君の音、私の声

雫🎐

プロローグ(脚本)

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〇学校の廊下
先生「あ、羽宮さん。いいところに」
羽宮鈴音「先生、どうなされましたか?」
先生「ちょっと午後の授業で 連絡したい人がいるんだけどね」
先生「ちょっと忙しくて手が離せないから お使いお願いしたいんだけど・・・」
羽宮鈴音「大丈夫です。ちょうど暇だったので、」
先生「ありがとう、助かるわ」
羽宮鈴音「いえいえ、それで用があった人は誰ですか?」
先生「響川くんよ。 今日の5限目の発表を 違う時間にずらすことにしたから 後で職員室に来るように伝えてくれる?」
羽宮鈴音「わかりました。伝えておきます」

〇学校の廊下
  雨の音がやけに響く。
  今日は空が暗いせいか
  あたりも暗く見えるな・・・
羽宮鈴音「さてと、響川くんを探さないと・・・」
クラスメイト「あ、羽宮さん。 こんなところで何してるの?」
羽宮鈴音「響川くんを探してるの。 ちょっと先生に頼まれてね」
クラスメイト「響川くん?」
クラスメイト2「響川?あいつなら多分、 音楽室でピアノ弾いてるよ」
クラスメイト「響川くんと同中なんだっけ?」
クラスメイト2「そだよ〜。あいつ、 ピアノにしか興味ないみたいでさ〜 前の学校では変人呼ばわりされて めっちゃ浮いてたんだよ」
クラスメイト「へ〜、知らなかった。 結構イケメンなのにね〜」
クラスメイト2「顔はいいし、頭も良いのに 性格がクソだからモテないのよ」
羽宮鈴音「えっと教えてくれてありがとう、 音楽室を探してみるね」
クラスメイト「あ、うん」
クラスメイト2「あいつのせいで授業に遅れないようにね〜」

〇階段の踊り場
羽宮鈴音「あの言い方はちょっとな・・・」
羽宮鈴音「響川くんのことよく知らないから 反論とかはできないけど・・・」
羽宮鈴音「音楽室は、あっちか」
  なんの音だろ・・・
  ピアノ?

〇音楽室
  リズミカルにピアノが鳴っている。
  明るい曲調、でもどこか寂しい・・・
響川天音「・・・」
  耳鳴りのように私の耳で
  響いていた雨の音が聞こえなくなる。
  私はこの曲にどこか引き摺り込まれた。
羽宮鈴音「綺麗な音・・・」
  と、声が漏れてしまうくらい。
響川天音「・・・は?」
羽宮鈴音「あ、ごめんなさい! 盗み聞きするつもりは・・・」
響川天音「今、なんて?」
羽宮鈴音「盗み聞きするつもりは・・・」
響川天音「いや、それじゃなくて、その前」
羽宮鈴音「綺麗な音、ですか?」
響川天音「綺麗な音?俺のピアノが?」
羽宮鈴音「えっ、はい。 音色がとっても綺麗だな〜って 思ったんですけど・・・」
響川天音「俺のピアノが、綺麗・・・」
羽宮鈴音「あ、あの・・・」
響川天音「なに?」
羽宮鈴音「私、先生に伝言頼まれてて・・・」
響川天音「伝言?」
羽宮鈴音「は、はい。 「今日の5限目の発表を 違う時間にずらすことにしたから 後で職員室に来るように」 と伝えるように言われました」
響川天音「発表?ああ、あれか。わかった」
響川天音「・・・、ところでお前、名前は?」
響川天音「(は、は・・・はねなんとかだったか?)」
羽宮鈴音「えっと、私は羽宮鈴音です。 一応クラスメイトで席一個前です」
響川天音「すず」
羽宮鈴音「えっ、それって私のことですか?」
響川天音「ああ、名前覚えるのめんどくさいからな」
羽宮鈴音「そうですか・・・」
響川天音「同級生なんだから敬語外せ。 なんかむず痒い」
羽宮鈴音「えっ?あ、わかりました!」
響川天音「敬語」
羽宮鈴音「ごめん、慣れてなくて・・・ でも、がんばるね」
  そういうと彼は静かに頷いた
羽宮鈴音「じゃあ、そろそろ私は行くね」
響川天音「ああ」
羽宮鈴音「あっ!」
響川天音「どうした?」
羽宮鈴音「またピアノ聴きにきてもいい?」
響川天音「!」
響川天音「いいぞ・・・」
羽宮鈴音「ありがとう!じゃあ、また教室で! 響川くん!」
響川天音「(変なやつだな・・・)」

次のエピソード:久しぶり

コメント

  • ピアノ、いいですよね。
    私も昔はピアノをよく弾いてましたが、最近は全く。
    ピアノは弾く人によって音が変わりますし、その人の調子によっても変わる物ですよね。

  • ピアノがテーマの作品ならBGMも欲しいですね。
    そのうち機能拡張できると思うので、焦らず投稿を続けてもらいたいです。

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