大島家のパラレル家族旅行

芳川見浪

家族旅行の始まり、叩いてかぶってジャンケンポン(脚本)

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〇黒背景
大島 正俊(おおしま まさとし)「皆さんこんにちは、初めまして」
大島 正俊(おおしま まさとし)「大島 正俊です。 大島家の長男をやっています」
大島 正俊(おおしま まさとし)「突然ですが我が大島家は・・・・・・」

〇荒廃した市街地
兵士A「叩いて!!」
兵士B「被って!!」
「ジャンケンポン!!」
兵士A「ぐおおおおおお!! やられたああああああ!!」
  ピコハンで殴られた兵士が地平線の彼方まで飛んでいく。
  あれではもう助かるまい。
  勝った兵士は歓喜の声を上げる。
兵士B「いぃぃぃやっふぅぅぅぅぅ!!!!!!」
大島 正俊(おおしま まさとし)「突然ですが我が大島家は・・・・・・・・・」
大島 正俊(おおしま まさとし)「二大軍事国家が叩いてかぶってジャンケンポンで全てを決める世界に来ています」
  ・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・
大島 正俊(おおしま まさとし)「いや、なにこれぇぇぇぇぇ!?」
大島 正俊(おおしま まさとし)「今の効果音も何!?」

〇広い畳部屋
  話は数時間前に遡る。
大島 正俊(おおしま まさとし)「おはよう唯笑、早いな」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「おはようお兄ちゃん、お兄ちゃんが遅いだけだよ」
  唯笑の言うことも最もで、時計の針は11時を過ぎたところだった。
  これでは最早お昼と変わりない。
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「今日もお寝坊さんだね」
大島 正俊(おおしま まさとし)「逆に聞くけど、お寝坊しない俺なんて、俺と言えるのか?」
  キリっと、キメ顔で言ったつもりだったが寝起きの眠気まなこのせいで目を閉じてしまった。
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「うん言える」
  即答だった。
大島 正俊(おおしま まさとし)「容赦ねぇな」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーーー!(二人ともー、ご飯よ)」
  唯笑とダラダラ話している間に母が朝ごはん・・・・・・もといお昼ご飯を持ってきた。
  大島春子、正俊と唯笑の母でありどこにでもいる普通の母である。
  父は唯笑が産まれてすぐ死んでおり、正俊も正直顔すら覚えていない。
  死因は知らないが、春子が話したがらないので聞かない事にしていた。それは唯笑も同様である。
大島 正俊(おおしま まさとし)「いやあー、朝ごはん楽しみだナー」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「それツッコンでほしい?」
大島 正俊(おおしま まさとし)「聞くなよ」
  それはそれとしてお昼ご飯だ。
  お腹が空いている事には変わらないのでガッツクように食す。
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャニャニャ(そうそう、二人には食べながら聞いて欲しいのよ)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「ん、ひゃんだい?」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「お兄ちゃんたら、飲み込んでから話しなよ」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「で、何? お母さん」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャニャー(お母さんね、これからお父さんを探しに行こうと思うの)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「ああ、なるほど父さんを」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「いいと思う」
大島 正俊(おおしま まさとし)「・・・・・・」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「・・・・・・」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャー(よかったわ二人が賛同してくれて、それじゃお母さん)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「ええええええええええええ!!!!!!!!!!」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「(パクパクパク)」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャニャニャーニャーニャー(あらあら、そんな驚かなくても。ちょっとお母さんがいなくなるだけじゃない)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「驚いたのはそっちじゃねぇよ!!」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「(パクパク)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「見ろ!! 唯笑なんか驚きすぎて口を開く事しかできねぇぞ!!」
大島 正俊(おおしま まさとし)「つーかなんだよお父さんを探すって!? 再婚するつもりなのか!? それなら賛成だ!!」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャッ(再婚は賛成なのね)」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャニャーニャー(まあ再婚じゃないのだけどね)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「じゃあなんなんだよ?」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャー(ただ行方不明になったあなた達のお父さんを探すだけよ)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「は??」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「(パクパク)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「いやいやいや、父さんは死んだって!?」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャー、ニャニャーニャーニャー(ああ、あれ嘘)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「は??」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「お兄ちゃん・・・私怒りそう」
大島 正俊(おおしま まさとし)「おおいいぞ怒れ怒れ」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「おこだよ!!」
  ちょっと可愛いと思ってしまった。
大島 正俊(おおしま まさとし)「それで、父さんが生きてるってどういうことだよ?」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「私もお父さんは死んでるって聞いてたけど」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャァ〜(そう言っとけば周りへの説明が楽だったから)」
  確かに父親はどうしたの? て聞かれたら死んだと答えればそれ以上聞かれることは無くて楽だった。
  意外と考えていたのかと少し感心したが、やはり黙っていたのは怒る。
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャオ、ニャアニャニャ(まず前提として、お母さんは平行世界の人間なの)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「ふむ・・・・・・あ?」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャア?(お母さんが普通の人とは違うって思わなかった?)」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「そういうキャラだと思ってた」
  それでも普通じゃない。
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャイニャア(世界はたくさんあるんだよ)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「SFかよ、とりあえず黙っててやるから全部話せ」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャ(息子の口が悪いわ)」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャニャ(唐突に設定でてきて驚いたと思ったけど)」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「設定言わないで」
  正俊が黙ると唯笑がツッコむらしい
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャイニャイニャーニャニャ(色々あってお父さんは数多ある平行世界を彷徨う事になってね)」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「その色々を説明してよ!!」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャニャ(なんやかんやあってお母さんの方でもお父さんを探しに行く準備ができたから行くことにしたの)」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「お兄ちゃんお願い、ツッコミを入れて」
大島 正俊(おおしま まさとし)「どこからツッコミを入れるべきか」
大島 正俊(おおしま まさとし)「平行世界でもなんでもいいけど、とりあえず母さんがいなくなったら俺達はどうすればいい?」
大島 春子 (おおしま はるこ)「・・・・・・」
大島 春子 (おおしま はるこ)「・・・・・・」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャーニャーニャイニャアニャン(考えてなかった)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「おい!!」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャア!(じゃあ家族みんなで行きましょう!)」
大島 正俊(おおしま まさとし)「はあ?」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャ(今から)」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「え?」

