本編だよ⭐︎(脚本)
〇雨の歓楽街
ユッカ「うへひゃひゃひゃひゃひゃ♡」
先輩、飲み過ぎですよ。
ユッカ「おんほぉ?君も私に物言いできるぐらいまで偉くなったんだふぇ〜!」
いや、そうじゃなくて・・・
ユッカ「おっしゃぁ!二次会だ!私の家で飲むぞ!飲むぞ!飲みまくるぞ〜!」
先輩はそう告げると千鳥足でヨタヨタと繁華街の人混みを抜け──って。
ドンガラバッシャーン!!!!!!
ユッカ「てめぇ、どこみて歩いてんだごらぁ!」
あ、やべぇ。先輩が恫喝してる。
なんとしてでも止めないと──って、あれ?あの人は・・・
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「あ?(あぁん?お前こそベロベロに酔っ払っているんじゃねぇよ、このおバカちゃぁん!)」
ユッカ「誰がおバカちゃんだ!〇〇ちゃん括りで言うなら子猫ちゃんにしろよ!」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「な!?(なんだとぉ?!このスカスカ頭のぺんてこりんなじゃじゃ馬小娘が!)」
あの年中バカンス気分の格好をしている子って、もしかして・・・
略し言葉好きの金髪ギャルに見覚えがあったので、喧嘩が激化する前に声をかけようとした──が。
???「けんちんじる。
んじゃな。
かるぼなーら。
はみがき。
だくあん。
めんどり」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「あ?(あ?)」
ユッカ「んあ?」
武田ゴリエステル「けむたがられている いんどあはの さつまいもだいすき つうしょう だけだゴリエステルです」
この縦読み女に邪魔されてしまった。格好からして警察のようだ。
だったら大丈夫かなと思っていたが・・・
ユッカ「自分達で解決するからサツは引っ込んでろ!」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「そ!(そうだ!そうだ!)」
武田ゴリエステル「なんとも言えない んますぎて ですソースぶっかけたくなる すきな食べ物 つまようじが欲しいな てりやきばーがー!」
ユッカ「うっせー!バーカー!」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「バ!(バーカー!)」
だめだこりゃ。余計に激しくなってしまった。
こうなったら自分が何とか鎮火させるしかないな。
あの、御三方・・・
???「喧嘩はやめなさい!」
と、先輩に声をかけようとしたらまたもや誰かが止めに入ってきた。
町田麗子「こんな街中で子どものように喧嘩して・・・恥ずかしくないの?」
ユッカ「はぁ?いきなりでて・・・」
町田麗子「文句言わないの!こういう人がいるから争いはなくならないのよ!?」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「で(でも・・・)」
町田麗子「でもじゃなぁい!」
武田ゴリエステル「あんぱん のばした・・・」
町田麗子「いいから黙っとれええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」
武田ゴリエステル「・・・」
ユッカ「・・・」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「・・・」
凄い。あんなに騒いでいた三人を黙らせた。
すみません、見知らぬ方。ありがとうございました。
町田麗子「いえいえ、とんでも・・・あら?」
町田麗子「誰かと思ったらケイちゃんじゃない。こんな所で何をやっているの?」
え?・・・あっ!
彼女のその言葉を聞いた時、俺は思い出した。
と、同時にいっきにこの状況がとんでもない事である事に気づき、ほろ酔いだった顔が一気に冷めていくのが分かった。
ユッカ「え?知り合い?」
町田麗子「知り合いも何も・・・」
わーわー!先輩、もういき・・・
町田麗子「彼女だもの」
ユッカ「・・・へ?私もケイスケの彼女ですけど」
町田麗子「・・・え?」
先輩、もういきま・・・
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「あ!(あ!よくよく見たら私のマイダーリンのケイちんじゃん!久しぶり〜!音沙汰ないから死んだかと思ったよ)」
ユッカ「・・・え?」
町田麗子「・・・え?」
まずい、まずい・・・これはまずいぞ。
武田ゴリエステル「わいも たんしお しごく もだえるほど からいから れれんにゅう のせる」
武田ゴリエステル「かれーには のりと じかせいの よーぐるとを混ぜて ですソースを隠し味にして食べるのが すき」
ユッカ「ふぇ?」
町田麗子「はい!?」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「え?(え?)」
恐ろしい事が起きてしまった。
今、目の前にいる彼女達全員が俺の彼女なのだ。
実は俺は四股している。
金髪の子は最初に付き合って一ヶ月ぐらいで連絡を取らなくなり、その後に付き合った縦読みの子も二週間ぐらいで飽きた。
麗子さんとは二ヶ月ぐらい、先輩は三週間ぐらい付き合っている。
ここで問題があるとするなら誰一人別れていないという事だ。
だからみんな驚くのも無理はないし、段々怖い顔つきになっていくのも無理はない。
・・・ケイちゃん。これ、どういうこと?
麗子さん、えぇと彼女達ではなくただの友達・・・
武田ゴリエステル「なあああああ!? にんげんとしてのそんげん をぉ いつだつした うるさい かえるがぁ!」
ポピポピポ・ピピペペロンチーノ・アイカワ「よ!?(四股してたの?!最低!)」
みんな、落ち着いて。ちゃんと話し合おう。
俺は全員の事を愛しているし、それに結婚まで考えて・・・
ユッカ「・・・ケイスケ」
何でしょうか、先輩。
ユッカ「現実世界のハーレムは通用しねぇんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
ぷべらばああああああああああ!!!!!!!!
こうして四股していた事がバレた俺は四人から朝までフルボッコされて天に召されましたとさ。
みんなも同時に付き合うのはやめようね!こうなっちゃうから!
〜Fin〜
キャラ濃いめの女性方のトラブルに巻き込まれる主人公と思いきや、まさかの四股、しかもキャラ濃いめの方々とw。修羅場からまた修羅場の展開が楽しいですね。
(笑)女子の妙なテンション感が伝わってきて楽しかったです。会話の言葉が面白くてつい笑ってしました。また違ったバージョンでもあれば読んでみたいです。
まさかの展開に驚きつつ、最後はボコられるとは。
ケイスケ君も反省してるようですし…ってもう遅いですね。
それにしてもケイスケ君、癖のある女性ばかり選んでるんですね!
彼女たちも個性的すぎて面白かったです。