私は……クリスマスパーティーのゲストよ。(脚本)
〇教室
上島 亮吾「・・・・・・クリスマスパーティー?」
神崎 裕太「ああ・・・・・・うちは毎年やっててな」
神崎 裕太「妹の為だなんだと言って」
神崎 裕太「もはや俺も妹も大した楽しみにはしてないんだが・・・・・・」
神崎 裕太「親が妙に乗り気でな・・・・・・」
上島 亮吾「んなこと言ってもなぁ・・・・・・」
上島 亮吾「俺だってもうそんなガキじゃねぇぞ?」
上島 亮吾「そんなイベント・・・・・・」
園山 零「おはよう、神崎くん、上島くん」
上島 亮吾「おはよう!園山さん!」
園山 零「何の話をしてたの?」
神崎 裕太「いや、クリスマスの三日前におれの家でクリスマスパーティーをやるんだ」
園山 零「いいわね!クリスマスパーティー!」
園山 零「妹さんは?もしかして、芦川さんも来たりするの?」
神崎 裕太「あ、ああ・・・・・・紅華も多分来るんじゃないか・・・・・・?」
園山、随分興味があるみたい・・・・・・だな・・・・・・?
園山 零「そうなのね!私も行っていいかしら?」
神崎 裕太「あ、ああ、もちろんだ」
園山 零「ありがとう!楽しみにしてるわね!」
上島 亮吾「・・・・・・裕太」
神崎 裕太「・・・・・・なんだ」
上島 亮吾「俺にも行かせてくれ・・・・・・そのクリスマスパーティーに」
神崎 裕太「だと思ったよ」
青澤彩華「・・・・・・クリスマス、パーティー・・・・・・」
〇一人部屋
芦川紅華「ん、もしもし、裕太?」
芦川紅華「どうしたの?」
神崎 裕太「あ、紅華?」
神崎 裕太「いや、今年もクリスマスパーティーやるんだけどさ」
神崎 裕太「今年も来ないか?」
芦川紅華「そっか、もうそんな季節だったんだね!」
芦川紅華「もちろん行くよ!またクリスマスの三日前でしょ?」
神崎 裕太「ああ。毎年恒例だな」
芦川紅華「そうだね!」
芦川紅華「えへへ、楽しみにしてるね!」
電話が切れた
神崎 実莉「・・・・・・おにい」
神崎 裕太「うわっ!?」
神崎 裕太「・・・・・・って、実莉か・・・・・・驚かせるなよ」
神崎 実莉「・・・・・・パーティー、紅華さんも来るの?」
神崎 裕太「ああ、来るって言ってたが・・・・・・」
神崎 実莉「・・・・・・おにい」
神崎 実莉「信じられないかもしんないけど、あの人危ないよ」
神崎 裕太「はぁ?」
神崎 裕太「何言ってんだ?」
神崎 実莉「・・・・・・なんでもない」
神崎 実莉「いいや、忘れて」
神崎 裕太「あ、おい!」
神崎 裕太「・・・・・・なんだったんだ・・・・・・?」
〇おしゃれなリビングダイニング
パーティー、当日
園山 零「こんにちは、お邪魔します」
上島 亮吾「ちゃーっす、おーい裕太ー!来たぞー!」
芦川 紅華「お邪魔します!」
神崎 裕太「なんだなんだ、全員で来たのか?」
上島 亮吾「そこで園山さんと・・・・・・そっちの・・・・・・」
芦川 紅華「芦川紅華だよ!」
上島 亮吾「そうそう、芦川さんと会ったんだ」
園山 零「こんにちは、神崎くんの妹さん・・・・・・よね?」
神崎 実莉「・・・・・・実莉でいい」
園山 零「今日はよろしくね、実莉ちゃん」
園山 零「お兄さんのクラスメイトの園山零よ」
神崎 実莉「・・・・・・はぁ・・・・・・なんでおにいの女友達ってこんなのばっかりなんだろ・・・・・・」
園山 零「・・・・・・?」
神崎 実莉「なんでもない」
神崎(母)「いらっしゃい、みんな」
神崎(母)「お菓子たっくさん用意してるから、好きなだけ食べて行きなさいね?パーティーなんだから!」
上島 亮吾「すげぇ!お菓子が山盛りだ!」
芦川 紅華「本当だ!毎年だけど、なんだか見る度に増えてる気がするよ!」
神崎 裕太「菓子で騒ぐなよ・・・・・・小学生か?お前ら」
芦川 紅華「裕太だって嬉しそうじゃん!」
〇おしゃれなリビングダイニング
芦川 紅華「毎年恒例!プレゼントこうかーん!!」
神崎 裕太「いえーい」
芦川 紅華「ちょっと!テンションが低いよ!」