〇荒廃した市街地
大島 正俊(おおしま まさとし)「というわけで我ら大島家は平行世界に来たわけです」
大島 正俊(おおしま まさとし)「どうやら家そのものが移動装置だったらしい」
大島 正俊(おおしま まさとし)「ほんっっっっっとに何も考えてなかったぞ!!」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「お兄ちゃん、どうやらここは叩いてかぶってジャンケンポンで全てを決める世界みたいだから」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「叩いてかぶってジャンケンポンで勝ち抜いてお父さんの情報を引き出そうよ」
大島 正俊(おおしま まさとし)「お前、順応早いなあ」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャーニャニャイニャア(二人は家で待ってて)」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャッニャニャ(ここは平行世界に慣れてるお母さんがやり遂げるわ)」
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャー!! ニャニャ!! (お母さんの叩いてかぶってジャンケンポンが!! 世界を救うと信じて!!)」
  そう言ってから春子は子供達を家に残して戦場へ駆けていった。
大島 正俊(おおしま まさとし)「じゃあ俺は昼寝するかな」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「あ、私もお兄ちゃんと一緒にお昼寝したい」
大島 正俊(おおしま まさとし)「おう、いいぞ」
大島 唯笑 (おおしま ゆえ)「やったー!!」
  ちなみにこの世界では父の情報は得られませんでした。
大島 春子 (おおしま はるこ)「ニャー!! (次の平行世界へGOニャ!)」

コメント

  • 春子のニャー語と日本語訳の長さの尺が全然違うところがすごかった。単語や文法が関係ないみたいだから、正俊と唯笑はどうやってヒアリングを習得したのか興味深い。たとえお父さんが見つかっても人間の姿をしてない方に3000ニャー点賭けときます。

  • 世界観がぶっ飛んでいて、入り込んでしまいました。お母さんが猫っていう設定も、もしかしたら後から関係してくるんでしょうか。楽しみです。
    現時点でお父さんの情報が全くないのも、今後のストーリー展開が読めずに期待を持たせますね。

  • 正俊の朝ご飯が昼ごはんとかよりも何よりも私の中での一番のツッコミどころは、お母さんでした😂
    見た目も、話し言葉が子供達に普通に通じているところもです😂
    実はお父さんが生きていたと知った直後に昼寝できちゃうところも面白くて笑ってしまいました😂
    お父さんがどんな人なのかとても気になります(笑)
    無事に見つかりますように!

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