パラレル・ファミリー

komarinet

家族の崩壊と再生(脚本)

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〇教室
担任の先生「みなさん、修学旅行は楽しかった?」
「はーい」
担任の先生「でも、お家に帰るまでが 本当の修学旅行ですよ」
担任の先生「気をつけて帰って下さいね」

〇学校の校舎

〇通学路
中林 美波(みなみ)「茉梨、また来週ー」
戸高 茉梨(まつり)「うん。またね」
戸高 茉梨(まつり)(お土産、みんな喜んでくれるかなぁ)

〇昔ながらの一軒家
戸高 茉梨(まつり)「ただいまー」
戸高 茉梨(まつり)「あれ?」
戸高 茉梨(まつり)「お母さーん! 悠希ー 帰ってきたよー!」
戸高 茉梨(まつり)「むー。誰もいないの?」
戸高 茉梨(まつり)「あっ、ただい・・・」
???「オカエリナサイ」

〇昔ながらの一軒家
戸高 茉梨(まつり)「えっ、誰?」
???「遅カッタナ」
???「ミンナ待ッテルゾ」
戸高 茉梨(まつり)「・・・」
戸高 茉梨(まつり)「ここ、アタシんちだよね?」

〇シックなリビング
???「あら、お帰りなさい。 修学旅行は楽しかった?」
???「久しぶりダナ!」
???「お姉ちゃん、お土産!」
戸高 茉梨(まつり)「待てい!」
戸高 茉梨(まつり)「明らかにおかしいでしょ!」
戸高 茉梨(まつり)「誰よあなた達!」
???「母よ」
???「悠希だよ」
???「Your father」
戸高 茉梨(まつり)「あなたは?」
???「兄チャンダ」
戸高 茉梨(まつり)「訳わかんない! どういうこと?」
戸高 太陽(たいよう)「コレダ。テレビヲ見ロ」
戸高 茉梨(まつり)「ん?」

〇テレビスタジオ
ニュースキャスター「本日お昼頃、多数の乗客を乗せた 観光バスが高速道路で横転し」
ニュースキャスター「十数名もの死傷者を出しました」
ニュースキャスター「死亡が確認されたのは、 戸高太陽さん、戸高暦さん・・・」

〇シックなリビング
戸高 太陽(たいよう)「ト、イウワケダ」
戸高 茉梨(まつり)「えっ。みんな死んじゃったの!?」
戸高 茉梨(まつり)「しかも観光バスに乗ってた? 何で?」
戸高 太陽(たいよう)「ソレハダナ」

〇シックなリビング
戸高 太陽(たいよう)「オ前ガ修学旅行へ行ッタ日」
戸高 茉梨(まつり)「行ってきまーす」
戸高 真帆(まほ)「行った?」
戸高 太陽(たいよう)「行ったみたいだな」
戸高 遼平(りょうへい)「よし、じゃあ我々も家族旅行へ出発ー!」
「おー!」
戸高 太陽(たいよう)「俺タチ残リノ家族ハ、オ前に内緒デ 旅行へ出カケタンダ」
戸高 茉梨(まつり)「えっ、ズルい。聞いてないよ!」
戸高 太陽(たいよう)「ソウ、オ前ニハ内緒ダッタ。ダガ・・・」

〇観光バスの中
戸高 太陽(たいよう)「運悪ク、帰リノバスガ転倒、大破」
戸高 太陽(たいよう)「うわあ!」
戸高 太陽(たいよう)「俺タチハ全員、命ヲ落トシタ」
戸高 太陽(たいよう)「ダガ、話はコレデ終ワラナイ」

〇宇宙船の部屋
戸高 太陽(たいよう)「次ノ瞬間気付クト、俺ハ ロボットニナリ、宇宙船ノ中ニイタ」
戸高 太陽(たいよう)「ココハ?」

〇水玉2
戸高 太陽(たいよう)「ドウヤラ超高次元的存在ガ 俺二第二ノ人生ヲクレタラシイ」

〇宇宙ステーション
戸高 太陽(たいよう)「俺ハ『宇宙マン太陽丸』トシテ 10年間、宇宙ノ平和ヲ守ッテイタノダ」
戸高 茉梨(まつり)「名前のセンス」

〇コックピット
戸高 太陽(たいよう)「アル日、コクピットデ俺ハ 突然光二包マレ・・・」

〇昔ながらの一軒家
戸高 太陽(たいよう)「気ガツケバココニイタ」
戸高 太陽(たいよう)「スグニ、実家ダト気ヅイタ」
戸高 太陽(たいよう)「ナゼナラ」
戸高 太陽(たいよう)「周リヲ見渡セバ 同ジヨウニ家族ガイタカラナ」
戸高 茉梨(まつり)「本当にこの面子見て 家族だって思ったの!?」

