無人島にママと二人で

ヤミヲミルメ

欲望の島(脚本)

無人島にママと二人で

ヤミヲミルメ

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〇黒
ベル子「いきなりですが飛行機が墜落して」

〇アマゾン川のほとり
ベル子「アタシは今、無人島にいます」
ベル子「死者多数」
ベル子「わずかな生存者」
ベル子「こうしてレポートを 録音しているのは」
ベル子「生きて帰って航空会社を 訴えてやるという」
ベル子「決意の表れです」
ベル子「なお、スマホはあっても 電波は通じません」
ベル子「周囲では人々が・・・」
コトノネ「ママ! ママ! どこにいるの!?」
ベル子(金持ちっぽい子)
ベル子(目が不自由なのかな?)
ベル子(にしても「ママ」とか 言うような歳かぁ?)
マモ子「はぁい、コトノネちゃん! ママはここよォ!」
コトノネ「ママ!」
コトノネ「本当にママなの?」
コトノネ「何だかお声が違うみたい」
マモ子「つ、墜落のショックで 声が変わってしまったのよっ」

〇基地の広場(瓦礫あり)
ベル子(アタシたちが乗ってきた飛行機・・・)
ベル子(アタシ、よく生きてられたな)
ルシ子「みんなで力を合わせて この難局を乗り越えましょう!」
ベル子(あーっ うざっ)
ベル子(まだ映る)

〇空港の外観
レポーター「行方不明となっている飛行機には」
レポーター「世界的大富豪の妻と娘が 乗り合わせており・・・」

〇基地の広場(瓦礫あり)
ベル子「この写真! 大富豪の娘って」

〇黒
  さっきのお嬢様じゃん!

〇基地の広場(瓦礫あり)
ベル子「ん? でも母親は別人のような?」
ベル子「さっきの人、お嬢様の写真の後ろに 小さく写ってるメイドさんだ!」

〇黒
  これってつまりお嬢様の
  目が見えないのをいいことに
  飛行機の墜落の際に死んだ母親に
  メイドがなりすましてるってこと!?

〇基地の広場(瓦礫あり)
ベル子「お嬢様を動揺させないために」
ベル子「なんてキレイな話は アタシは信じないぞ」
ベル子「おおかたこれを利用して お嬢様の新しい母親・・・」
ベル子「つまりは大富豪の後妻に 収まろうって魂胆でしょ」
ベル子「いいなー うらやまし・・・」
ルシ子「なんてことなの!?」
ルシ子「そんな行いは間違っている! 許されないわ!」

〇黒
  そして惨劇は起きた

〇断崖絶壁
  ルシ子に追い詰められたマモ子は
  崖から足を滑らせてしまった
ベル子「あーあ」
ベル子「こ〜〜ろした〜♪ こ〜ろした〜〜♪」
ルシ子「違う!!」
ルシ子「彼女は己の罪を悔いて 自ら命を絶ったのだ」
ベル子(この子、怖い)
ベル子「まー、でもアンタがマモ子さんを」
ベル子「死にたくなるほど いじめ倒したってのは」
ベル子「みんなには黙っててあげるわ」
ベル子「その代わり・・・ ね♪」

〇アマゾン川のほとり
コトノネ「ママ! ママはどこ?」
ベル子「はいはーい♪ ママですよー!」
コトノネ「ママ? またお声が変わったみたい・・・」
ベル子「女心も女の声も ころころ変わるものなのよー♪」
ルシ子「こ、このウソつきめ!」
ベル子「しーーーっ!」
ベル子「ホントのこと話すなんて コトノネちゃんがかわいそうでしょ」
ベル子「ママはとっくに死んじゃってるって アンタの口から伝える?」
ベル子「残されたただ一人のメイドさんを アンタが自殺に追いやったこと」
ベル子「アタシから伝えたげよっか?」
コトノネ「ママ? そこにどなたか いらっしゃるの?」
ベル子「誰もいませんよー♪ ハエがブンブン言ってるだけでーす♪」

