女子高生(偽)の悩み

トリロジー

さらなるトラブル(脚本)

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〇黒
  ぼくの名前は夢原春(ゆめはらはる)。
  男だ。
  実は何かの手違いで大和浦女学園という
  女子高に通うことになり
  そのままズルズルと流されるまま通い
  一カ月がたってしまった。
  (はぁ、憂鬱だなあ)
  ぼくは今日も
  誰にも言えない悩みを抱えながら
  学校へと向かった。

〇まっすぐの廊下
夢原 春「おはようございます。先生・・・」
教師「おはよう。あまり元気がないわね 寝不足かしら」
夢原 春「まあ、そんな感じです」
教師「そう、ただでさえ身体が弱いんだから 無理はしないでね」
夢原 春「はい、気を付けます」
  ここでは他の女子との交流を防ぐため
  病弱という設定で通っている。

〇教室
立花 葵「おはよー、今日は一時間目から体育だね。 今日こそは春も参加するでしょー?」
夢原 春「ごめん葵、今日も見学なんだ」
立花 葵「ええー 今日こそは一緒に出来ると思ったのに」
夢原 春「まあ、学校はまだ始まったばかりだし いつか一緒に出来るよ」
夢原 春「(まあ、一緒にやるつもりはないんだけどね)」
  彼女は立花葵(たちばなあおい)。
  入学早々に出来た友人だ。
  運動神経抜群で、親しみやすくて
  いい子だ。
夢原 春「ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくる」
立花 葵「うん、行ってら~」

〇まっすぐの廊下
夢原 春「はぁ、緊張するなあ 三年間これが続くと思うと 先が思いやられるなあ──」
家蔵 探「──むむ、君は一年生かな」
夢原 春「は、はいぃぃっ!! 夢原春と言いますっ!!」
夢原 春「(いきなりのことで思わず、大げさに反応してしまった。バ、バレてないよね?)」
家蔵 探「驚かせてしまったかな? もしそうだったならすまなかった 私は2年の家蔵探(いえくらさぐり)だ」
家蔵 探「なにか困った事があったら何でも相談してくれ」
夢原 春「あ、ありがとうございます」
家蔵 探「・・・・・・」
夢原 春「・・・・・・」
家蔵 探「・・・・・・・・・・・・・・・」
夢原 春「あの・・・なにか?」
家蔵 探「なにか困り事はないのかい?」
夢原 春「いえ、特に」
夢原 春「あの~、これで失礼していいですか」
家蔵 探「そうか、引き留めてしまってすまない ではまた」
夢原 春「はい、それでは失礼します」

〇学校の廊下
夢原 春「あっぶな~、どこで誰が聞いてるか分からないし、今後の発言にはもっと気を付けないと」
家蔵 探「怪しい 彼女のあの慌てよう。必ず何か隠している」
家蔵 探「この謎、学園一の名探偵が 解決して見せる!!──」

〇オフィスの廊下
立花 葵「それじゃあ、また明日~」
夢原 春「うん、また明日」

〇家の廊下
  ぼくは葵と別れて家の中に入ると、玄関の靴置き場に見知らぬ靴が置いてあった。
  客人──いやそれはあり得ない。
  なぜならぼくは今ひとり暮らしをしているのだから。
  家族にもまだ合鍵を渡していない。
  だとしたら、空き巣を狙った犯行!?
  ぼくは学校のカバンを盾にするようにして持ち、恐る恐る家の奥へと足を踏み入れる。
  すると、
家蔵 探「──やあ、春さん。お邪魔しているよ」
  急に出てきた探さんに驚き、ぼくは今までに出したことのないような悲鳴を上げる。
夢原 春「な、なな、なんで探さんが家の中にいるんですか!?」
家蔵 探「ははは、なんだか困ってそうな顔をしていたから、この名探偵が独自調査で解決しようと──」
夢原 春「それにしたって勝手に入らないでくださいよ!!」
  そうしていると今度は、家の扉がどんっと勢いよく開き、葵が土足で入って行き、探に強烈なドロップキックが入った。
夢原 春「な、なにしているの!?」
立花 葵「ん? なにって、悪人を撃退しただけだよ」
夢原 春「その人、先輩だよ!!」
立花 葵「え、そうなの? いやー悲鳴が聞こえてきたから、なにか出てきたのかなーって思っちゃったよー。はっはっは」
家蔵 探「見事な一撃だったよ。まさかこんな隠し玉を持っていたとは」
家蔵 探「だが次はこうは行かない。絶対に君の秘密を暴いてみせる。では・・・いでで」
  探さんはそう言って静かに去って行った。
立花 葵「それでさっきの悲鳴ってなんだったの?」
夢原 春「いや、なんでもない」
  また一つ大変な悩みが増えてしまった。
  三年間・・・とてもはてしないな~。

コメント

  • 楽しく読ませていただきました。
    秘密を抱えたまま、高校の3年間を過ごすのは大変そうですが、本人はもっと落ち着きませんよね。笑

  • (笑)楽しかったです、これが俗にいう「高校デビュー」なのでしょうか。果たして、3年間やり切れるのかな、みんなが好きな感覚で好きな気持ちで、自由に過ごしていけるのがいいですよね。

  • どうして女子高生のふりをしないといけないのか、その理由がわかるまでのプロセス楽しみたいです。親しみやすい会話です、ぜひ続編も!

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