キャットビート・デッドヒート!!(脚本)
〇地球
アニマル・ライム・ターミナル
そこは動物耳の少女たちが
『ラップバトル』で全てを決める世界
彼女たちは六つ目の感覚
『音覚』を通じ
踏まれた韻
『ライム』を体で感じ
リズミカルな歌い回し
『フロウ』に心を焦がす
そんな世界に一人
〇ネオン街
疲れ切った少女が迷い込んでいた
ネネコ「・・・」
部下「もうまっぴらだ 弱音を吐く上司!」
上司「調子乗る新人 今こそ潮時!?」
「ラップでバトってライム飛ばす!」
「ウチらの上下 音で蹴っ飛ばす!」
ネネコ「・・・」
「おおっ!あいつらバトるらしいぜ!」
「よし行こ!」
「どっち勝つかなぁ!」
ネネコ「・・・」
ネネコ「ここでもバトルか」
ネネコ「もう、うんざりだよ」
〇ナイトクラブ
2週間前、日本にて
「第5回女子高校生 ラップバトルトーナメント!」
「優勝はぁ~!」
「MCネネコ!」
音々子「・・・」
百合「ハァッ!ハァッ!」
音々子「─」
百合「さすがね、音々子!」
百合「また負けちゃった!」
音々子「─」
百合「音々子?」
百合「音々子!?」
〇ネオン街
ネネコ(どっちの世界でもバトルばっか)
ネネコ(相手を変にディスったり)
ネネコ(自分を無駄に誇ったり)
ネネコ(そんなのばっか)
疲れたよ、もう
私、なんでラップなんて
してるんだっけ・・・
〇商店街
〇入り組んだ路地裏
ネネコ「・・・」
ネネコ「喫茶店、か」
〇レトロ喫茶
マオマオ「いらっしゃいにゃせー!」
ネネコ(子猫)
ネネコ(こっちに来てから初めてみた)
ネネコ(人型じゃないってことは)
ネネコ(この子は子供か)
マオマオ「お客さにゃ?」
ネネコ「ああ、ごめん」
ネネコ「ちょっと人に酔っちゃって」
ネネコ「少しだけ休ませてくれないかな?」
マオマオ「もちろんですにゃ!」
マオマオ「同族の方のお願いとありゃば 断れないにゃん!」
マオマオ「お席にどうぞ!」
ネネコ「ありがと」
ネネコ(同族・・・)
ネネコ(まぁ、そう見えるのか)
ネネコ(ネコ耳、ぽいのもついてるし)
ネネコ(ほんとは違うんだけど)
ネネコ「まぁいいか」
ネネコ「・・・」
〇ネオン街
訳わかんないうちにこっちに来て
ハッネタか?みたいな格好してて
落ちてた雑誌を拾って読んで
まぁなんとか状況飲み込んで
〇レトロ喫茶
ネネコ「なんとかかんとかゴーインオンで―」
ネネコ「はぁ」
マオマオ「おにゃどうぞ!」
ネネコ「ん」
ネネコ「あっ!」
ネネコ「ま、待って!私お金なくて!」
マオマオ「えぇ!? お金ないにゃ!?」
ネネコ「うん」
ネネコ「だから、ほんとに休ませてくれるだけで―」
マオマオ「そんにゃ!」
ネネコ「?」
マオマオ「お金ないなんて大変だったにゃー!」
マオマオ「ご飯もすぐ用意するにゃー!!」
ネネコ「えっ」
ネネコ「・・・」
ネネコ「変な世界」
ネネコ「優しい人多すぎ」
ネネコ「助かってるけどさ」
ゴクリ
ネネコ「アチッ」
ネネコ「?」
ラビィ「オーホッホッホッ!」
ラビィ「私、登場!!」
フー「フーもいる!」
ズー「ズーもいるよ」
〇レトロ喫茶
ネネコ「・・・」
ラビィ「あら?」
ラビィ「どなたかしら? 見ない顔ですが」
ネネコ「客」
ラビィ「お客さん!?」
ラビィ「このヘンピな路地裏にある喫茶店に!?」
ネネコ「悪い?」
ラビィ「い、いえ」
マオマオ「にゃー!」
マオマオ「ラビィ!」
マオマオ「また来たにゃ!?」
マオマオ「この店は渡さないって 何度も言ったはずにゃ!」
ラビィ「フン!」
ラビィ「マオマオ!」
ラビィ「今日と言う今日は 譲ってもらいますわ!」
ラビィ「この店は私が貰い受け」
ラビィ「大人なバニーの社交場として 生まれ変わる運命なのですから!」
ラビィ「あなたはそこで雑用でも してもらいますわ!」
マオマオ「だから、渡さないって言ってるにゃ!」
ラビィ「フンだ!」
ラビィ「今まで優しくしてきましたが」
ラビィ「今日こそ この店を貰います!!」
ラビィ「私のラップで!!」
マオマオ「しょ、そんにゃ!」
マオマオ「ニャーはまだニャップバトル出来にゃいのに!?」
ラビィ「フフフッ! 大人の恐ろしさを味わいなさいな!」
〇レトロ喫茶
ラビィ「路地裏の店?お客は来ない!」
