原液のサカズキ

オカリ

濃くて甘い親子盃(脚本)

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〇大きな日本家屋

〇日本家屋の階段
「サル!」
猿太郎「お嬢、いつの間に帰・・」
かなめ「御託はいい!オヤジは!?」
猿太郎「こっちでさぁ!」

〇屋敷の大広間
ボールド「組長ッ!」
オジキ「ヤブ先生」
オジキ「兄ィは厳しいですかぃ?」
ドクター・ヤブ「急所に六発、手遅れでした」
ドクター・ヤブ「応急処置も・・」
ドクター・ヤブ「数分の延命でしかない」
オジキ「先生には感謝してます」
オジキ「その数分が──」
かなめ「オヤジィ!」
オジキ「娘との時間を作った」
オジキ「兄ィ寝坊助か!?」
  娘が来たぞ
  最期くらい起きやがれ!
オヤジ「ぐっ──」
オヤジ「かなめ、か?」
オヤジ「かなめ、どこだ?」
オヤジ「どこ・・」
かなめ「ここだ!かなめはここだよ!」
かなめ「チキショウ手がッ! なんて冷たぃ・・」
かなめ「下手人は!?」
オジキ「自決した──が、」
オジキ「見当はつく 蜀龍会の連中だ」
かなめ「あんの卑怯モン!」
かなめ「待ってなオヤジ アイツら臓物ブチ撒いて──」
オヤジ「バカ言うな」
オヤジ「コロシは許さん 絶対にだ」
オヤジ「いっそ全部くれちまえ」
オヤジ「俺の代で幕引きとしようや」
オジキ「兄ィ、まさか」
オヤジ「呉大組はたたむ」
オヤジ「斬った張ったじゃ幸せになれねぇよ」
オヤジ「──ぐっ」
オヤジ「十三階段を登ったか」
かなめ「イヤ、嫌だ!」
かなめ「アタシの白無垢を見るんだろ?」
かなめ「置いてかんでくれぇ」
オヤジ「すまねぇな、かなめ」
オヤジ「スジモンが親ってのはツラく・・」
かなめ「何言ってんだ!」
かなめ「血は繋がっていなくとも」
かなめ「アタシはオヤジの娘だよ!」
オヤジ「泣かせるねぇ」
オヤジ「おっ、目も霞んで──」

〇黒背景
かなめ「オヤジ!」
オジキ「兄ィ!」
ボールド「組長!」
ハナコ「クィーン!」
  いいのかな
  愛娘と家族に囲まれて
  極道の俺が
  ヤクザの、最期が

〇屋敷の大広間
オヤジ「こんな幸せ」
「で──」

〇黒

〇葬儀場
ボールド「オジキ、その髪」
オジキ「金色じゃないって?」
オジキ「黒染めだ 喪服代わりにな」
オジキ「オメェこそ昔の服か?」
ボールド「懐かしくて、つい」
オジキ「かなめは?」
ボールド「お嬢なら・・」

〇空

〇屋敷の門
かなめ「どした、ハナ」
ハナコ「ワッフ」
かなめ「心配ってか?」
かなめ「大丈夫だよ、考え事だ」
かなめ「最後のお別れしてきな」
ハナコ「ワンッ」
かなめ「ハナの次はサルか」
猿太郎「お嬢、外は冷えやす」
猿太郎「どうか中に」
かなめ「オヤジはもう三途の川かな」
かなめ「こっちは長雨だ 増水してなきゃいいけど」
猿太郎「お嬢」

〇空
  オヤジ
  彼岸から見ててくれ
  アタシ、カタギになる
  お天道様にガン飛ばすほど
  真っ当に生きる
  だから──

〇お嬢様学校
  3年後

〇おしゃれな教室
天加える「か〜なめさん」
天加える「か〜えりましょ」
かなめ「い・い・よ」
かなめ「どこ寄る?」
天加える「今日はタピ屋さん!」
かなめ「まだ流行ってたっけ?」
天加える「原点回帰だよ!」
かなめ「はいはい」

〇街中の道路
かなめ「で、お店は?」
かなめ「今さら行くんだ 普通じゃないでしょ?」
天加える「ご明察!」
天加える「口コミがすっごいの」
天加える「えーっと・・」
天加える「あった!」

〇SNSの画面
  ☆☆☆☆☆
  昇天する味🎉リピ確定😆
  ☆☆☆☆☆
  星5個じゃ足らん
  ☆☆☆☆
  もはや中毒です笑
  (値上げの噂も?)

