身ばれ?(脚本)
〇汚い一人部屋
みやお「そろそろバイト行かなきゃ」
10月。今年は例年より寒くなるのが早い気がする。
あきちゃん「ミャー!」
みやお「ふふっ♪おめぇはいつもかわえぇなぁ〜♪ (なでなで)」
あきちゃん「ミャー♪」
このコはあきちゃん。捨て猫だったんだけど、どうも放っておけなくてね。ついつい。
みやお「ぜぇーんぶ、おめぇが悪ぃんだぞ?てぇてぇ過ぎて♪」
みやお「あ、怒った?」
「・・・」
みやお「わぁ!やっぱ可愛いぃ〜〜い!!」
あきちゃん「ミャー♪」
と、こうしてるとすぐに時間が経ってしまう。
勤務先は片道8分くらいのコンビニで、22時から。21時38分くらいには出たい性分だ。
みやお「ヤバ!42分じゃん!?」
みやお「ごめんよぉ〜!また後で!」
「いいコで待っててね!♪」
コートを羽織る!もうちょっと能天気な性格になりたかった!
「ガチャ!」
あきちゃん「ミャー・・・」
あきちゃん「・・・」
あきちゃん「さみしいなぁ〜・・・」
みやおちゃんが出稼ぎに行っちゃうのホントさみしい。でもこの縄張りを確保しとくのに「キャネ」ってものが必要らしい。
あきちゃん「僕もそろそろ用意するか!」
そう。みやおちゃんが出稼ぎなら、僕はりもーと?で「キャネ」を稼ぐ。
みやおちゃんといつも一緒に居たいから。
あきちゃん「よしっ!」
・・・・・・・・・。
よしっ!じゃねぇぇええ!!!!
〇配信部屋
あきちゃん「よしっ!」
よしっ!じゃねぇって!
PCを起動させる。主がお家に居る時に使ってるのを見て、気になったのがきっかけ。
あきちゃん「準備完了ぉ〜♪開始まであと7分・・・」
この黄色い女の子は
「癒志野(いやしの)ひよこ」僕の仮の姿その2です。バーチャル偶像っていう類らしいね!
そう!僕はみやおちゃんの留守にひよことしての配信活動をしてるのです!
1年でなんとかファンが1万人超えたけど、目標はまだまだ!
あきちゃん「おわ!150人も待機してる!♪ヤバぁ〜!」
目標は同席1000万人!その規模のライブ配信で、大公開アンケート大会をするのが夢なんだ♪
だってそうすれば、どの議員が支持率高いのか一目瞭然じゃないか!?←こいつスライム!?
あきちゃん「音楽流そ〜♪」
〇男の子の一人部屋
a「始まる・・!」
〇学生の一人部屋
b「30分待ってま〜す!もちょっと早めに始めてほしっす〜!」
〇勉強机のある部屋
c「お前の都合だ。ひよこさんに失礼だろ」
〇けばけばしい部屋
e「ひよちゃん!」
〇女の子の一人部屋
f「ちゅき」
〇配信部屋
「待っててくれてありがとねぇ♪(小声)」
そう、今じゃ定番のASMR配信!だから小声です。正式名称はわかりません!肝心なのは、気持ちの良い音でお耳を癒すこと!
「今日も皆を癒しますよぉ〜♪」
〇オタクの部屋
d「¥50,000:ひよたん最高〜!!!!」
〇配信部屋
「あ、dさんありがとー・・・(こっわ)」
「今日は、指耳かきをやらせてもらいますねぇ♪」
リスナー「おおー」
「いくよぉ〜」
ぶりゅりゅりゅ!♪ぎゅりゅりゅりゅ!♪
ぎゅぃいん♪
ぐりゅりゅ♪きゅいいいん♪
〇学生の一人部屋
b「エッッッ!♪」
〇配信部屋
「いやらしいこと考えちゃダメだよぉ〜♪」
b「事実だし草」
ぎゅりゅりゅ!♪
b「草」
a.e「気持ちいい〜」
c「最高に良い音ですね!」
「ありがと〜♪」
f「気持ち良いんだけど、これ指?スライムじゃなくて?」
「え?指かきだよぉ?」
b「指だとザザって鳴らん?」
きゅいいいん♪
──しまった!!
