友情秘密定例会議(脚本)
〇学校の屋上
小林「ここに! 友情秘密定例会議の開催を宣言する!!」
佐藤「・・・」
鈴木「・・・」
田中「・・・」
田中「は?」
佐藤「あー・・・えっと」
佐藤「友情秘密定例会議?」
小林「そうだ!」
小林「鈴木! 俺達が知り合って何ヶ月経った!」
鈴木「入学式から大体半年ぐらいだな」
小林「そうだ!」
小林「俺達は入学式の日に知り合って以降! 夏休みを通して! まさに友達と言える存在となった!」
佐藤「色々やったねぇ〜」
佐藤「勉強会してー」
小林「そうだ!」
佐藤「海も行ってー」
小林「その通り!」
佐藤「夏祭りも行ったねー」
小林「まさに青春!」
田中「・・・んで、その ナントカ会議ってのは何?」
小林「よくぞ聞いてくれた!」
小林「友情秘密定例会議とは!」
小林「友達として親睦を深めた我々が 次なるステップに移るための会議!」
小林「お互いこの半年で様々な気持ちを抱えただろう・・・」
小林「泣き・・・笑い・・・ 苦しみ・・・支え合った・・・」
小林「それならば当然隠し事の一つや二つあるだろう」
鈴木「まぁそりゃ、ない訳ではないが・・・」
小林「隠し事はすれ違いの始まり・・・」
小林「そこでだ!」
小林「この際、お互いに思っている事、 隠し事をはっきり言い、 友情を確かな物にする!」
小林「その為に気分次第で行う会議!」
小林「それが友情秘密定例会議だ!」
田中「気分次第じゃ『定例』じゃないじゃんか」
小林「細かい事はいいんだよ!」
〇学校の屋上
鈴木「全く・・・唐突なんだよ、お前はいつも」
佐藤「まぁまぁ 楽しそうじゃん!」
佐藤「それにお互いの秘密を話し合うって 『青春』っぽいよね?」
田中(青春・・・・・・)
鈴木(青春・・・・・・)
小林「そう!これも青春だ! という訳で!」
小林「秘密を話せ! 田中!」
田中「って、俺かよ! 最初は言い出しっぺの役目だろうが!」
小林「残念だが俺は隠し事ができん!」
小林「つまり秘密がない。許せ田中」
田中「本末転倒じゃねぇか!」
田中「うーん・・・」
田中「わかったよ・・・」
田中「まぁ ちょうどいい機会だしな 話そうじゃんか!」
田中「あれは夏祭りの日だった・・・」
〇神社の出店
皆で一緒に夏祭りを回る当日
俺はお前らより少し早めに来てたんだ。
そう・・・少し・・・
少し・・・・・・
少し・・・・・・・・・・・・
田中「集合時間って夜の7時か!!!」
鈴木「12時間前じゃねぇかよ!」
小林「少し早めってレベルじゃねぇぞ!」
田中「うるさいっ! 回想中だ! 引っ込んでろ!」
そこそこ遠い祭りに来ていたから
帰るのもあれだし
何とか時間を潰そうとしてたんだ。
適当に屋台を見ながら歩いて、歩いて、
歩き疲れて、ちょっと気分が悪くなったんだよね。
少しめまいがした時。
その時だった。あの人と出会ったのは。
お姉さん「そこの君? 大丈夫?」
その人は長めの黒髪に、赤いスカート
綺麗なネックレス、快活な話し方、そして
胸が大きかった。
佐藤「最低」
田中「すまん」
あまりに綺麗な人だったから
声が上ずっちゃってさ。
田中「はっ・・・ハイッ!! ち ちょっと疲れてただけなんで!!!」
お姉さん「どう見ても大丈夫じゃないでしょ ほらっ、水いる?」
田中「すみません・・・」
お姉さん「一人でお祭りに来たの? 誰か連絡できる人はいる?」
田中「あっ、えっと 友達と来るつもりだったんですけど」
田中「少し・・・いや、だいぶ早く来すぎて」
田中「歩き回って、疲れて・・・」
お姉さん「うーん。そっかぁ それじゃ体調がよくなるまで お姉さんが一緒にいようか」
体調が良くなるまでいてくれる・・・?
なんということだ。
俺は、夏祭りで綺麗なお姉さんに介抱されるんだ。
いつからこの世界は恋愛小説になったんだ!って思ったよ。
田中「ぁありがとうございます・・・」
そんな感じで色々感謝しながら
時間を過ごして、
体調もマシになった時だったね。
田中「あのっ! ありがとうございました!」
田中「えっと・・・頂いた水の分払います!」
お姉さん「んー? いいよいいよ! 水なんて大したもんじゃないからさ!」
田中「で、でも介抱までしてもらって・・・」
お姉さん「うーん それじゃ 介抱代として、一緒に屋台回ろっか」
お姉さん「私も友達より早く来すぎちゃったんだよね」
夢の様な提案だった・・・
いいのか! いいのか!こんなラブコメ展開
田中「は、はいっ!」
その後お姉さんと話しながら回ってさ、
至福の一時だったよ。
お姉さんはその後、待ってたっていう
友達と合流したんだよね。
〇学校の屋上
田中「と、まぁ あの後お前らと合流したって訳」
鈴木「お、おま、お前」
小林「思ってたのと違うのだが!!!」
鈴木「なんだお前!秘密とか言いながらただの自慢じゃねぇかよ!!」
小林「これは友達として絆を深める会だぞ!!」
鈴木「もっと恥ずかしいものとか言えよ!!」
小林「よし!田中!そこに立て! 会議は裁判に変更だ!」
鈴木「我らの友情の為の裁判だ!」
田中「ちょ・・・・・・ま・・・待て!」
小林「待たん! 当然判決はうらやま死刑!」
鈴木「これがっ!彼女なしのっ!正義の鉄槌だっ!」
田中「う・・・うわぁぁぁ!!!!」
佐藤「・・・・・・あれ?」
佐藤「もしかして そのお姉さんってこんな人?」
佐藤のスマホに女性の写真が写し出される
田中「やっ・・・やめっ って!なんで佐藤があの人の写真を?!」
佐藤「いや、そういえばお姉ちゃんがそんな話してたなーって思ってさ」
田中「お姉ちゃん!?」
佐藤「そうだよー お姉ちゃんからは”子供”を介抱したって聞いてたから気づかなかったよぉ」
田中「こっ・・・子供っ・・・」
「・・・・・・」
小林「いやぁ!心の友よ! 残念だったな!」
鈴木「いやぁ!子供か! ハッハッハ! 後でジュース奢ってやるよ!」
田中「そ・・・そんなぁ!!!」
秘密の開示は時に心に傷を残す事もある。
でもまぁ 結果的に友情は深まったっぽいし、いいんじゃないかな?
おわり。
話が面白くてニヤニヤしながら見てしまいました笑
確かに学生からしたら〜至福のひとときだったかもしれませんね〜現実を知らない方が幸せだったのかも?!
こんな友達がいたらいいなぁ〜。
めちゃくちゃほのぼのするお話でした。高校生かわいいなあ。笑
女子も男子もちょうど年上に憧れを持つお年頃ですよね!
でも、大人から見たら子どもですよね。
エネルギーまみれの学生ノリが描かれた、懐かしくも楽しい作品ですね。4人みんなの話を聞きたく思いましたが、字数制限が恨めしいです笑