〇寂れた雑居ビル
かなめ「昇天する味、ね」
天加える「裏メニューがスゴいって!」
天加える「有機栽培のキャッサバ 沖縄8島ブレンド黒糖」
天加える「道産ミルクに秘密のスパイス 気になるお値段は・・」
天加える「1個千円!」
かなめ「たっか!牛丼3杯分!」
かなめ「お財布に厳しいな」
天加える「まーまー・・って」
天加える「アレかな?」

〇奇妙な屋台
猿太郎「シャイヤセー!」

〇寂れた雑居ビル
天加える「圧が強い・・」
天加える「逆に期待できそう!」

〇奇妙な屋台
猿太郎「数あるんで!押さねぇで・・」
女性客「もう我慢できない!」
男性客「すっこめ俺が先だ!」
天加える「げ、売り切れちゃう」
天加える「はやく並ぼっ」
かなめ「アイツ」
かなめ「ど〜見てもサルだ 変わってねぇ」
かなめ「少し驚かせてやるか!」
猿太郎「次ぃ」
天加える「例のヤツくださーい」
猿太郎「アイヨォ1個2千円だ!」
天加える「2千!?」
天加える「倍に値上げか〜」
猿太郎「ねぇのかい?」
猿太郎「ならオマケして──」
猿太郎「お嬢ッ!?」
天加える「おじょー?」
猿太郎「えぇっと」
猿太郎「テンチョー!」
猿太郎「席ハズします!」
猿太郎「おじょ・・かなめさん 待たせしやした」
かなめ「仕事中だろ?」
猿太郎「少しっすよ」
かなめ「えるちゃん」
かなめ「ごめん、話してくるね」
天加える「知り合いだよね?」

〇寂れた雑居ビル
かなめ「あのサルが客商売とは!」
かなめ「アレはテメェの店かい?」
猿太郎「タダの手伝いっすよ」
猿太郎「でも売り上げ良けりゃ店任せるって」
猿太郎「ちっと頑張ってみようかと」
かなめ「そうか」
かなめ「・・心配したんだぞ?」
猿太郎「スイヤセン」
猿太郎「もーちょい立派になったら ご報告するつもりで」
猿太郎「なんせ出遅れやしたから」

〇屋敷の大広間
  組が解散した日
  皆すんなり受け入れて驚きやした
  オヤジの遺言だからな

〇木造のガレージ
  オジキは頭キレるから起業したし
  車好きの趣味が高じたのさ

〇メイド喫茶
  アニキはコスプレ喫茶でしょ?
  元本職は伊達じゃないね

〇空港のロビー
  ハナコも・・
  あの子は空港、税関の探知犬だ

〇寂れた雑居ビル
猿太郎「アッサリ別の道を見つけて」
猿太郎「アッシと大違いだ!」
猿太郎「今だから言えやすけどね 薄情と思ったんス」
猿太郎「解散はねえって」
猿太郎「血より濃い盃を交わしたのに」
猿太郎「オヤジが死んだ途端──」
かなめ「サル」
猿太郎「取り乱しやした」
猿太郎「でも、やっと前に歩けそうです」
猿太郎「さ、飲みやしょう ここは持ちますんで!」

〇奇妙な屋台

〇空

〇街中の道路
天加える「奢って頂けるとは!」
かなめ「どこぞのミエっ張りに感謝だな」
かなめ「さ、飲もっか」
天加える「写真撮ったらね! 先にどーぞ」
かなめ「お言葉に甘えて」
かなめ「いただきま〜す」

〇カラフルな宇宙空間

〇街中の道路
かなめ「今トんで──!?」
天加える「おいしい?」
天加える「私もひと口・・」
かなめ「飲むなっ!!」
天加える「2千円タピオカぁ!?」
天加える「かなめさん!なんで──」
天加える「あれ?」