〇シックなリビング
戸高 太陽(たいよう)「皆ソレゾレ異世界デ 10年間ホド過ゴシテ来タヨウダ」
戸高 太陽(たいよう)「ドウシタ、茉梨?」
戸高 茉梨(まつり)「ちょっと静かにして。 今、現実を受け入れてるとこだから」
???「ああ、茉梨! お帰りなさい! 儂らも待っておったぞ」
戸高 茉梨(まつり)「あ、おじいちゃ・・・」
戸高 茉梨(まつり)「お爺ちゃんとお婆ちゃん?」
戸高 英明(えいめい)「ああ、爺ちゃんだよ」
戸高 英明(えいめい)「RPGとかいう世界で 全世界を敵に回して戦っておったわ」
戸高 茉梨(まつり)「魔王だからじゃないの」
戸高 暦(こよみ)「お前も人狼か?」
戸高 茉梨(まつり)「おばあちゃんはどうしたの?」
戸高 英明(えいめい)「ばあさんは10年間、『人狼ゲーム』 という世界で生きてきたそうじゃ」
戸高 茉梨(まつり)「誰も信じられなくなるやつやん」
戸高 真帆(まほ)「はーい、そろそろ夕飯にするわよ!」
戸高 真帆(まほ)「今日はフルーツコウモリのカツレツと ワニ肉の味噌汁よ!」
「やったー!」
戸高 茉梨(まつり)「料理も異世界化しとる」
戸高 太陽(たいよう)「俺、食欲ナイカラパス」
戸高 遼平(りょうへい)「ヘイ、太陽。反抗期カイ!?」
戸高 茉梨(まつり)「ロボだからでしょ!」

〇昔ながらの一軒家
戸高 茉梨(まつり)(ダメだ、ツッコミが私しかいない・・・)

〇昔ながらの一軒家

〇通学路
中林 美波(みなみ)「おはよう、茉梨。 お土産喜んでもらえた?」
戸高 茉梨(まつり)「お土産? そういや忘れてたわ」
戸高 茉梨(まつり)「家族のお土産が重たすぎて・・・」
中林 美波(みなみ)「え? 茉梨の家族、どっか行ってたんだ」
戸高 茉梨(まつり)「あ、うん。ちょっと遠くにね」
戸高 茉梨(まつり)(異世界だけど)
中林 美波(みなみ)「何も修学旅行にぶつけなくても いいのにねー」
戸高 茉梨(まつり)「でもまあ、私も事故に 巻き込まれなくてよかったかも」
中林 美波(みなみ)「事故?」
戸高 茉梨(まつり)「あ、いや。こっちの話」

〇昔ながらの一軒家
宅配のお兄さん「宅配でーす」
宅配のお兄さん「あれ? 留守かな」
宅配のお兄さん「あ、こちら戸高さんのお宅で・・・」
戸高 暦(こよみ)「・・・本当に宅配かい? また私を騙すつもりじゃろ!」
宅配のお兄さん「え? いや、荷物をですね・・・」
戸高 暦(こよみ)「我が家に害を為すものに死を!」
宅配のお兄さん「ひいっ!」
戸高 悠希(ゆうき)「おばあちゃん、それ宅配のお兄さんだよ! 威嚇しないで!」
戸高 暦(こよみ)「お、おお。そうかい つい疑っちまうねぇ」
戸高 悠希(ゆうき)「少しずつなれなきゃ駄目だよ」
戸高 悠希(ゆうき)「あ、荷物ありがとうございまーす」
宅配のお兄さん(ドッキリ?)

〇空
中林 美波(みなみ)「嘘でしょ」

〇高い屋上
中林 美波(みなみ)「修学旅行疲れなんじゃないの?」
戸高 茉梨(まつり)「だったら良かったなー」
戸高 茉梨(まつり)「百歩譲って、人型は許せる。 弟なんて犬よ犬」
中林 美波(みなみ)「えっ! 悠希くん、犬になっちゃったの?」

〇水玉2
中林 美波(みなみ)「あのかわいい悠希くんが!」
戸高 悠希(ゆうき)「犬になっちゃったワン」

〇高い屋上
中林 美波(みなみ)「スパークッ」
戸高 茉梨(まつり)「ちょっ、鼻血? 大丈夫?」
中林 美波(みなみ)「ご、ごめん。ちょっと妄想が・・・」
戸高 茉梨(まつり)「ダメだこりゃ」