〇密林の中
生存者「何よ、あれ」
生存者「ふぅん、そういうこと」
生存者「そういうことなら・・・」
「コトノネちゃん! ワタシがママよ!!」

〇断崖絶壁
「うがががが・・・」
マモ子「させない・・・」
マモ子「大富豪の後妻・・・」
マモ子「もとい・・・」
マモ子「コトノネちゃんのママの座は 誰にも渡さない!!」

〇アマゾン川のほとり
ルシ子「間違っている・・・ こんなの間違っている!」
ルシ子「この狂った状況から コトノネさんを救うには・・・」
ルシ子「わたしがコトノネちゃんの ママになるしかない!」
ベル子「アンタはコトノネちゃんより 年下っしょ!?」

〇野営地

〇テントの仮眠エリア
コトノネ「ママ・・・」

〇可愛い部屋
  昔からずっと
コトノネ「ママ、今日も帰ってこないの?」
マモ子「お仕事がお忙しいようで」
マモ子「次に会えるのは来年でごさいますね」
  わたしはお家で待っているだけ
  電話もろくにかかってこない
  たまに会うママは
ママ「ボンジュール! フランスは素晴らしかったざーます」
ママ「やっぱりメキシコに限るぜーい!」
  お仕事で違う国に
  長期滞在するたびに
  別人みたいになっていた

〇テントの仮眠エリア
コトノネ「一緒に旅行をするのは これが初めて」
コトノネ「今はママの声がいっぱい聞こえる」
コトノネ「私の知らないママを知れる」
コトノネ「嬉しいな」

〇黒
  無人島の日常

〇アマゾン川のほとり
ベル子「くーっじびっき〜♪ くっじびき〜♪」
ベル子「本日のママチャレンジは ブブ子さんに けってーい!」
ベル子「皆さん、拍手ー!」
ブブ子「得意の手料理で ママアピールするアルヨ」
ベル子(ハハハ。ママと言えば料理とか 昭和のオッサンかよ)
ベル子「とゆーことなので本日の炊事当番も ブブ子さんに兼任してもらいまーす」
ルシ子「それ、ベル子さんの仕事!」

〇密林の中
ブブ子「おいしそうな野鳥がいるアルヨ 何とかして捕まえたいアル」
サタ子「その鳥は絶滅危惧種デース! 食べるなんて許せマセーン!」
サタ子「ママならば子供の未来のために 自然を守るべきデース!」

〇野営地
ベル子「知らないうちにブブ子とサタ子が ケンカしたらしくて」
ベル子「サタ子がいなくなっていた」

〇野営地
コトノネ「おいしいわ! さすがママね!」
ブブ子「サタ子さんに感謝アルネ」
ベル子「初めて食べる味だわー」
  ガリッ
ベル子(なんか入ってた)
ベル子(サタ子の指輪?)
ベル子(この肉、本当に鳥のだよね・・・?)

〇密林の中
サタ子「オノレェ! 阿呆の鳥メェ!」
サタ子「ワタクシの指輪を喰ったのは どいつデスカー!」
サタ子「クッ・・・ククッ・・・ クククククッ・・・」
サタ子「こんな指輪一つで大騒ぎせず」
サタ子「自然保護に思う存分 お金をつぎ込んで暮らすためには」
サタ子「コトノネちゃんのママに なるしかないデース!!」

〇テントの仮眠エリア
コトノネ「ママの手料理、初めて食べた」
コトノネ「ママはお料理なんて 一生しない人だと思ってた」
コトノネ「明日もまた、わたしの知らない一面に 触れさせてくれるのかな?」
コトノネ「ありがとう、ママ」

〇野営地
ベル子「めんどくさっ」

コメント

  • こ、これはトンデモ中のトンデモ!😳
    着眼点に脱帽です。
    ママたちの退場かと思ったら戻ってくる強かさでなんだか面白くなってくるし、コトノネちゃんはママにかまってもらえて幸せそうだし、設定は殺伐で悪人だらけなのに、楽しい物語になりそうですw

  • 斬新な設定だ……!!
    家族をこういう形でとらえるのも凄い発想です!
    それに、人間の怖さが表現されてますね….。
    お嬢様可愛そうだ……(´・ω・`)

  • なりすましバトルの果てにあるのは……😨
    女の戦いと無人島サバイバル、新しい組み合わせですね❗️

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