地縛霊👻が家族ですッ!?

ゆきんこ

家族はみんなお星様!?(脚本)

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ゆきんこ

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〇豪華なリビングダイニング
  私は幽羅灯(ゆらあかり)。
  幼い頃に事故で家族を失った
  天涯孤独な女子高生。
灯(あかり)(でも、全然寂しくはない。 なぜなら・・・)
帳(とばり)「姉貴! ご飯のお残しはあきまへんで〜」
灯(あかり)「チクらないでよ。 まったく生意気な〜!」
ママ「灯、今日は真っ直ぐ帰ってくるの?」
ママ「今日も灯が好きな餃子を作るわね!」
帳(とばり)「ダーイエットは明日から♫」
灯(あかり)「だ・ま・れ!」
パパ「灯はクラスに好きな男子は居ないのか?」
ママ「思春期の娘にその質問・・・ 分かっていないわね!!」
ママ「チクチクとしたその積み重ねが、 嫌われる元になるのよ!」
パパ「あかりはパパのこと、大好きだよね~! ねっ!?」
ママ「その言動すらアウトなの!」
  私は私にしか見えない家族と一緒に、
  毎日楽しく暮らしている。
灯(あかり)(家族が一緒で幸せ!)

〇学校の校舎

〇教室
琢磨(たくま)「やあ、灯くん。 話がある」
灯(あかり)「朝から何よ」
琢磨(たくま)「君には秘密がある」
灯(あかり)「ないよ」
琢磨(たくま)「隣に住んでいる僕の目は誤魔化せないよ」
琢磨(たくま)「君の家は君以外の住人は居ないハズなのに」
琢磨(たくま)「夜な夜な 色んな部屋の灯が点いたり消えたり」
灯(あかり)「家族がユーレイだからね」
琢磨(たくま)「居ないハズの犬の遠吠えがしたり」
灯(あかり)「私が産まれる前に飼っていた犬らしいよ! 私にも見えんけど」
琢磨(たくま)「たまに窓から家具が飛び出してきたり」
灯(あかり)「ポルターガイストね。 夫婦喧嘩した時やるやつなのよ。 悪気は無いから許して!」
琢磨(たくま)「ハア・・・また、その態度」
琢磨(たくま)「いつも君はそうやって、自身の問題に向き合わずに話を逸らす!!」
灯(あかり)「ふぇ?」
琢磨(たくま)「君はもう居ない家族の幻覚に囚われているだけなんだッ!」
琢磨(たくま)「幼馴染みの僕が相談に乗るから、悩みを全部打ち明けてくれ!!」
灯(あかり)「た、琢磨・・・ 実は私・・・」
灯(あかり)「なんて言うか! ちゃんとホントのことを打ち明けてるのに!!」
灯(あかり)「琢磨なんて大嫌い!!」

〇土手
灯(あかり)「なにが『相談に乗る』よ! 信じないくせに!!」
灯(あかり)「心配されなくても大好きな家族に囲まれて、楽しく暮らしてるっての!」
幽輝(ゆうき)「僕は信じるよ」
灯(あかり)「驚いた・・・君はユーレイ?」
灯(あかり)「家族以外のユーレイは初めて!」
幽輝(ゆうき)「いつもは無視されるから話さないけど、お姉ちゃんの呟きが聞こえたから、」
幽輝(ゆうき)「勇気を出して話しかけてみた!」
灯(あかり)「そうなんだ!よろしくね」
幽輝(ゆうき)「でも、いいなあ」
幽輝(ゆうき)「僕も、僕の家族と話したいな」
幽輝(ゆうき)「僕のお母さんはね、僕が死んでから泣いてばっかりで」
幽輝(ゆうき)「ちっとも話を聞いてくれないんだ」
幽輝(ゆうき)「お母さんの側に居るのが辛くて、春から近所を彷徨っていたら君に逢えた」
幽輝(ゆうき)「話が出来るって嬉しいね! ユーレイになってから初めて良いことがあったなあ」
灯(あかり)(泣ける)
灯(あかり)「良かったら、 お母さんと話が出来る方法を探してみない?」
幽輝(ゆうき)「それができたら嬉しいけど、 どうしたら良いのかな」
灯(あかり)「一旦家に帰って家族に聞いてみるから、ここで待っていてくれる?」
灯(あかり)「私が話が出来るんだから、何か方法はあるはず!諦めないで待っていてね」
幽輝(ゆうき)「僕は幽輝。 待っているね、お姉ちゃん」

