魔物の森、最深部にて

sfie

読切(脚本)

魔物の森、最深部にて

sfie

今すぐ読む

魔物の森、最深部にて
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇霧の立ち込める森
タケシ「なんてことだ・・・・・・」
  魔王討伐のため集いし4人の猛者たち──
  戦士ドラン──
  魔法戦士ミード──
  戦士レックス──
  そして、戦士タケシ──
  周囲に漂う、獰猛な魔物の気配。
  彼らはこの魔王討伐における最大のピンチに陥っていた。
タケシ「起きろお前達、お客さんだぜ」
ドラン「むっ。囲まれているな。5匹──、いや6匹か」
タケシ「目が覚めたか、ドラン。しかし敵は100匹はいるぞ」
ドラン「そうか。これは魔物どもに、一本取られたようだな」
ミード「なぜこのパーティーは戦士ばかりなんだ。むさ苦しくて仕方がない」
レックス「気持ちはわかるが、ミード。いまはそんなこと言ってる場合じゃないぜ」
レックス「それよか、タケシ。もうちょい早く気づけなかったか。ここまで包囲されたのは、見張りにも問題があるぜ」
タケシ「バカ言え、俺だからこそこの段階で気づけたんだろうが!?」
ミード「どうして戦士ばかりなんだ! 脳筋しかいない!」
ドラン「全員無事に切り抜けるのは不可能か・・・・・・。 仕方ない。ここは俺が───」
タケシ「ダメだ!!」
ドラン「レスポンスはや。5Gか。だが最後まで言わせてくれ。俺が”時を稼ぐ”──。お前達はその間に近くの街までいったん退くんだ!!」
タケシ「ダメだ!! 死ぬ気か!?」
レックス「ダメだ・・・・・・ダメだ!!」
ドラン「お前もか、レックス。なぜ言い直した。 貴様、鎧を脱いでいるな──、まさか!?」
レックス「これは暑いだけだ」
ミード「やれやれ、ちょっといいかな」
ミード「残念ながら、キミ達の出る幕はないよ」
ミード「そう、回復魔法すら使えないキミたちでは、充分な”時を稼ぐ”ことなど不可能────」
魔物1「ギシャアア!!」
  容赦なく襲い掛かる魔物の群れ──
タケシ「今じゃないだろ、タイミング的に!!」
  タケシの一刀で狂暴な魔物が吹っ飛んだ。
魔物1「グギャアァー!!」
レックス「タケシ・・・・・・? お前のどこにそんな力が──」
タケシ「すまない。みんなには言いそびれていたが、俺の装備は最高級なんだ。お前達の最初の街で買えるシリーズとは違うんだ!!」
ドラン「いつまで経っても軍資金が貯まらないのはお前のせいだったのか、タケシ・・・・・・。 まさか、この事態を見越して──!?」
タケシ「いや、私欲だ」
ドラン「ウワァァァアァー」
  突如、森の奥に駆けだすドラン。
ミード「ドランよ平静を失ったか。馬鹿め。 だがタケシ、誤算だったな」
タケシ「なにっ!?」
ミード「あれを見てみろ──」
  ミードが示した先には、ひたすら素手で敵をボコすレックスの姿があった。
レックス「友情パワー!! 友情パワー!!」
魔物1「グギャァー(臭すぎる)」
  レックスらの奮闘により、魔物達は四散した。彼らは最大のピンチを乗り切った。
ミード「見たまえ。このPTのポテンシャルからすれば、そもそも焦る必要などなかったというわけだよ」
レックス「ん? なんか臭いな──」
  森に漂う異臭──それはミードが密に噴射していた大量の屁だった。
  魔物達の半数はこの激臭に退却を余儀なくされたのだ。
ドラン「おーい、みんな~」
ドラン「この近くの川でデカい魚が取れたぜ!!」
タケシ「でかした、ドラン」
ミード「今夜は鍋パーティーだ!!」
  Fin.

コメント

  • 賑やかで楽しいお話でした!
    最初の町で買える装備でずっと戦ってるってすごいなぁと、思いました。
    一人だけいい装備を持ってるタケシさんに笑ってしまいました。笑

  • シリアスな話かと思っていました笑 最初の街で買えるシリーズで互角に戦ってこれてたのすごいですね。どんどん笑えるポイントが増えていって楽しかったです!

  • 最後のオチがよかったです、笑ってしましました。盛り上がった後に!まさkの鍋!(笑)楽しいストーリーでした、また違うストーリーもあれば読んでみたいです。

コメントをもっと見る(5件)

ページTOPへ