〇寂れた雑居ビル

〇奇妙な屋台
猿太郎「お嬢?」
猿太郎「血相変えて・・お代わりで?」
かなめ「バカ野郎!」
猿太郎「ば、バカ?」
猿太郎「急に何を・・」
かなめ「飲んだか?」
猿太郎「へ?」
かなめ「テメェの売りモン」
かなめ「一度でも飲んだかって聞いてんだ!」
猿太郎「なぜお怒りで?」
猿太郎「お客サン怖がっちゃいますよ」
???「うん、立派な営業妨害だ」
  店長!
タピオカ店長「キミ高校生? 騒ぐと警察呼ぶよ」
かなめ「呼べば良いじゃねぇか」
かなめ「ついでに調べようか このタピオカもな」
タピオカ店長「・・ひどい言いがかりだ」
かなめ「シラぁ切るなよ、三下」
かなめ「コイツは・・」
猿太郎「いい加減にしてくだせぇ!」
かなめ「サル」
猿太郎「ひどいっスよ」
猿太郎「何もかもダメなアッシが やっと真っ当に働けた」
猿太郎「なのに」
猿太郎「お嬢が邪魔するんスか!?」
かなめ「サル、違う」
かなめ「話を──」
タピオカ店長「いや撤収だ」
タピオカ店長「こんなんじゃ仕事にならない」
猿太郎「へい、店長」
かなめ「コラ待て!」
  お嬢
  どうかご達者で
かなめ「オジキ、アタシだ」
かなめ「すぐ動けるか?」

〇開けた高速道路

〇トラックのシート
タピオカ店長「よく言ったね、サルくん」
猿太郎「へい」

〇奇妙な屋台

〇トラックのシート
猿太郎「悲しい顔だったな」
タピオカ店長「良い機会だ」
タピオカ店長「サルくんに新しい仕事を教えよう」

〇港の倉庫
タピオカ店長「こっちだ」
猿太郎「店長、仕事って」
タピオカ店長「原料調達さ」
タピオカ店長「タピオカの、ね」

〇ボロい倉庫の中
猿太郎「こんな薄暗ぇ場所でタピオカを?」
???「お?」
???「懐かしい顔があんじゃねぇの」
紫「よ〜呉大の猿!久々だな!」
紫「っと待てよ?呉大組は潰れたから」
紫「今は野良猿かぁ!?」
猿太郎「テメェ、蜀龍会の!?」
紫「古臭い屋号を出すなよ」
紫「今はドラゴングループってな ま、いい」
紫「ビジネスだ ほら、店長サン」
タピオカ店長「悪質な香りで」
猿太郎「何スカ、どういうことスか!?」
タピオカ店長「言ったじゃないか タピオカの原料だよ」
タピオカ店長「最高にトぶヤツをね」

〇奇妙な屋台
  急な値上げ
  熱狂する客
  お嬢の怒り──

〇ボロい倉庫の中
猿太郎「クソッ!合点いったぜ!」
タピオカ店長「今さら?」
紫「そういや呉大はオクスリNGだったな」
紫「ザマァねぇ」
タピオカ店長「ドラゴンさんがいる時で良かった」
タピオカ店長「──また人手不足になる」
紫「だ、そうだ」
紫「ツラで分かるぜ サツにタレ込む気だろ」
紫「ちょうど海も近い」
紫「永遠の海水浴、行ってこいや」
猿太郎「ケッ、ぞろぞろと」
猿太郎(お嬢、すみません アッシは裏切りモンだ)
猿太郎(でも──)
猿太郎(ケジメはつけますんで!)
猿太郎「テメェら、予約入れとけ」
猿太郎「仲良しムショツアーってな!!」
紫「イキんなクソ猿」
紫「囲んで潰せ!」
猿太郎「やべ、脳天割られた」
猿太郎「視界が──」

