ようこそ僕の村へ

白井涼子

エピソード19(脚本)

ようこそ僕の村へ

白井涼子

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〇テントの中
  繁爺を筆頭に、おじいさんやおばあさんが準備体操をしている。
田中次郎「さあ、出番だ。 冥土の土産と思って暴れてきてくれ」
「うおーーー!」
田中次郎「繫爺、エロパワー全開、今日だけは許す」
桃井繁蔵「任せとき」

〇小さい滝
桃井太郎「縁もゆかりもないこんな田舎の為に、本当にありがとうございます」
奥谷百合「ルミト君に好かれるかもって下心からだったけどね」
桃井太郎「すみません」
奥谷百合「もういいって。来てよかったって思ってるから」
桃井太郎「・・・・・・」
奥谷百合「私、田舎とかなくてどこかで憧れてたんだ」
奥谷百合「だから本当は『ちょっと田舎歩き』じゃなくて、『がっつり田舎暮らし』とかしてみたかったんだよね」
桃井太郎「そうだったんですか」
奥谷百合「だから本当はちょっと嬉しかった。 お嫁ちゃんになってくれって言われた時」
桃井太郎「リリーさん・・・」
奥谷百合「百合」
桃井太郎「えっ?」
奥谷百合「あそこ」
  百合が指をさすと、崖の上に百合の花が咲いている。
桃井太郎「・・・・・・」
  意を決した表情で、法被を脱ぐ桃井。

〇小さい滝
桃井太郎「・・・くっ、あとちょっと」
「タロちゃん、気を付けてよ」
桃井太郎「ははっ、大丈夫ですよ、この位の崖何でもな い——」
桃井太郎「うわー」

〇小さい滝
奥谷百合「きゃー!!」
桃井太郎「ははっ、落ちちゃいましたね」
奥谷百合「もう、よそ見するからー」
桃井太郎「でも、ほらっ。 百合の花は無事でした」
奥谷百合「普通、花を放して落ちないように捕まるでしょ」
  再び法被を羽織る桃井。
桃井太郎「僕・・・。いっぱい貰ったから」
桃井太郎「リリーさんにいっぱい色んな物貰ったのに何も返せてないから。 だからどうしてもあげたくて」
奥谷百合「ばか……。でもありがとう。 大好きなんだ、この花」
桃井太郎「! ・・・百合って確か英語でリリー」
桃井太郎「リリーさんってもしかして、本名百合さん?」
奥谷百合「ふふっ、正解」
  百合の手が桃井の頬に触れる。
桃井太郎「!!」
奥谷百合「・・・・・・」
奥谷百合「葉っぱ。ついてた」
桃井太郎「えっ? はっ恥ずかしい・・・」
「待てい!」
桃井太郎「爺ちゃん、どうしたの?」

〇小さい滝
  繁蔵を中心に、周りには提灯を持ったおじいさんやおばあさんが大勢集合している。
桃井繁蔵「よく聞け、太郎。 この龍神村には、ある伝説がある」
桃井太郎「伝説?」
桃井繁蔵「滝の前で好きなおなごと手を繋ぎ、滝が二筋に分かれたら、その二人は永遠に結ばれる」
桃井繁蔵「村に伝わる秘伝中の秘伝じゃ」
奥谷百合「滝が二筋に分かれる?」
桃井太郎「そんな伝説あったっけ?」
  周りのおじいさんやおばあさんたちが、カップルとなり手をつなぎ始める。
桃井繁蔵「そしてわしは、あんたが良い」
  ビシッと百合を指さす繁蔵。
奥谷百合「!?」

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