第1話(脚本)
〇生徒会室
潮浜(うしおはま)高等学校は、生徒の自主性を大切にしている学校で、
制服のスカートやブラウス、リボンを複数から選ぶことができる自由な学校である
生徒会広報とは、学校内の行事や起こる出来事などを校内新聞として、発行する仕事を担っている。
現在は、2年生1名、1年生2名の計3人が広報の仕事を担っている。
ある日、広報部の3人は、生徒会の顧問的な役割をしている先生からあることをお願いされた
〇事務所
先生「生徒会で広報を担っている、舟岡達にお願いしたいことがあるんだ」
舟岡桜「お願いですか?」
先生「学校のパンフレットに載せる、写真や文字を生徒会広報部に、担ってもらいたんだ」
舟岡桜「学校のパンフレットですか?それって、重要なんじゃないんですか?」
先生「そう、学校に受験者が集まるかどうかが、決まってくる重要なものだよ」
先生「先生たちで話し合って、今回は、生徒に撮ってもらって、よりリアルな学生生活をイメージしてもらおうということになったんだ」
先生「それで、生徒会広報にお願いすることにしたんだよ」
舟岡桜「私達で、本当に良いんですか?」
先生「普段から、写真を撮っていたり、校内の新聞で文字を書いたりしている舟岡達なら出来ると思っているから、お願いしているんだよ」
先生「引き受けてくれないかな?」
桜は、後輩2人の顔を見た後、うなづいた
舟岡桜「分かりました。引き受けます」
先生「パンフレットに載る生徒も、舟岡達が選んで写真を撮ってください。よろしくお願いします」
〇生徒会室
生徒会室で、広報部のメンバーが話しあう
関谷愛「先輩!パンフレットに載ってもらう生徒さんと場所、誰のどこにしましょうか?」
舟岡桜「どうしようか?」
相川友希「男子生徒と女子生徒。 それぞれ、1名にお願いすることでしたよね?」
舟岡桜「そうだよ。女子生徒は、真美に頼もうと思ってるんだよね~」
関谷愛「立花先輩ですか?」
舟岡桜「真美なら引き受けてくれるだろうし、それに真美は可愛いからね」
相川友希「確かに!立花先輩は可愛いですよね。女の私でも可愛いと思いますし、それに、性格も良いんですよね」
関谷愛「私達も何度か話したことありますけど、良い先輩だなって思いました」
舟岡桜「良い先輩って、確かにそうだけど」
相川友希「女子生徒の方は、立花先輩にOKしてもらえるかどうかはわかりませんけど、ほぼ決まりだとして、男子生徒の方は、どうしますか?」
関谷愛「先輩と同じクラスの吉村翼先輩はどうですか?」
舟岡桜「吉村君?」
関谷愛「吉村先輩って、イケメンで人気があるんですよね?」
相川友希「そうそう」
舟岡桜「へえ~」
関谷愛「へえ~って」
舟岡桜「いや、私。同じクラスだけど、ほとんど話したことないし」
相川友希「吉村先輩って、無口でクールなんですよね」
関谷愛「そうそう、そこがいいんだよね」
舟岡桜「はぁ?」
相川友希「先輩!吉村先輩に頼んでみてくださいよ」
舟岡桜「いや、話したことないんだけど」
「そこは、頑張って声かけてください!」
舟岡桜「はぁ~。 分かった。やってみるよ」
「お願いしまーす!」
こうして、桜は同じクラスの吉村翼に学校のパンフレットのモデルを頼んでみることにしたのだった
〇教室
立花真美「で!吉村にモデルを頼むの?」
舟岡桜「言ってみるだけ! 言ってみようかなとは思ってるよ」
桜は、学校のパンフレットを生徒会広報が制作することを話し、真美にモデルを頼み、承諾を得ていた
立花真美「桜って、吉村と関わりあったけ?」
舟岡桜「1年生の時から、同じクラスだし、今も隣の席だから、話したことはあるよ」
立花真美「吉村って、女子生徒と話している所。見たことないけど」
舟岡桜「愛ちゃんと友希ちゃんは、そこが無口でクールでかっこいいって言ってたけど」
立花真美「無口でクール。無口すぎるでしょ。 それに、イケメンっていうだけで、モデルを頼むのは、どうかと思うけど」
舟岡桜「もちろん。それだけではないよ。 私自身もあまり話したことがない、吉村君ってどういう人なのか興味があるし」
立花真美「興味って。まあ、桜がやりたいようにやればいいと思うし。 私も応援してあげるわよ」
舟岡桜「ありがとう。真美!」
〇教室
舟岡桜「吉村君。話したいことがあるんだけど、少し時間もらえないかな?」
吉村翼「うん。いいよ」
舟岡桜「実は、吉村君に学校のパンフレットのモデルをやってもらえないかなって思っていて」
吉村翼「モデル?」
舟岡桜「そう。モデル! 今回は、生徒会広報が写真を撮ることになっていて」
吉村翼「ああ。 そういえば、舟岡さんって、生徒会広報だったね」
舟岡桜「知っててくれたんだ」
吉村翼「まぁ」
舟岡桜「それで、いきなりなんだけど、どうかな?モデルの件引き受けてくれるかな?」
吉村翼「いいよ。やるよ」
舟岡桜「え?」
吉村翼「モデルの件、引き受けるよ」
舟岡桜「ありがとう」
吉村翼「モデルの件、引き受けるから、僕のお願いも聞いてくれない?」
舟岡桜「お願い?」
吉村翼「舟岡さんたちに良いことばかりではなく、僕にも良いことがないかなと思って」
桜は考えた後、答えた
舟岡桜「うん。分かった」
吉村翼「ありがとう」
舟岡桜「それで、お願いって何?」
吉村翼「それは・・・」