僕だとザザってできない!──
「あ、ごめん。手を忘れてきちゃった・・・」
リスナー「手ェ!?忘れ!?」
りゅりゅりゅ♪ぎゅぃい♪
「今日はこれでいきますね?」
b.d「詐欺った」
あきちゃん「ごめん!そんなつもりじゃ!」
f「目、覚めた」
「みんなごめんねぇ〜!」
a「¥1,000:この音も好きなので」
c「¥600:少ないですが」
e「¥3,500:いつもありがとう」
「みんな・・・っ!」
他リスナー「ごめん、この音も好きだからいいよ」
「みんなありがと〜! それじゃ今日はスライムで癒していきますね!♪」
リスナー「りょ! おk 幸せ!♪」
「2時過ぎくらいまで予定してるから、ゆっくりしていってね♪」
〇オタクの部屋
d「¥50,000:スライムぅううう〜〜〜!」
〇配信部屋
こっわ
〇配信部屋
約三時間後・・・
「新規の方いらっしゃ〜い♪もうちょっとで終わっちゃうかもだけど、気に入ってくれたらアーカイブでも楽しんでね♪」
ぎゅぃいいん♪
待機してたみんなはもう寝ちゃったかな?♪
d「¥50,000:sleeeep♪」
「ありがと〜」
何してる人なんだろ?
まぁ、いっか!
「今日はみんな、来てくれてありがと♪」
「それじゃまた次の配信でね♪ おやすみなさい♪」
──ぽちり。配信完了。
あきちゃん「今日も無事でよか・・・」
ガチャ!
みやお「ただいま♪あきちゃん♪今日準夜勤で早上がりだった♪」
あきちゃん「あ!おかえり!みやおちゃ・・・」
「・・・・・・・ ・・・」
〇二階建てアパート
「──バタン!」
あきちゃん「ぁあああああ!みやおちゃあああああああん!!!!!」
〇汚い一人部屋
──翌朝
みやお「・・・んん!?あれ?わたし、コート着たまま寝たの?」
〇配信部屋
〇汚い一人部屋
みやお「そうだ!?なんかすごいのを見た後の記憶が全然なくて!」
みやお「あきちゃん!?」
あきちゃんは!?どこ!?
あきちゃん「ミャー!」
みやお「あきちゃん!良かったぁ!大丈夫!?」
あきちゃん「ミャ〜」
みやお「ごめん!あきちゃんに大変なことがあったんじゃないか?って!」
ふるふる!あきちゃんの全力首ふり!
みやお「そっかぁ! ごめんね慌てちゃって〜!」
そりゃそうだよ、みやおちゃん。
しかしなんだか複雑な気持ちになってしまう。
正直このままどこかにいく事も考えた。迷った。
──しかし
みやお「あきちゃんがあんっなに可愛いくて大きなスライムで!オマケにお話出来る事なんてあるわけないよねぇええ!!!♪」
なんて強メンタルなコなのかと驚きばかりだったけど・・・
とりあえず
もうちょっとこの家に居ても問題なさそうだ──
──END──
あきちゃんすごいスパチャもらってますね!笑
でも、普段は猫なのに動画配信者ってすごいと思うんですよ。
むしろ猫のままやってもいけるんじゃないかと!
猫ちゃんがスライムだったのにも驚き、確かにネット上だと本当の姿を見せなくても役を演じる事ができるんだななんて感心もしてしまいました笑
ペットは猫じゃなかったという驚きもありますが、スライムがネットで稼いだ金はどうやって使うつもりだったのか気になります。
お話は展開が気になる感じで良かったです。