4話 堕ちる男(脚本)
〇黒背景
リサちゃんへ、
今晩急に部長から飲みに誘われちゃって断れそうに無いから帰るの遅くなる。
ごめん、夕飯用意できて無いから今日だけ自分で用意してね。
内藤要(ないとうかなめ)「これで、ヨシ・・・」
普段は直接妻に電話して伝えるところをメールで済ませた。
何故ならこのとき直前になって自分がやろうとしてることが後ろめたく感じて何も知らない妻の声を聞くのが怖かったからだ。
〇本棚のある部屋
内藤理沙(ないとうりさ)「あ、カナメっちからメールじゃ」
内藤理沙(ないとうりさ)「なになに・・・」
・・・
内藤理沙(ないとうりさ)「はぁ、人付き合いじゃけえ仕方無いね」
内藤理沙(ないとうりさ)(カナメっちは会社で働いたあとも苦労しとるみたい)
内藤理沙(ないとうりさ)「・・・」
内藤理沙(ないとうりさ)「よ~し、カナメっち待っとき!」
内藤理沙(ないとうりさ)「ウチが絶対に漫画家プロデビューして一発当ててあげるけえ」
内藤理沙(ないとうりさ)「そしたら今度はウチがカナメっちを支えてあげるけえね!」
内藤理沙(ないとうりさ)「やっちゃるでー!!」
内藤理沙(ないとうりさ)「了解、と」
〇黒背景
了解
内藤要(ないとうかなめ)「はは・・・やっぱり」
てっきり妻は怒って早く帰って来るように返信してくるかと思った。
だけどこれで確信に変わった。
内藤要(ないとうかなめ)(僕はどうでもいい存在なんだ)
内藤要(ないとうかなめ)「けど、そっちがそうなら今日くらい羽目を外してやる!」
〇スナック
三浦マリン(みうらまりん)「はぁーい♡ いらっしゃーい」
三浦マリン(みうらまりん)「あら? あなた昨日佐伯ちゃんにつれて来られた部下の人じゃないの!」
三浦マリン(みうらまりん)「もしかして私に惚れてきちゃったワケ〜?」
内藤要(ないとうかなめ)「違います」
三浦マリン(みうらまりん)「ガ~ン」
内藤要(ないとうかなめ)「えっと、今日は昨日泊めて頂いたお礼と、楽しくお酒を飲みたい気分なんで寄ってみました」
三浦マリン(みうらまりん)「まぁそれは有り難いわ! どうぞ楽しんでいってちょうだい♡」
まる♡ちゃん「そういう事なら私を指名しなさい」
まる♡ちゃん「この自慢のムチムチボディで楽しませてあげるわよ〜♡」
ガリ子「待ちなさい。私の方はスレンダーで魅力的なんだから。そんなのより私を席に指名して頂戴」
まる♡ちゃん「ハッ、なにがスレンダーよ。あんたの場合は唯のガイコツじゃない」
ガリ子「それを言うならあんたはチャーシューじゃない!」
三浦マリン(みうらまりん)「あなた達お客さんの前で喧嘩はよしなさい!」
「──!──!」
武雄(タケオ)「はいはい。姉さん方その辺でストーップ!」
武雄(タケオ)「この人はオレが昨日世話したお客さんだから、姉さん方は今日は手を出したらダーメ♡」
武雄(タケオ)「──という訳だから連れてくぜ」
「キーイイイイ!! 妹に客を横取りされたー!! 悔しいぃー!!」
〇スナック
内藤要(ないとうかなめ)「はぁ、入店早々ビックリしたよ」
武雄(タケオ)「だろうな。あの姉さん二人はウチの店でママに次いでキャラが濃いからな」
武雄(タケオ)「それよりカナメ、早速来てくれたんだな。嬉しいぜ」
武雄(タケオ)「正直、あの日が最初で最後だと思ってた」
内藤要(ないとうかなめ)「そんな! 昨日アレだけ世話してもらったのに、来ないなんて不義理だろ?」
武雄(タケオ)「へぇ、カナメは結構義理固いだな」
武雄(タケオ)「大抵のお客さんはまた来るとか言っときながら一切来ることがなんだぜ?」
武雄(タケオ)「なんかそういうの色々事情があって仕方ないとはいえけっこうモヤッとすんだよな」
内藤要(ないとうかなめ)「・・・」
武雄(タケオ)「だからオレ、カナメみたいな義理固くて約束を守ってくれるお客さんの方が好きだな」
武雄(タケオ)「それで常連になってくれたらなお嬉しいぜ」
内藤要(ないとうかなめ)「そ、そうなんだ。へぇ〜・・・」
内藤要(ないとうかなめ)(常連、なろうかな)