芦川 紅華「もう一回行くからね・・・・・・!」
芦川 紅華「毎年恒例!プレゼントこうかーん!!」
神崎 裕太「いえーい」
上島 亮吾「待ってましたー!」
神崎 実莉「(拍手)」
園山 零「いえーい!」
芦川 紅華「そうそう!そのくらい盛り上げてくれないとね!」
芦川 紅華「と、いうわけで!あみだくじを作ってきたよ!」
〇おしゃれなリビングダイニング
プレゼント交換後
上島 亮吾「だ、誰からだこれ!?」
上島 亮吾「ラッピングは丁寧なのに中からものすごい匂いと禍々しさを感じるぞ・・・・・・!?」
園山 零「その袋は私ね」
園山 零「頑張ってみたから、大事に食べて欲しいわ」
上島 亮吾「そ、園山さんから・・・・・・!しかも手料理か、これ・・・・・・!?」
上島 亮吾「う、うわぁ・・・・・・」
神崎 裕太「良かったな、亮吾」
上島 亮吾「ああ・・・・・・なぁ、裕太」
上島 亮吾「俺がもし・・・・・・ここで死んだら」
上島 亮吾「骨くらいは・・・・・・拾ってくれよ・・・・・・?」
園山 零「上島くん、どうしたの・・・・・・?」
上島 亮吾「なんでもない。いただきます!」
上島 亮吾「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
芦川 紅華「上島くん!?」
・・・・・・さすがに、亮吾の顔を立たせてやるか。
神崎 裕太「ああ、気にするな。嬉しすぎただけだろう」
園山 零「喜んでくれたなら良かったわ」
園山 零「私のは・・・・・・誰からのかしら?」
芦川 紅華「あ、私のだ!」
芦川 紅華「零ちゃん零ちゃん!開けてみて!」
園山 零「あら、可愛いわね!」
芦川 紅華「えへへ、そうでしょ!」
神崎 裕太「俺のは・・・・・・」
神崎 実莉「・・・・・・上島さんのじゃない?」
神崎 裕太「・・・・・・そうだな。妙に綺麗に包まれてるぜ・・・・・・」
神崎 裕太「うわっ・・・・・・」
神崎 裕太「実莉、これいるか・・・・・・?」
神崎 実莉「いらない」
園山に渡したかったんだろう・・・・・・恋は人を盲目にする・・・・・・か
芦川 紅華「私のは〜・・・・・・」
芦川 紅華「この感じは実莉ちゃんだね!」
神崎 実莉「・・・・・・そう」
神崎 実莉「・・・・・・おにいだよね、これ」
神崎 裕太「ま、そうなるな」
神崎 実莉「白紙・・・・・・なわけがないよね」
神崎 裕太「ああ。全ページ俺の魂の籠った絵だ」
神崎 実莉「・・・・・・うん。魂というか怨念が篭ってそう」
〇おしゃれなリビングダイニング
神崎 裕太「時間的にもいい感じだし、そろそろお開きにするか」
芦川 紅華「そうだね!」
芦川 紅華「今年も楽しかったなぁ〜」
園山 零「それじゃあ、帰るとしましょうか」
上島 亮吾「送っていくぜ、園山さん!」
神崎 裕太「んじゃ、紅華は俺が・・・・・・」
神崎 実莉「私が行くからいい。おにいは片付けしてて」
神崎 裕太「え・・・・・・もう結構暗いぞ・・・・・・?」
神崎 実莉「おにい、私もう中学生」
神崎 実莉「だから・・・・・・」
神崎 裕太「・・・・・・気をつけるんだぞ?」
〇屋敷の門
芦川 紅華「実莉ちゃん!送ってくれてありがとう!」
神崎 実莉「・・・・・・紅華さん」
芦川 紅華「わかった!」
神崎 実莉「・・・・・・?」
芦川 紅華「実莉ちゃん、なんか大人になったなぁって思ったら、そっか、呼び方だ!」
芦川 紅華「前まで『おねえ』って呼んでくれてたのに」
神崎 実莉「・・・・・・」
神崎 実莉「なんなの・・・・・・あなた・・・・・・」
神崎 実莉「あなただけじゃない、あの園山さんとかいう人もそう」
神崎 実莉「なんで・・・・・・こんなに真っ白なの・・・・・・?真っ黒なの・・・・・・?」
芦川 紅華「真っ白?真っ黒?」
神崎 実莉「やっぱり考え方がおかしいのかな・・・・・・でもそうなると・・・・・・」
芦川 紅華「???」
神崎 実莉「・・・・・・なんでもない。忘れて」
芦川 紅華「・・・・・・・・・・・・」