んだ紙袋を返してもらおうか」
剛田「紙袋、これのことか?」
猫間 ネオ「その紙袋だ!この泥棒め!」
千春「違うの! それは剛田くんが盗んだんじゃない!」
猫間 ネオ「千春ちゃん!?」
猫間 ネオ「でも、剛田が盗んだ紙袋を持ってるよ」
剛田「盗む?」
剛田「違うんだって、これは友達が拾って 俺の名前が書いてるからって渡されたんだ」
剛田「俺も持ち主がわからなくて困ってたところさ」
千春「そ、それは私が書いたんだ」
千春「剛田くんにメッセージ書いて渡そうと思ったんだけど」
千春「剛田くんの名前書いたら、そっから何書いていいかわかんなくなっちゃって」
千春「梨花ちゃんに相談しに行ってる間に 拾われちゃったの」
猫間 ネオ「これは千春ちゃんのでしょ?」
猫間 ネオ「なんで剛田の名前なんて書いたの?」
千春「そ、それは・・・」
千春「私、剛田くんが好きなの!」
千春「私と付き合ってください!」
猫間 ネオ「なにー!?」
剛田「お、俺の方こそ 千春ちゃんのこと好きだったんだ」
剛田「俺と付き合ってください!」
千春「はい、よろしくお願いします」
猫間 ネオ「お熱いね〜、2人とも」
猫間 ネオ「見てるこっちの耳が熱くなるっつーの」
猫間 ネオ「まぁ、これで一件落着っていうことで」
猫間 ネオ「困ったことがあれば、また呼んでね!」
猫間 ネオ「事件の音を聞きつけて」
猫間 ネオ「聴覚機動隊はいつでも駆けつける!」
全員(アンタがいなければ 最初から平和だったんだけどな)
攻殻ならぬ聴覚!!
すごい惹かれるタイトルですね!
タップの読者に合うようなタイトルだし 、もっと読まれてもいい感じしますね🤔
CATearの頭文字に合う英語を作るのが、すごいセンスをの良さを感じます!!
「理事っちゃんの名にかけて」でお茶吹いた。ネオが参上するたびにいちいち寅さんみたいに肩書きを名乗るところとか、大仰な文言を並べている割に大したこと言ってない説明とか、逐一面白すぎました。これからも「地獄の猫耳」の活躍に期待しちゃいます。
タイトルから惹きつけられて、キャラの一所懸命な性格にワクワクしながら読ませていただきました🌟
台詞センスもテンポも良くて面白かったです😆
耳が良くて悪口聞こえちゃうの辛いですね💦