ラビィ「親も消え 子猫に待つ終わり?」
ラビィ「もったいなぁい!私とハァイタッチ!」
ラビィ「して交代するそれハッピーラッキー!?」
マオマオ「ンニァ!」
ラビィ「フフフッ」
ラビィ「さぁ諦めなさい」
ラビィ「子猫のあなたでは どうあがいても勝てませんわ」
マオマオ「うぅ・・・」
マオマオ「あき、らめないにゃ」
マオマオ「ママは」
マオマオ「ママは買い物に行ってるだけにゃ!」
マオマオ「だから!」
マオマオ「ニャーは帰ってくるまでお店を守るにゃ!」
ラビィ「お笑いですわ!」
ラビィ「もう半月も経つのにまだ待つなんて!」
ネネコ「―」
ラビィ「?」
ネネコ「相手になるよ」
ネネコ「この子の代わりに」
ラビィ「ただのお客のあなたが?」
ネネコ「お茶のお礼にね」
ラビィ「・・・」
ネネコ「行くよ!」
〇レトロ喫茶
ネネコ「ハッピーラッキー?雑なパンチライン?」
ネネコ「マシな韻踏めない兎、マジ卍?」
ネネコ「バギーカーにも出てるな蕁麻疹!」
ネネコ「アンタほんとに大人?私、半信半疑!」
ラビィ「グッ!」
フー「わわ!」
ズー「おー」
ラビィ「ぬぬぬっ!」
ラビィ「手伝いなさい!フー!ズー!」
「はーい!」
〇レトロ喫茶
フー「ぼっちで書いた濃いストーリー!」
ズー「でもここで終わりさ、そのグローリー」
ラビィ「あなたのライムはただの不良品!?」
ラビィ「ディスしか出来ないバカの浮浪人!」
フー「三人一体、十人並み!」
ズー「ハッピーエンドのすーじーがーき!」
ラビィ「今こそラビィがウィナーに!」
「勝負は決まりさ一般人!」
ネネコ「ぐうっ!」
マオマオ「お客にゃん!」
〇黒背景
ネネコ「・・・」
「私ね」
???「自分が言えないことを」
???「代わりに言ってくれる感じがするから!」
???「私、ラップが―」
ネネコ「そう」
ネネコ「忘れてたな」
ネネコ「そうだよ」
ネネコ「言葉は」
ネネコ「一人のためにある物じゃない」
〇レトロ喫茶
マオマオ「にゃ!?」
ネネコ「大丈夫」
ネネコ「心配しないで」
ネネコ「だからよく見て」
ネネコ「よく聞いてて」
ラビィ「んな!?」
ラビィ「私たちのラップを食らってまだ!?」
ネネコ「子供の夢」
ネネコ「壊せないでしょ」
ネネコ「行くよ!」
〇レトロ喫茶
ネネコ「YO!フー&ズー&どっかの誰か!」
ネネコ「お宅ら今こそご堪能あれだ!」
ネネコ「浮浪人!が放つこのブローに!」
ネネコ「ぶっ通しで刻むこのフローに!」
ネネコ「君らが勝つのがハッピーエンド?」
ネネコ「HEY!ジャッジメント!嘘は大炎上!」
ネネコ「ハリケーンを呼ぶ! ハイエンドのSHOW!」
ネネコ「SO! 勘違い兎にサイレントショット!!」
「キュー!」
ネネコ「どう?」
ネネコ「まだやる?」
ラビィ「お、覚えておきなさい!」
〇レトロ喫茶
マオマオ「んにゃあ~!」
マオマオ「すごいにゃ!かっこいいにゃ!」
〇黒背景
〇レトロ喫茶
ネネコ(なんだ)
ネネコ(ラップって)
ネネコ(やっぱ凄いじゃん)
ネネコ「あら?」
マオマオ「にゃ!?」
ネネコ「ごめん」
ネネコ「なんか消えるっぽい」
マオマオ「はにゃ!?」
ネネコ「お茶ありがと」
ネネコ「でも、無茶はダメだよ」
マオマオ「ちょ、どういう―」
ネネコ「私、ネネコ」
ネネコ「君は?」
マオマオ「え!?」
マオマオ「マ、マオマオにゃ」
ネネコ「そう、マオマオ」
ネネコ「またね」
〇白
マオマオ「んにゃあ!?」
マオマオ「あ、ありがとにゃー!」
ネネコ「うん」
ネネコ「元気でね」
〇レトロ喫茶
マママオ「あらぁ?」
マオマオ「ママァ!?」
〇渋谷駅前
音々子「あれ?」
音々子「百合じゃん」
百合「音々子!?」
百合「今ここにいたラッパーママは!?」
音々子「ラッパーママ?」
音々子「・・・」
音々子「フフッ」
〇空
「アハハハハッ」
tapnovel に新たな可能性を感じました。
ラップなんて凄い発想です!
堪能させて頂きました。
突き抜ける発想をする人が受賞すると思うので、そのうち受賞されると思います👏
ラップバトル!いいですね!👍️😆
声優さんの声が入ったバージョン、見たいです✨
面白かったです!
感じるリスペクト!まさにプロスペクト!
微細なこだわりまるでアスベスト!