感染(脚本)
〇体育館の舞台
  今日は保育園でみくちゃんの生活発表会
  わたしはおめかしを済ませると
  市立ギャラクシー保育園へ向かった
  保育園につくと紅白の衣装を身にまとった顔一面に白い綿をつけた人が
  わたしを迎えた
  戸惑いを隠せないわたしに
  その人はおはようございますと声をかけた
  顔一面を覆った綿で誰だか分らなかったけれど
  声からひろみ先生であることが分かった
  わたしも挨拶をするとひろみ先生と別れ体育館へ向かった
  体育館にはもうすでに園児たちが集合していて
  2歳クラスのお友達、心愛ちゃんやゆりちゃんが集まって
  いっしょにお遊戯の練習をしている
  わたしが体育館に入るのと同時に
  先生が園児たちを集めて発表会開始の挨拶をした
  最初は2歳クラスの発表、心愛ちゃんとゆりちゃんの先頭に立って先生の合図を待っている
  先生が合図をするとみんな一斉に舞台の上に飛び出した
  体育館には園児たちの親、数十人がパイプ椅子に座っている
  わたしは練習とは違う景色に戸惑い
  大きな声で泣き出した
  あ’’ああああああああああああああああああ
  わたしが泣き出すと心愛ちゃんとゆりちゃんもつられて泣きだした
  あ’’ああああああああああああああああああ
  わたしたちが泣き出すとそれを聞いて不安になった
  3歳児クラスの園児もつられて泣きだした
  あ’’ああああああああああああああああああ
  あ’’ああああああああああああああああああ
  という鳴き声が体育館にこだました



叙述トリックに全振りして画面の動きは必要なしとする作者さんの潔さに惚れ惚れします。こういう可愛いインスタント・ゾンビの大量発生は誰しも想像できるし、想像の中でも楽しめますね。それにしても園児の発声パワーってすごいから、害獣駆除かなんかに有効利用できないかなあ。
こういうゾンビ現象たしかに2.3才児にはかなりの確実で起こりえますね。みんなの声が交わり重なって響いているのが、タップしながらよく伝わってきました。
子供あるあるかもしれませんが、一人が泣き出すと周りも泣き出すことってありますよね笑
大人になって起きるとすると、負の連鎖でしょうか…。