〇学校の校舎
同級生「じゃ、また明日!」
「じゃあねー」

〇通学路
戸高 茉梨(まつり)「あー、帰るの憂鬱だわ」
中林 美波(みなみ)「いいじゃない。死んでたはずの家族が 生き返ったんだから」
戸高 茉梨(まつり)「それはそうなんだけど」
中林 美波(みなみ)「ところで今日、 茉梨んち遊びに行っていい?」
戸高 茉梨(まつり)「いいけど、何で?」
中林 美波(みなみ)「だってモフモフがハフハフで・・・ ふふふ」
戸高 茉梨(まつり)「いいけど。また鼻血出さないようにね」
戸高 茉梨(まつり)「きゃあっ!」
中林 美波(みなみ)「まっ、茉梨!」
中林 美波(みなみ)「ど、どうしよう!」

〇昔ながらの一軒家

〇シックなリビング
戸高 悠希(ゆうき)「ハッ!」
戸高 太陽(たいよう)「ドウシタ、悠希」
戸高 悠希(ゆうき)「お姉ちゃんの匂いが急に消えた!」
戸高 悠希(ゆうき)「何かあったのかもしれない!」
戸高 太陽(たいよう)「寄リ道デモシテルンジャナイカ?」
戸高 悠希(ゆうき)「違う、そういう感じじゃない! 僕、探してくる!」
戸高 真帆(まほ)「夕飯までには帰ってくるのよー」

〇海岸線の道路
戸高 悠希(ゆうき)「ハア、ハア、ハア」
戸高 悠希(ゆうき)(お姉ちゃんは車の匂いと一緒だ。 きっと車で誘拐されたんだ!)
戸高 悠希(ゆうき)(あと何だろ、これ)
戸高 悠希(ゆうき)(人じゃない匂いもする)

〇空

〇港の倉庫
戸高 悠希(ゆうき)「ここだ。お姉ちゃんはここにいる」
戸高 悠希(ゆうき)(入り口を探さなきゃ・・・)
???「やっぱり来たな。「ハウンド」」
戸高 悠希(ゆうき)「誰だっ!」
戸高 悠希(ゆうき)「あっ!」
戸高 悠希(ゆうき)「きゅうん・・・」
???「ふふふ・・・」

〇黒
???「悠希・・・悠希!」
戸高 悠希(ゆうき)「えっ?」

〇ボロい倉庫の中
戸高 茉梨(まつり)「悠希、大丈夫?」
戸高 悠希(ゆうき)「あ・・・お姉ちゃん」
戸高 茉梨(まつり)「悠希も捕まっちゃったの?」
戸高 悠希(ゆうき)「ううん、僕はお姉ちゃんの匂いを 追っかけて来たんだ」
戸高 悠希(ゆうき)「でも、後ろからやられちゃって・・・」
戸高 茉梨(まつり)「何でこんな目に。 お金なんてないわよ、うち」
戸高 悠希(ゆうき)「いや、多分・・・」
???「ハッハッハッハ! 目が覚めたか。「ハウンド」とその兄弟よ」
戸高 茉梨(まつり)「誰!?」
???「ククク。 アニマルワールドの主役こと・・・」

〇ボロい倉庫の中
ベアホワイト「ベアホワイト様だ!」
戸高 茉梨(まつり)「・・・」
戸高 茉梨(まつり)「知らん!」
ベアホワイト「違う、お前に言ってない 横の・・・その、ワンちゃんだよ!」
戸高 悠希(ゆうき)「誰?」
ベアホワイト「お前は知ってろよ!」
ベアホワイト「ほら、王位継承戦でさ・・・」
戸高 悠希(ゆうき)「あっ!」
ベアホワイト「思い出したか!」
戸高 悠希(ゆうき)「下痢で予選を棄権した白熊! 君だったのか」
ベアホワイト「あの時は自宅から出ることも 出来なかったぞ・・・」
戸高 茉梨(まつり)「じゃあ、初対面やん」
ベアホワイト「うるさい!」
ベアホワイト「王になったにも関わらず、 お前はある日、突然姿を消した・・・」