〇ボロい倉庫の中
  ・・ここでおっ死んだら
  オヤジに会えっかな?
  ・・
  悪く、ねぇ
「サル!無事かッ!?」
  ──あれは

〇ボロい倉庫の中
猿太郎「お嬢ッ!?」
かなめ「血ぃ押さえときな」
紫「なんだ?このガキ」
タピオカ店長「あ、ウチに難癖つけた・・」
タピオカ店長「ちょうどいい コイツも沈めて下さい」
紫「ガキはマスコミが騒ぐ 沈めるなら──」
紫「泡風呂に限る」
かなめ「よく喋んじゃねぇか」
かなめ「全部録ってんだ エゲツないの頼むよ」
紫「発想が幼稚園だな」
紫「録ってどうする?警察に泣きつくか?」
かなめ「もう泣きついたさ」
紫「あ?」
かなめ「既に通報済みだ 1時間前にね」
タピオカ店長「げ、マズイ!」
タピオカ店長「見られたら一発アウトだ!」
タピオカ店長「撤収を──」
紫「落ち着け 手は打ってある」
紫「通報したって?偉いな」
紫「にしてはサイレンが聞こえねぇが?」
かなめ「・・非常時は音を消すんだよ」
紫「一つ教えてやる ここらのサツはマブダチだ」
紫「もう説明いらねぇな?」
紫「嬲っていいぞ」
かなめ「いや、時間だ」
紫「んなバカな!?」
かなめ「バカはテメェだ お縄に付きやがれ」
紫「ハッタリ──」

〇港の倉庫

〇ボロい倉庫の中
タピオカ店長「警察犬もいるのか!?」
タピオカ店長「お先に失礼!」
紫「腑に落ちねぇが・・」
紫「命拾いしたなテメェら!」
かなめ「サル」
猿太郎「お嬢、またご迷惑を」
かなめ「そうだ、反省しろ!」
かなめ「・・肩貸してやる、帰るよ」
猿太郎「帰るって、アッシは逮捕じゃあ」
かなめ「安心しな」

〇港の倉庫
猿太郎「ハナコ?」
ボールド「猿太郎」
猿太郎「アニキまで!?」
猿太郎「どうして──」
「かなめの意向だ」
猿太郎「オジキ」
オジキ「モノホン呼べばサルもムショ行き」
オジキ「それはヤダってな 全部ハッタリだ」
猿太郎「アッシの、ため」
猿太郎「甘い、甘すぎる」
猿太郎「お嬢は身内に甘すぎらぁ」
オジキ「そりゃそうだ」
オジキ「覚えてるか? 親子盃の時も・・」

〇屋敷の大広間
  テメェ下戸だったろ?
  だからお嬢は・・
かなめ「アタシもやる!」
オヤジ「やるったって酒は・・」
かなめ「コイツで飲む!」
オヤジ「そりゃ水で割るモンだろ」
オジキ「いいじゃねぇか 血より濃い一杯だ」
ボールド「薄めるのも野暮ですね」
オヤジ「親子盃に乳酸菌飲料の原液か」
オヤジ「おもしれぇ」

〇港の倉庫
猿太郎「あの1杯は──」
猿太郎「糖度の暴力でしたよ」

〇空
  呉大の娘、かなめ
  彼女の親子盃は
かなめ「帰るよ」
かなめ「アタシに着いてきな!」
  血より濃くて、甘い

コメント

  • なるほど、原液ってカ○ピスか…!笑 甘党の僕は普通に原液でもイケちゃいますが😂
    テンプレorストーリー性、難しかったですねぇ…😇悩んだ結果、テンプレ重視は落ちて○○筋を見せるの重視した方が通るという…オカリさんも似た感じでしたかね?😂
    でも皆さんすでに仰ってる通り、テンプレは意外と何でもいけちゃうのかもですね😊
    タピオカヤ○ザの記事を読んだ後だったので、色々納得感のあるストーリーでした 笑

  • 甘い絆で結ばれた人情味溢れる家族の活劇、楽しませてもらいました!
    オヤジの心意気を受け継いだかなめちゃん。友達がトラブルになれば手助けしそうですし、話は家族以外にも、どんどん広げられそうですね^^
    個人的にはインテリ系キャラが好きなので、オジキの活躍する話が見たくなりました。(ただハナコの方が頭が良い…?笑)

  • 最後の方でホロリっとしました・・・(´;ω;`)

    親子盃を酒が飲めないサルのためにカルピスでなんて・・・!!!なんでしょう・・・絶対忘れられない味ですよね・・・

    素敵なお話でした・・・!!!!!

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