〇豪華なリビングダイニング
灯(あかり)「集〜合〜!」
帳(とばり)「クロも居るよ」
灯(あかり)「あのね、ユーレイの男の子が生きている家族と話すにはどうしたら良いと思う?」
ママ「可哀想だけど、灯みたいに霊媒体質じゃないと難しいでしょうね」
灯(あかり)「私って霊媒体質だったの!?」
パパ「例えば灯にその子の魂を降ろして、イタコ状態になれば話せるが」
パパ「灯に負担がかかるし、 間違って体を乗っ取られる危険もあるから、オススメはできないな」
帳(とばり)「気持ちを手紙に書けば?」
ママ「もし私がその子の母親なら、信じられないし気味悪いと思うわ」
灯(あかり)「そうだよね。 幼馴染みですら信じてくれないんだから、赤の他人に言われてもね・・・」
パパ「幼馴染みって琢磨のことか? 好きなのか?」
灯(あかり)「パパ 今はそれどころじゃないの」
ママ「それよりその男の子は、家を離れてどれくらい経つのかしら?」
ママ「地縛霊でも守護霊でも無い霊は、3ヶ月彷徨い続けると家に入れなくなるの」
ママ「そして、浮遊霊として保安局に目をつけられてしまうと、無理矢理成仏させられてしまうのよ」
灯(あかり)「春からって言ってたから、もう3ヶ月経っているかもしれない」
灯(あかり)「パパ、どうしよう!」
パパ「とりあえず、男の子の保護が優先だな!」
パパ「ヨーシ、家族一丸で問題を解決しようじゃないか!」
パパ「クロもな!」

〇土手
灯(あかり)「幽輝く〜ん」
帳(とばり)「居ないね」
帳(とばり)「まさかもう、保安局に捕まったのかな」
灯(あかり)「馬鹿なこと言わないで!」
クロ「ワンッ!」
帳(とばり)「クロに付いてこいだって!」
灯(あかり)「え〜私にはクロが見えないのよ」
帳(とばり)「実はオイラも犬語は分かるけど見えないんだよな〜」
灯(あかり)「あ、猫」
クロ「ワワワンッ!」
灯(あかり)「猫の体に憑依して案内してくれるということ?」
パパ「体は猫なのに鳴き声は犬・・・ ややこしいが助かるよ!」
パパ「クロに付いていこう」

〇綺麗な一戸建て
幽輝(ゆうき)「そんな・・・家に入れない!?」
幽輝(ゆうき)「ウアア!?」
保安局の鬼「おっと、 仕留め損ねたか」
保安局の鬼「一思いに成仏させたかったが」
幽輝(ゆうき)「じょ、成仏? お母さんと話していないのに、まだあの世には行きたくないよ!」
保安局の鬼「役人は黙って責務を果たすのみ」
幽輝(ゆうき)「お母さぁん・・・!!」
ママ「は~い♥ ママが来たわよ」
保安局の鬼「あの黒いオーラ、地縛霊!? 鬼の手裏剣を叩き落とすとは!?」
保安局の鬼「ヤイヤイ! 地縛霊の分際で鬼の公務を妨害する気か?」
灯(あかり)「お願い! 幽輝くんを成仏させないで!!」
幽輝(ゆうき)「お姉ちゃん!」
灯(あかり)「お母さんと話をさせてあげたいの!」
保安局の鬼「お前はヒトか? 地縛霊と組んで浮遊霊を庇うとは・・・」
保安局の鬼「邪魔するなら地縛霊ともども叩き斬るぞ」
灯(あかり)「そんな!」
パパ「私が一家の大黒柱だ! 娘と彼に手出しはさせんッ!!」
ママ「パパ、素敵よ♥」
帳(とばり)「カッコイイ♪」
灯(あかり)「パパ、危ない!」
パパ「チェイ!!」
保安局の鬼「グワアアッ!」
保安局の鬼「おのれ反撃するとは・・・ 俺様を怒らせやがって!!」
保安局の鬼「お前たち、転生も出来ない奈落に沈められる準備は出来ているのかあアッ!?」
パパ「『転生』!?」
パパ「そうか、その手があった!」
パパ「灯、 やはり幽輝くんには成仏してもらおう!」
ママ「パパ、今更チキンすぎよ!」
帳(とばり)「パパの馬鹿! オタンコナス!」
灯(あかり)「私は諦めたくない! パパがダメなら私が戦う!!」
パパ「みんなあ、 落ち着いてパパの話を聞いてよ〜」
パパ「『現世転生』って聞いたことあるかい?」

