友だちの彼氏

こなつ

エピソード1(脚本)

友だちの彼氏

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友だちの彼氏
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〇教室
  金曜日の放課後
北川けんじ「なお! 帰ろ?」
なお「あっ・・・ごめん! 今日はあやなと帰ってもいいかな? 私に相談したい事があるみたい」
北川けんじ「そっか・・・わかった!」
なお「ごめんね」
なお「けんちゃん!」
北川けんじ「ん?」
なお「月曜日は一緒に帰ろうねっ!」
北川けんじ「おうっ! 放課後なおのクラスに行くから待ってて!」
なお「はーい!」
  二人は手を振り
  けんじは帰った

〇教室
  月曜日の放課後
北川けんじ(・・・あれ?)
今井あやな「なおは今日休みだよ」
北川けんじ「えっ? あっ・・・そうなんだ!」
今井あやな「体調不良みたい」
北川けんじ「まじか! 大丈夫かな・・・」
北川けんじ「あっ・・・教えてくれてありがとう!」
北川けんじ「課題のプリントとか届ける物ある? 持っていくから!」
今井あやな「いや・・・特にないから大丈夫だよ」
北川けんじ「そっか・・・ほんじゃ行くわ! おつかれっ」
今井あやな「北川くん!」
北川けんじ「ん?」
今井あやな「今から時間ある?」
北川けんじ「えっ?」
今井あやな「なおのことでちょっと相談が・・・」

〇女の子の部屋
今井あやな「北川くん」
今井あやな「ジュースじゃなくてごめんね お茶どうぞ」
北川けんじ「あっ・・・ありがとう」
北川けんじ(・・・いやいや!! 何ですかこの状況はっ!!)
北川けんじ(どうしてこんな事に・・・)

〇学校の下駄箱
  さかのぼること30分前
今井あやな「ごめん おまたせ」
北川けんじ「ううん」
今井あやな「じゃあ帰ろっか」
北川けんじ「えっ?」
北川けんじ「下駄箱の裏・・・全然人通らないから そこで話すんじゃ・・・」
今井あやな「帰りながら話したいんだけど・・・だめ?」
北川けんじ「えっと・・・知ってるとは思うんだけど 俺なおと付き合っててさ」
北川けんじ「女の子と二人で帰るのはちょっと・・・」
今井あやな「一緒に帰ったら浮気なの?」
北川けんじ「・・・・・・」
今井あやな「ひとけのない場所でこっそり 話してる方があやしいと思わない?」
北川けんじ「・・・確かに・・・」

〇川に架かる橋
北川けんじ「それで・・・話って?」
今井あやな「・・・まだ人いるから」
北川けんじ「いやいや! 聞こえないでしょ!」
北川けんじ「そんなに気にするような内容?」
今井あやな「聞いたら納得すると思うよ」
今井あやな「誰にも聞かれない とっておきの場所があるの」
北川けんじ「とっておきの場所?」

〇一戸建て
今井あやな「着いた」
北川けんじ「えっ! いやここって・・・」
今井あやな「うん 私の家だよ」
北川けんじ「ですよね!?」
今井あやな「どうぞ 入って」
北川けんじ「いやいや! 今井さん正気かな?」
北川けんじ「俺なおの部屋にもまだ入ったこと ないんだけどっ!!」
今井あやな「北川くん」
今井あやな「家の前で騒ぐのはよくないよ?」
北川けんじ「いや・・・だからっ!」

