〇けもの道
ルリ「こっち！　こっちに町があるんだよ！」
レイ「私 反対方向に行ってたんだ...」
ルリ「ていうかローくんのお陰で速く行けて楽だなぁ！」
ロー「ヴゥ」
レイ「いいモンスターがいて良かったよ　その子はルリにあげるから」
ルリ「ありがとう!!」
レイ「あっ もしかしてあそこ？」
ルリ「うん　行こう」

〇中世の街並み
レイ「ここが町...？　思った以上に暗いね」
ルリ「おかしい 前はここまで暗くなかったのに...」
レイ「何があったのか聞いてみよう」
ルリ「そうした方がいいかも...」
レイ「じゃあ聞き込みだね！」
ルリ「あっ！待ってー!!」
　　少し離れたところで
レイ「すみませーん！」
？？？「子供...？　どうしたんだい？」
レイ「前はもっと明るい場所だったと聞いたんですが...何かあったんですか？」
？？？「子供が知るようなことではないよ」
レイ「なら力ずくでも聞く！」
ルリ「レイちゃんストップ！」
レイ「わぁ!?」
ルリ「良かったぁ～ 間に合って」
ルリ「すぐ魔法を撃つのはやめよう」
レイ「ごめん」
？？？「ルリ...なのか...？」
ルリ「って兄さん!?」
レイ「えぇ!?」

〇レトロ喫茶
ロウ「改めて自己紹介する」
ロウ「ロウだ」
ロウ「いつもルリがお世話になってる」
ロウ「ありがとう」
レイ「まぁ...ルリは奴隷になってたし...」
ロウ「は？」
レイ「もしかして言ってなかった系？」
ルリ「...うん」
レイ「なんで言ってないの!?」
ルリ「言ったら怒られると思って...」
ロウ「ルリ」
ルリ「えっと...兄さん これには訳が...」
ロウ「守れなくってすまなかった」
ルリ「えっ...？」
ロウ「俺があの時、モンスターに手こずってたから...」
ルリ「違うよ！ 私が弱かったせいだよ！」
ロウ「けど、俺が...」
レイ「どっちもどっちじゃないの？」
ルリ「レイ...！」
レイ「自分が悪いって思ってるかもしれない けど、それで本当に上手くいったと思う？ ...ルリ！」
ルリ「はい！」
レイ「ルリがもし強かったとする そしたら、絶対にロウさんを助けに行くでしょ？」
ルリ「うん、多分そうする」
レイ「じゃあ、なんでロウさんは逃がしたのか言ってみて」
ルリ「...私だけでも生きてほしかったから」
レイ「そこで死んだりしたら、元も子もないよね」
ルリ「...」
レイ「次、ロウさん！」
ロウ「俺も...!?」
レイ「はい、そうです じゃあ、ロウさんが強かったとします」
ロウ「あぁ」
レイ「それでモンスター倒して、間に合ったと思いますか？」
ロウ「もしかして...間に合わないのか...？」
レイ「はい ルリは逃げてすぐに捕まりました どう足掻いても、間に合いません まぁ、こんな感じで２人の責任ではない」
「...」
レイ「ま、謝りたいなら謝ろう」
ルリ「その...ごめんなさい」
ロウ「俺も悪かった、すまない」
レイ「そういえばなんで逃げてたの？」
ロウ「それは...ルリが次の王妃候補だったからだ」
レイ「...えっ？」