エピソード20(脚本)
〇山中の滝
青年団たちが、大きな大木や石を持って滝の上にやってくる。
〇山中の坂道
田中次郎「もしもし、準備はOKか?」
田中次郎「よし、始めよう、伝説を。レディーゴー」
〇小さい滝
奥谷百合「痛い、やだもう放してよ!」
桃井繁蔵「放すもんか、わしのおなごになれー」
松平大吉「何言ってんだ、このエロジジイ。放せって」
桃井太郎「やめてよ、爺ちゃん!」
その時、突然周囲がライトで照らされる。
「!」
桃井太郎「みっ水が!」
桃井繁蔵「おーーー。来たーーー」
奥谷百合「凄い・・・」
松平大吉「スゲー! 何で!?」
そう言って、ふと自分の掌を見る松平。
松平大吉「!?」
繁蔵が松平の手を握っている。
桃井繁蔵「あんれまあ」
松平大吉「嘘だろ。爺とずっと、この先・・・」
よろよろとその場に崩れ落ちる松平。
桃井太郎「あはは」
奥谷百合「ふふ」
桃井太郎「あっ!」
桃井繁蔵「ふん、元々太郎の嫁にって考えてたし。 しょうがないかのー」
桃井太郎「爺ちゃん」
奥谷百合「もう、だから勝手に決めないでって」
手を握ったまま笑う百合と桃井。
松平大吉「ちょっと待てよ。ライトアップ。 確実に人の手が加わってる」
松平大吉「またお前ら何か仕組んだだろ!」
桃井太郎「そういえば・・・」
奥谷百合「まあまあ。ほら、楽しそうだし」
周囲では繁蔵を含め、人々が楽しそうに滝を見上げている。
桃井太郎「本当ですね。生き生きしてる・・・」
桃井太郎「でも、どうやったんだろうね。あれ」
松平大吉「どうせあの小賢しい爺さんが何か仕掛けたんだろ」
奥谷百合「だとしたら、凄い才能じゃない。 大道具として」
桃井太郎「・・・そうですよね」
桃井太郎「そうだ。これだ! リリーさん! 松平さん!」
桃井太郎「僕と、一緒に——」
〇田舎の役場
『劇団 龍神村』の看板。
建物の中から発声練習の声がしている。
〇役所のオフィス
桃井太郎「出来た!」
PC画面には、滝の前でイエティ山田君に立ち向かう桃井の写真が貼られている。
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)