〇田舎の病院の病室
初(うい)「まさかこんなに早く妊娠するだなんて!」
初(うい)「きっと幽輝の生まれ変わりだわ!」
初(うい)「神様、ありがとうございます!」
幽輝(ゆうき)「またママの子供になれたよ!」
幽輝(ゆうき)「僕が大きくなったら、 たくさんお話ししようね!」
「もう少しだけ、待っていてね」

〇豪華なリビングダイニング
灯(あかり)「パパが幽輝くんを成仏させるって言い出した時は、大嫌いになりそうだったけど」
灯(あかり)「『現世転生』を思いつくなんて パパ、スゴいよ!」
帳(とばり)「オイラも煽ってゴメンよ!」
パパ「そーだろ! パパスゴいだろ!! エッヘン!」
ママ(パパ、今がユーレイ人生で1番輝いているわね!)
灯(あかり)「ねえ思ったんだけど」
灯(あかり)「パパたちは転生しないの?」
パパ「・・・灯は家族がユーレイなのが嫌かい?」
灯(あかり)「違うの」
灯(あかり)「もしかして私のために出来る転生をしていないなら」
灯(あかり)「今すぐに成仏してほしいの!」
灯(あかり)「独りぼっちは悲しいけど、 私はみんなが大好きだから」
「灯・・・」
保安局の鬼「いやはや、感動!」
帳(とばり)「鬼のオジサン!?」
保安局の鬼「オジサンゆーな!」
保安局の鬼「幽輝を成仏させた上で、『現世転生』、しかも妊娠した母親への難し〜い書類の申請通したの」
保安局の鬼「俺のお・か・げ!」
帳(とばり)「いちいち偉そうで、恩着せがましいんだよな〜」
ママ「モテないのよね、こういう男」
保安局の鬼「家族まとめて地獄行く?」
灯(あかり)「幽輝くんの件はありがとうございました。ウチの家族も『転生』は出来ますよね?」
保安局の鬼「出来るけど、したくないんじゃろ」
パパ「実はね」
パパ「灯が死んでからなら、また皆一緒に家族になれると思って待つことにしたんだ」
ママ「今転生したら、灯とはもう家族になれない」
ママ「せめて来世でもう一度家族になりたいの」
帳(とばり)「オイラもパパもママも同じ気持ちだよ!」
パパ「ユーレイが家族なんて、友だちにも紹介出来ないし、世間的にも変だろうけど」
パパ「灯を世界中で1番愛している家族だよ」
灯(あかり)「ユーレイなんて関係ないよ! 私もパパとママと帳と一緒に転生したい!」
灯(あかり)「私が逝くまで待っていてね!」

〇一軒家
琢磨(たくま)「また灯くんが1人で叫んでる!」
琢磨(たくま)「やはり僕が彼女を、正しい道へ導いてあげなければ!」
クロ「ウゥ〜!!」
クロ「ワワワワワンッ!!!!」
琢磨(たくま)「ギャンッ!? 犬!? いや、猫!?」
琢磨(たくま)「怖っ!助けて〜」
保安局の鬼「番犬・・・いや番猫?」
保安局の鬼「変な家族だ」
保安局の鬼「暫くは 要観察ということにしてやらあ!」
クロ「お疲れさま」
保安局の鬼「犬コロ、お前話せるのか・・・」
(こいつら全員、何者なんだ・・・!?)

コメント

  • 自分間違えて2話から読んだのですが、設定が明快でまったく途中から読んでたことに気が付きませんでした…でも、やはり1話目が骨子となってるので、大事でした😭😭😭😭家族、みんながお互いを思い合ってる、コミカルながらも温かい素敵な作品です

  • とっても面白いですし、素敵なお話ですね!!✨😊
    1話から読もうとリンク飛んだと思ったのですが、2話から読んでしまうドジを私はしてしまったのですが、楽しみながら読ませていただきました✨😍
    ハートフルですね✨(*^ω^*)
    あと、ワンとなく猫も面白いです✨🐱

  • 幽霊の家族という設定とキャラが立ってていいですね!
    特にパパのいじられキャラっぷりは際立ってましたw
    幼馴染が今後、何かやらかしそうで面白そうです!(^ ^)

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