お兄ちゃん(脚本)
〇古書店
ナビゲーター「いらっしゃいませ」
ナビゲーター「闇鍋ショートショートへようこそ」
ナビゲーター「私は当館のナビゲーター、名前はないのでお好きにお呼びください」
ナビゲーター「ここは一人の創造主が、ただただ書きたいものを投下していく場所」
ナビゲーター「ごみ溜めのような場所ですが、ごみの中にも使える物があるかも知れません」
ナビゲーター「二度目の方も一見様も、どうぞ気楽に気軽にお楽しみください」
ナビゲーター「それでは早速、今回のお話を見てみましょう」
〇シックなリビング
セイタ「ん~♪」
セイタ「やっぱりカオリは可愛いな~♪」
お父さん(息子のセイタはベビーベッドで眠る妹をながめ、優しくほほ笑んでいる)
お父さん(気持ちはわかるぞ、息子よ)
セイタ「カオリはお兄ちゃんが守ってやるからな」
お父さん(そうだな、息子は長男だ 妹を守ってやってくれ)
セイタ「勉強して体も鍛えて、どんな敵からも守ってやるからな」
お父さん(たくましいぞ息子よ)
お父さん(でも敵ってなんだ?)
セイタ「例えばカオリをイジメたりするヤツがいても、お兄ちゃんが必ず駆け付けるからな」
お父さん(ふむ、確かに学校に行けばどんな人間と行動を共にするかわからない)
お父さん(セイタが見守ってくれていれば、俺やお母さんも心強い)
セイタ「例えば宇宙人が地球を攻撃しに来ても、お兄ちゃんがやっつけてやるからな」
お父さん「・・・」
お父さん(ま、まぁNASAも宇宙人の存在は否定してないしな、可能性はゼロではない・・・)
セイタ「例えば地獄の魔王がカオリをさらいにきても、お兄ちゃんが勇者になって倒してやるからな」
お父さん(可能性はある・・・のか?)
セイタ「例えばカオリが本当は外国のお姫様で、悪い王様に追いかけられてて、僕はカオリを守ろうとするんだけど悪いヤツに追い込まれて」
セイタ「僕が「僕にかまわず先に行け!」とか言ってカオリを逃がそうとすると、カオリは涙ながらに駆け出して・・・」
セイタ「カオリの足音が聞こえなくなると、僕は悪党に向けて剣を構えるんだ、そして大きな声でこう叫ぶ・・・」
セイタ「我が名はセイタ!如何なる障害を持ってしても、僕と妹の絆は不滅!妹の為なら僕は盾にも剣にもなろう!」
セイタ「今こそ受けるが良い!僕の必殺技!ギャラクシアン・エタニティ・ラブカオリ・プリティスペシャル!!」
お父さん「・・・」
お父さん「・・・息子よ、ちょっとコッチに来なさい」
セイタ「ん?なぁ~に、お父さん」
お父さん(息子が頼れるお兄ちゃんとなるには、もう少し時間がかかりそうだ)
ナビゲーター「有り余る妄想力は、妹への深き愛ゆえに・・・」
ナビゲーター「少年は「兄バカ」属性を身に付けました」
ナビゲーター「こうして少年は一人前のお兄ちゃんになるため、一歩ずつ成長していくのです・・・」
ナビゲーター「さて、今回のお話はいかがでしたか?」
ナビゲーター「チラ裏程度にでも楽しんで頂けましたら幸いです」
ナビゲーター「それでは、またのご来訪を心よりお待ちしております」
笑いながら心がほっこりできる幸せな物語ですね!
子供のトンデモな言動って、基本的には微笑ましく見ていられるものですが、この発言は……w