〇女の子の部屋
  そして現在・・・
北川けんじ(部屋で二人きり・・・ あああ・・・なおごめん・・・)
今井あやな「もったいぶってごめんね ここまで来てくれてありがとう」
今井あやな「・・・話すね」
北川けんじ「あ うん・・・」
北川けんじ「なおのことで相談・・・だったよね?」
今井あやな「・・・うん」
  あやなはお茶をすすった
北川けんじ(そういや・・・ここまでして 相談したい事ってなんだ?)
北川けんじ(なおに持病があるとか?)
北川けんじ(うおお急に緊張してきた!)
  あやなはふぅ~っと息を吐いた
今井あやな「なおと別れてほしいの」
北川けんじ「・・・へ?」
今井あやな「北川くん・・・私と付き合ってください」
北川けんじ「・・・ええっ?」
北川けんじ(こ・・・告白・・・だよな・・・)
  けんじはコホンと咳をした
北川けんじ「今井さん」
北川けんじ「気持ちは嬉しいですが・・・すみません」
今井あやな「・・・」
  あやなの目から涙が流れ落ちた
北川けんじ「えっ・・・!!」
北川けんじ「ごっごめん! ごめんね・・・」
今井あやな「伝えたいことがあるので・・・ 放課後一人で下駄箱の裏に来てください」
北川けんじ「えっ!! ・・・それ」
今井あやな「あの日・・・手紙で北川くんを呼び出して 告白しようとしてたのは・・・」
今井あやな「私なんだよ?」
北川けんじ「!?」
今井あやな「それなのに・・・なおがっ・・・」
北川けんじ「いやあの・・・えぇ??」
北川けんじ(ど・・・どういうことだ?)
北川けんじ(わけがわかんないぞ?)
北川けんじ(いや・・・でも・・・)
北川けんじ「あの・・・よくわかんないけど・・・」
北川けんじ「俺は付き合う前からなおのこと 気になってたから・・・ごめん・・・」
  あやなは突然
  制服のボタンを外し始めた
北川けんじ「ちょっ 今井さん!!」
  けんじは慌てて目をそらした
今井あやな「私だったら今すぐにでも・・・できるよ?」
今井あやな「北川くん・・・我慢してるんじゃないの?」
北川けんじ「あの! 気持ちに応えられなくて本当にごめん!」
北川けんじ「でも・・・そういうのダメだって!!」
  けんじは勢いよく立ち上がった
北川けんじ「帰ります!」
北川けんじ「えと・・・お茶ごちそうさまでした!」
  けんじは家を飛び出して行った
  あやなはあぐらをかいた
今井あやな「チッ!!!」
今井あやな「あ~~~~~! またかよ~~~~~!」
今井あやな「だっる!」
  突如あやなの前に
  モニターが現れた
あやなの父「あやな・・・残念だったな」
今井あやな「も~・・・私には無理だってぇ~」
あやなの父「すまんのぅあやな・・・」
あやなの父「今回のミッション 【地球で友だちの彼氏を奪う】を 成功しなければ・・・私たちは・・・」
今井あやな「・・・消えてしまうんでしょ?」
あやなの父「うぅ・・・そうなんだ・・・ だから・・・頼む・・・」
今井あやな「はぁ・・・・・・」
今井あやな「わかってるよ・・・お父ちゃん」
今井あやな「ちゃんとクリアしてみせるから・・・」
あやなの父「あやな・・・」
あやなの父「おっ」
今井あやな「ん?」
あやなの父「次の転校先の手続きが完了したみたいだ」
今井あやな「は?」
あやなの父「お前が風邪を引かせたなおちゃんに北川くん」
あやなの父「二人の金曜日からの記憶も 操作しておいたからなっ」
今井あやな「おい・・・ いくらなんでも対応が早すぎんだろ!」
あやなの父「そりゃあ・・・北川くんって どこからどう見たって好青年じゃん?」
あやなの父「今回も無理だろうと思って 昨日から準備を進めておいたんだ!」
今井あやな「少しは娘を信用しろよ!!」
今井あやな「ってか・・・いい加減アドバイスくれや!!」
あやなの父「それは出来ない決まりなんだよぉ・・・ すまんあやな!」
あやなの父「父さん応援してるからなっ! ほんじゃっ!」
今井あやな「あっ ちょっ!」
今井あやな「逃げんなこんにゃろおおお!!!」
  こうして地球外生命体のあやなは
  次の学校でもミッションに励むのであった

〇教室
  その次の学校でも・・・

〇教室
  さらにその次の学校でも・・・・・・

〇大きな木のある校舎
  そしてついに・・・
  120回目の挑戦で見事クリアしたのだった
今井あやな「もう二度と・・・」
今井あやな「地球には来ねぇからなーーーっ!」

〇地球

コメント

  • こんなに可愛い女の子の企てでも成功するのに120回も要したということは、ある意味日本人男子は誠実だということですね! それとも彼女の圧しが強くて引いてしまうのでしょうか。

  • こんな友達嫌だなーでもこれも青春?学生なのかなーなんて思って読んでいたらまさかのミッションだったとは!笑120回目の成功である意味不器用さんで可愛いななんて思ってしまいました笑

  • あやなさんが積極的すぎて、はじめドン引きしてしまったけれど、なんだか実はとても不器用で、そんなにトライアンドエラーしてミッション達成できたとか、最後はけなげで可愛く思えてきた。

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