〇洋館の廊下
ベアホワイト「俺はあれから必死にお前の匂いを 王宮で探し続けた」

〇謁見の間
ベアホワイト「そして、見つけたんだ! 王座の後ろにあったワームホールをな!」
ベアホワイト「俺は迷わずワームホールへ入って お前を追った」

〇通学路
ベアホワイト「着いたところは見たこともない 世界だった」
ベアホワイト「だが、お前の匂いがあることに気づき、 それを辿った」

〇昔ながらの一軒家
ベアホワイト「そして遂に、お前が隠れ住む 家を見つけた」
ベアホワイト「俺と同じように、見知らぬ世界で 震えてるはずのお前は・・・」

〇シックなリビング
ベアホワイト「見たことのない生き物たちと 楽しそうに笑っていやがったんだ!」

〇ボロい倉庫の中
ベアホワイト「俺は思った。王を辞めて、すぐに 違う奴らと仲良くするお前を許さないと」
戸高 茉梨(まつり)(長いな、こいつの話。 ていうか、これって・・・)
戸高 茉梨(まつり)(友達探しに来たら別の奴と 仲良くして悔しいってやつじゃね?)
戸高 茉梨(まつり)「嫉妬か」
ベアホワイト「違ーーう!」
戸高 悠希(ゆうき)「お姉ちゃん危ないっ!」
戸高 悠希(ゆうき)「うわーっ!」
戸高 茉梨(まつり)「悠希!」
戸高 悠希(ゆうき)「駄目だ、お姉ちゃん。 あんなのでも力は熊かそれ以上」
戸高 悠希(ゆうき)「お姉ちゃんなんかすぐ殺されちゃうよ」
戸高 茉梨(まつり)「でも!」
ベアホワイト「グガァーー!」
戸高 茉梨(まつり)(駄目、避けられない! 避けたら悠希が・・・っ!)
???「物理防御シールド、展開」
戸高 茉梨(まつり)「えっ!」
ベアホワイト「誰だっ!」
???「夕飯二帰ッテ来ナイカラ 探シニ来テミレバ・・・」
戸高 太陽(たいよう)「テメェコノ白熊! ウチノ家族二何シテヤガル!」
ベアホワイト「誰だ、貴様!」
戸高 太陽(たいよう)「フッ、俺力? 俺ハナ・・・」
戸高 太陽(たいよう)「宇宙マン太陽丸ダ!」
ベアホワイト「知らん! あと名前ダサいな!」
戸高 太陽(たいよう)「アッ、ソウイウコト言ウ?」
戸高 太陽(たいよう)「星殲滅ビーム!」
ベアホワイト「うわ危なっ」
ベアホワイト「えっ」

〇海辺の街

〇宇宙空間

〇ボロい倉庫の中
ベアホワイト「えっ、何今の?」
ベアホワイト「俺避けなかったらどうなってた?」
ベアホワイト「おっ・・・」
ベアホワイト「覚えてろよー!」
戸高 太陽(たいよう)「正義ハ勝ツ!」
戸高 茉梨(まつり)「いや、もっと軽めの武器選ぼうよ」
戸高 太陽(たいよう)「大丈夫力、悠希」
戸高 悠希(ゆうき)「う、うん。ありがとう。お兄ちゃん」
戸高 太陽(たいよう)「ヨシ、帰ルゾ。 今日ハ『ヤマブシダケノカレー』ダ」
戸高 茉梨(まつり)「また異世界メニューだよ」

〇空
  こうして、異世界からの来訪者は
  なんとか撃退することができた

〇空
  しかし・・・

〇昔ながらの一軒家
  他の家族が帰ってきたワームホールが
  開いている可能性があり、
  まだまだ油断は出来なさそうだ
戸高 茉梨(まつり)(ただ一つ、わかっていること)
戸高 茉梨(まつり)(たとえ形が変わってしまっても)
戸高 茉梨(まつり)(私たちは"家族"だってこと──)
戸高 茉梨(まつり)(それだけは、変わらないんだ)
戸高 真帆(まほ)「茉梨!」
戸高 真帆(まほ)「行ってらっしゃい」
戸高 茉梨(まつり)「・・・」
戸高 茉梨(まつり)「行ってきます!」
  パラレル・ファミリー
  ── 完 ──

コメント

  • とんでも部門ということですが、、、とんでもなく面白かったです!!(o^^o)
    家族それぞれの今までがほんと気になります!!!!!!

  • 情報量が多い…!!
    とにかく、キャラの癖が凄いですw
    それ故にそれぞれのキャラエピソードを作れそうで、IPの可能性を感じました!!(*゚▽゚*)

  • ようやく読めました…!
    まるで福袋みたいな内容で、それぞれの家族でいくらでもエピソードが思いつきそうです(笑)
    家族のお土産が重たすぎる…wwww
    吹き出しましたwwww
    自分ならお父さんのエピソードでシナリオ書きたいですね😂😂😂😂

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