三つのプロローグ (脚本)
〇黒背景
海のプロローグ
海斗「俺は、高1まではいつも幼なじみの二人と一緒に過ごしていた」
海斗「あいつがいなくなって、初めて幸せが何かを理解した」
海斗「親友と一緒に過ごす これが俺の幸せだった」
海斗「幸せとは案外身近にあると知った」
海斗「そんな身近なものでも歯車が 一つとれると崩れ落ちていく」
海斗「そんな気持ちで向かえた始業式の日 ・・・」
海斗「あの歌を歌っていた君は・・・」
海斗「俺にとって光のような存在だった」
〇黒背景
森のプロローグ
楓「僕は海斗と交通事故に遭った・・・」
楓「美月といつも一緒に高校生活を おくっていた」
楓「高校2も、そのままの生活が続くと 思い込んでいた」
楓「でも・・・ それは、薄いガラスの上のような いつ崩れるかもわからない・・・」
楓「そんな、生活だったことを 知ったんだ・・・」
楓「交通事故だから僕に何が出来たかは わからないけれど」
楓「それでも・・・ あの日、」
楓「笑顔で 「またね」 と言った、美月の顔が頭から 消えない」
楓「そんな時、放課後の教室で歌っていた君に出会ったんだ」
楓「風のような流れる歌声が僕の 心の中を洗い流してくれた みたいだった」
〇宇宙空間
炎のプロローグ
美月「あたしは、高1の終業式の日に 交通事故に遭い死んでしまった」
美月「高2もいつメンの三人で・・・」
美月「かいと、かえで、あたしの 三人で・・・」
美月「のんびり過ごすはずだったのに・・・」
美月「まぁ、過ぎてしまったことを 今更悔やんでも仕方が無い」
美月「過ぎたことは過ぎたこと、 過去は過去」
美月「切り替えが早いのはあたしの 良いところだ」
美月「ただ・・・」
美月「いくら切り替えが早いあたしでも 今の現状は全く理解できない」
美月「理解するにはあと・・・ 一日は必要かな?」
美月「なんで・・・ 死んだはずのあたしが・・・」
美月「よくわからない所 (少なくとも地球じゃない)で」
美月「小説や漫画に出てきそうな・・・」
美月「可愛い 可愛い」
美月「小型ドラゴンちゃんに なってるのかなぁー?」
美月「え? 何で何でなんで?」
美月「すぅー・・・ はぁー・・・ (深呼吸)」
美月「よし!」
美月「考えるのやめて寝よう!!」
いつも通りの日常が崩れるきっかけって色々あると思いますが、どれも突然やってきますよね。
それが崩れるのを受け入れるのも難しいですし、可愛いドラゴンになるのも…。