武雄(タケオ)「あっ、でも常連でも昨日のお前と来た変態オヤジは勘弁な」
武雄(タケオ)「アイツ毎回来るたびににオレを指名するけど、相手にするのマジで無理だ」
内藤要(ないとうかなめ)(部長、会社でもここでも嫌われてるのか)
内藤要(ないとうかなめ)「そうそう部長の奴、ウチの会社でも無理ってやつが多くてさぁ──」
武雄(タケオ)「おっと──グチなら聞くけど、その前にドリンクでも頼まないか?」
内藤要(ないとうかなめ)「あっ、そうだね」
〇スナック
僕はウィスキーのロックを注文した
武雄(タケオ)「へぇ~、カナメは見かけによらず渋い酒を頼むんだな」
内藤要(ないとうかなめ)「いやいや、見かけもなにもこう見えて僕はもう27のオジサンだよ」
内藤要(ないとうかなめ)「それよりタケオは何を飲む?」
武雄(タケオ)「えっ、オレも頼んで良いのか?」
内藤要(ないとうかなめ)「勿論」
武雄(タケオ)「それじゃオレも試しにカナメと同じ酒を──」
三浦マリン(みうらまりん)「タケオちゃ~ん?」
武雄(タケオ)「うわ、ママ!」
武雄(タケオ)「ちっ、わーてるよ」
武雄(タケオ)「オレは烏龍茶で」
三浦マリン(みうらまりん)「りょーかーい♡」
三浦マリン(みうらまりん)「お客さんごめんなさいね。タケオちゃんは夜のお店で働けるけど、法律的にはまだお酒を飲める年齢じゃないの」
内藤要(ないとうかなめ)「わかりました。気をつけます」
内藤要(ないとうかなめ)(タケオは未成年だったのか)
〇スナック
「カンパーイ」
内藤要(ないとうかなめ)「改めて、昨日と今朝は世話してくれてありがとう。とても助かったよ」
武雄(タケオ)「別にいいさ。なんだかほっとけなかったんだ」
武雄(タケオ)「因みに、あのあと上司の変態オヤジはどうなったんだ?」
内藤要(ないとうかなめ)「それがさぁ、次の日会社に来たけど二日酔いだったみたいで──」
・・・、・・・、
僕は部長に対する悪口をタケオに言った
するとタケオはその悪口全てに的確なツッコミとジョークを入れてより面白い話へと変化させて楽しませてくれた
内藤要(ないとうかなめ)「──てな訳でさぁ、アイツ自分が不機嫌になると毎回僕に八つ当たりでパワハラしてくる最低な上司なんだ」
武雄(タケオ)「カナメ、それって笑って誤魔化すことじゃないだろ!」
内藤要(ないとうかなめ)「た、タケオ!?」
武雄(タケオ)「マジでムカついた。カナメ、そんな奴の元で働くのなんかやめちまえよ!」
内藤要(ないとうかなめ)「そうしたいけどできないよ。だって僕が働かないと妻を支えれないからね」
武雄(タケオ)「カナメ!!」
武雄(タケオ)「お前ムリしてんじゃねえよ」
武雄(タケオ)「オレはな、カナメみたいなやつをここで働きながら何人も見てきた」
武雄(タケオ)「そしたら大抵音沙汰無くなってある日他の客からの情報で聞かされるんだ」
あの来なくなったお客さん。鬱で自殺しちゃったよ
武雄(タケオ)「おれ、まだ会ったばかりだけど、カナメにはそんな風になってほしくねえよ」
内藤要(ないとうかなめ)(あぁ、人に心配されるのっていつ振りだっけ?)
武雄(タケオ)「なぁ、いつでも来いよ。オレがなんでも聞いてやるぜ?」
〇黒背景
タケオはそう言って僕の腕をとって身体を密着させた。
その瞬間、肌の感触──香水の香り──意外と小さな顔と身体──
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内容はセーフな気がしますけどカナメくんの心はアウトですね。あそこから飲んじゃ終わりです。次回は朝帰りでしょうね…。
タケオの人間力に惚れそうです!しかも未成年!!
ステキな次回になりそうな一方、不器用ながらも懸命に邁進するリサちゃんとカナメっちの間に距離が生じるのも心苦しいですね!
シャンパンハッスル!
すごく気になるワードが炸裂しましたね!
タケオは未成年でしたか。
より一層、禁断の恋を深める材料になりそうです。
2人の乳繰り合い?スチルに大興奮な回です!
こういう、付き合う前の段階が1番良いんだよなあ〜。