宝箱の防衛、清掃

進藤路夢

宝箱の防衛、清掃(脚本)

宝箱の防衛、清掃

進藤路夢

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〇殺風景な部屋
パープ「ここが、俺達の持ち場かな」
サダー「そう、みたいですね」
サダー「あのー、自分、初の任務なんですけど・・・・・・パープさんは?」
パープ「俺は3回目。1回は、勇者とも少し」
サダー「勇者っすか?パープさん強いんだ」
パープ「強く無いよ。随分前の任務だからさ、ブルスロットルって技を使って、なんとかよ」
サダー「そんな技持ってるんですね。すごいや。 ってことは、この宝箱もすごいもの入ってるすかね」
パープ「指令は、宝箱の防衛及び周辺の清掃ってことだけど」
サダー「中を見ちゃダメなんですよね」
パープ「あんまり、見ないよな」
サダー「これってどれくらい重要なんですかね? パープさんって幹部とかなんすか?」
パープ「違う違う、幹部なんて全然。ギゾルバーさんとは、飯食ったことあるかな」
サダー「ギゾルバーさんとあるんすか? やっぱ強いんだ。 いやー、自分がどの位の所にいるかわからないですよね?」
パープ「指令受けるだけだからな、自分たちの序列ってわからないよな」
サダー「前半、後半のどこに位置してるかって、モチベに随分影響しますよね!?」
パープ「ギゾルバーさんには、後ろ方とは言われてる」
サダー「やっぱそうなんですね。 ってことは、この宝箱にはすごいもの入ってるですかね」
パープ「こういう風に、防衛をつけるときは、重要な事だからな。伝説の武器か珍しいアイテムだろうな」
サダー「ちょっと見ません?そんなすごいアイテムなかなか見れる機会無いし」
パープ「やめとけ、それより掃除だ掃除」
サダー「見ましょうよ。勇者来ないか確認してくるんで、居なかったら見ましょう」
パープ「ったく」
パープ「ほうき、ほうきと」
ダーバン「ここの部屋は?」
サダー「キター、勇者キター」
パープ「え?」
パープ「お前は誰だ?勇者か?」
ダーバン「まてまて、俺は勇者じゃない。 流れ者のダーバンだ!?」
パープ「この宝箱は渡さない ブルスロットル!」
  パープの突進は、見当違いの方向に行き。すっ転んだ。
サダー「パープさん・・・・・・」
ダーバン「なんだお前ら。 まぁいい、この中身は?」
  ガサゴソッ
ダーバン「よし、いらない。 ほんじゃな」
パープ「くそ、逃がしたか」
サダー「パープさん、本当は勇者に会った事無いんじゃないですか?」
パープ「えっ?」
サダー「勇者かどうか聞いたり、技、全然当たらないし 俺達、序盤の登場ですよね」
パープ「違う違う 勇者は久しく会ってないし 技は、勇者を追尾する能力だから・・・」
サダー「もういいです。 あきらめついでに、箱の中身見ましょう」
サダー「中身で、全てわかります」

〇殺風景な部屋
サダー「ただの棒」
パープ「すごい棒かもしれないけど・・・・・・」
サダー「パープさん本当の事言ってください。 勇者と闘ったのはウソ 後半と言われたのもウソ」
サダー「ギゾルバーさんと飯食ったのもウソでしょ?」
パープ「すまん。 勇者と闘った事があるのは、ウソだ」
サダー「やっぱり」
パープ「ギゾルバーさんと飯は食ったし、後ろだとも言われてる」
サダー「も、信じられないです」
パープ「勇者の件はすまなかった。 ただ、この棒がすごいものかもしれない」
パープ「俺達は、ここを防衛、清掃する事が任務だ。 とにかく頑張ろう」
サダー「ウソまでつかれて、掃除なんてやりたくないです。 勝手に一人でやってください」
パープ「おいちょっと、待てって」
パープ「ったく、仕方ない。掃除するか。 ほうき、ほうきと」
トリーデン「こんにちは、僕は勇者トリーデン。 ここに、聖木レナートの枝があると・・・・・・」
パープ「お前は・・・」
トリーデン「君は、パープじゃないか? 昔につけられた、胸のキズは今でも痛むよ」
パープ「そう簡単に、宝箱は渡さないぞ」
トリーデン「君がいるってことは、やっと聖木に出会えそうだな」
パープ「そうか、これがあの聖木」
トリーデン「僕だって成長してるからね  行くぞ」
パープ「くらえ、ブルスロットル」
サダー「パープさん、勇者と対等にしゃべってる」
サダー「ってか、対等に闘ってる」
サダー「勇者もすげーが、パープさんの必殺技カッコいい」
サダー「何で俺にウソついたりしたのかな・・・・・・」
サダー「・・・・・・」
サダー「・・・・・・」
サダー「よくわからんーーーー!!」
サダー「サダーカッターー!!」
パープ「何だ?」
トリーデン「誰?」
サダー「俺はここの番人、サダー。 この宝箱は渡さないぞ!」
トリーデン「くそっ、パープだけでもてこずるのに、もう一人居るのか」
トリーデン「もうこうなったら、最終奥義しか・・・・・・ 体がもつかどうか・・・・・・」
トリーデン「行くぞ ゼニスパニッシュメント!!!!!」
「うああああ」

〇炎
トリーデン「はぁはぁはぁ この聖木はもらっていくよ。 あとは、ギゾルバーだけだ」
サダー「パープさん生きてます?」
パープ「まぁなんとか」
サダー「良かった。 パープさん、勇者と戦ってるじゃないすか?」
パープ「勇者とは闘った事はない、・・・」
サダー「知り合いだったじゃないですか、勇者と」
パープ「あれは、洗礼を受けて勇者になったの。 前に会った時は、道具屋」
サダー「なら、勇者になる前の勇者と戦ってたって事ですね」
パープ「そうだな。 重要任務で、相方にウソついてすまなかった」
サダー「ウソなのかどうなのか。 まぁ、いいです。スッキリしました」
サダー「とりあえずどうします、ここ」
パープ「片付けるか、まだ任務の半分が終わってない」
サダー「掃除っすね」
パープ「そうだ 自分で起きれるか?」
サダー「やってみます」
「よっこらしょ」
  部屋の掃除をはじめた二人。

〇殺風景な部屋
サダー「大体、かたづきましたね」
パープ「うん、綺麗になった」
サダー「宝箱とられたけど」
パープ「また、次だ」
サダー「次は、どんな任務なんだろ?」
パープ「楽なのがいいな」
サダー「そうっすか?」
パープ「嫁と子供いたらそうなるよ」
サダー「結婚してるんすね」
パープ「まあな、サダーはどうなんだ?」
サダー「言わないっす」
パープ「なんだそれ? ってか、サダーっていくつだ?」
サダー「いくつに見えます?」
パープ「知らねーよ」
サダー「秘密っす」
パープ「くそっ ブルスロットル!」
サダー「勇者じゃないので、当たりませーん」
  こうして、物語は続くのであった。

コメント

  • 最後まで笑いながら読ませて頂きました。発言が思いもよらない感じでとても楽しかったです。会話のテンポもとてもよくて一気に読み進めさせて頂きました。

  • AとBの二人の会話がとても面白かったです。宝箱の中身を知りたいと思わない真面目なAに対して、宝箱の中身を見たいBが軽率な感じで、二人が対照的な性格が面白い。

  • ファンタジーで戦闘員のようなキャラクターが登場するのは珍しいですね。
    世界観が気になるので、次回作として設定がわかる続編を期待しています。

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