現実の私と仮想世界の私(脚本)
〇車内
杉田 正彦「宮地!犯人を追うぞ!」
宮地 麻子「了解です!」
呼び捨てはドラマ上の演出ですご理解下さい
〇公園のベンチ
宮地 麻子「抵抗すると撃つわよ!」
本当の銃ではありません。アマソンで購入しています。
〇教室
宮地 麻子「何で嘘なんかついたの?教えて頂戴」
横長 明「ご、ごめんなさい」
演出のために泣いています。ご理解下さい
〇空
2043年に新しい表示義務法が制定され本名の表示義務に加え説明表示義務で俳優達の演技の幅が狭くなり面白さがなくなっていた
宮地 麻子「はぁ、最近お芝居もつまらないなし、普通に恋愛もしたいな・・・」
〇川沿いの公園
山下 智治「お待たせ!宮地君!」
宮地 麻子「急に呼び出してすいません、マネージャー」
山下 智治「どうしたの?深刻な顔して」
宮地 麻子「すいません、今日で女優辞めます」
山下 智治「えっ、えっ?な、何で!」
宮地 麻子「すいません・・・」
山下 智治「ちょ、ちょと、待って!」
〇おしゃれなリビングダイニング
宮地 勝「姉ちゃん、女優辞めたらしいな!」
宮地 麻子「何か窮屈でね・・・恋愛も出来ないし」
宮地 勝「じゃあ、こんなのどう?」
宮地 麻子「何それ?」
宮地 勝「仮想世界で仕事すれば?仕事の規制なんか何もないし、恋愛も自由で面白いかもよ!」
宮地 麻子「ふーん!やってみようかしら!」
宮地 勝「おっ!意外に乗り気じゃん!商品CMの仕事を募集してるから俺が登録してやるよ!姉ちゃんそれ付けて」
宮地 麻子「え、こう?」
〇白
アバターを作成中です・・・
名前 アサコ
性別 女性
職業 俳優
趣味 裁縫
しばらくお待ち下さい・・・
アバターを作成しました
このアバターでよろしいですか?
YES
NO
アサコ「変更はできないぞ!」
〇渋谷駅前
アサコ「可愛い!女子高生になってる!」
ダイスケ「じゃあ次は大事なシーン撮るから商品の紹介の後にアドリブで一言お願いね!」
アサコ(もう、仕事が始まってるのね)
ダイスケ「はい!これ」
ダイスケ「じゃあいくよ!」
アサコ「こんな爽快感初めて「フルエナジー」だぞ♡」
ダイスケ「いいね!アサコちゃん!」
アサコ「表示義務とか大丈夫ですか?」
ダイスケ「表示義務?何だいそれ?次は違う商品のCM撮るから場所を移動しよう」
アサコ「はい!(規制が無いって最高ね!)」
〇見晴らしのいい公園
ダイスケ「じゃあアサコ君!次はこの商品をお願いね!」
アサコ「イチゴオレ!(昔よく飲んだヤツ)」
ダイスケ「次は相手役もいるからね」
タケル「タケルです!よろしくお願いします!」
ダイスケ「よし!早速撮って行こうか!」
タケル「「俺」!アサコの事が好きだ!」
アサコ「わ、私もタケルの事好きよ!」
タケル「え!本当!」
アサコ「・・・「15」秒目をつぶって!」
タケル「そ、それって!」
アサコ「目をつぶる程の甘さと美味しさ!白いハートを赤く染めて!新「イチゴオレ」」
アサコ「もう目を開けていいわよ!」
タケル「えっ?えっ?どういう事?」
「カットォ!」
ダイスケ「いい感じだね!アサコ君!」
アサコ「ありがとうございます!」
ダイスケ「じゃあ今日は解散!いいCMになりそうだ!」
タケル「じゃあまたね!アサコちゃん!」
アサコ「フフッ何か楽しい!」
〇おしゃれなリビングダイニング
宮地 麻子「ふぅ・・・」
宮地 勝「どうだった?姉ちゃん?」
宮地 麻子「結構楽しいわ!」
宮地 勝「でしょ!自由に使っていいよ!」
宮地 麻子「本当!じゃあ明日も使わせてもらうわね!」
翌朝
〇森の中
アサコ「誰よ!アンタ!」
バケモノ「心配するな!私は森の精霊、迷われたかな?」
アサコ「悪魔の方じゃ無い?」
〇城
キヨハル「殿!勝手に出歩かれては困りますぞ!」
アサコ「私の勝手でしょ!」
キヨハル「殿!」
〇洋館のバルコニー
アサコ「追い詰めたわよ!怪盗ギル!」
怪盗ギル「また遊んでやるよ!さらば!」
アサコ「くっ!逃げられた!」
「女子高生と悪精霊」「殿様は女子高生」
「怪盗ギル対女子高生」等アサコが出演する女子高生シリーズは仮想世界で人気になった
〇おしゃれなリビングダイニング
宮地 勝「楽しそうじゃん!」
宮地 麻子「堂々と演技できる環境って幸せね!」
宮地 麻子「はい!宮地です・・・えっ?新田君と?」
〇美しい草原
新田 正「宮地さん貴方が好きです!」
宮地 麻子「・・・はい」
2人は映画の演出の為に言っています
「カットォォォ!」
遠野 宏輝「いやぁ〜いい演技だったよ!次いってみよう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
遠野 宏輝「あれ?どうしたの?」
宮地 麻子「監督・・・ごめんなさい、やっぱり私この役降ります」
遠野 宏輝「え?」
宮地 麻子「辛すぎて・・・」
新田 正「宮地さん・・・」
宮地 麻子「私、自分を誤魔化したくないんです」
新田 正「宮地さんの気持ち分かりました!」
宮地 麻子「ごめんなさい新田君!」
遠野 宏輝「えっ?えっ?」
宮地 麻子「我儘言ってすいません監督!それでは・・・」
遠野 宏輝「ちょっと!宮地さん!」
新田 正「ハハッ!僕も辞めようかな俳優」
遠野 宏輝「か、勘弁してよ!」
2ヶ月後・・・
〇公園のベンチ
ナオキ「地下鉄がアサコの住む街まで延長されてね」
アサコ「は?なに言ってんのよ?地下鉄?」
ナオキ「分かりにくい?」
アサコ「うん・・・」
ナオキ「すぐに会いに行けるようになったって事!」
アサコ「えっ?」
ナオキ「好きだよ!アサコ!」
アサコ「私はアバターよ?それと、仮想世界に地下鉄なんて無いわよ?」
ナオキ「知ってるよ!宮地さん!」
アサコ「えっ?貴方だれ?」
ナオキ「新田です!」
アサコ「えっ?えっ?」
ナオキ「ビックリしました?実はずっと前から好きでした!映画の恋人役降板しちゃったから!」
アサコ「わ、私も新田君が好きよ!」
ナオキ「現実の世界でも恋人になってくれますか?」
アサコ「もちろん!映画の役で本当の気持ちを伝えたくなかったのよ!」
ナオキ「そう思いました!これで本当の恋人同士です」
アサコ「よろしくね!」
ナオキ「それで、宮地さん!もう一度、僕とあの映画を撮って下さい。お願いします!」
アサコ「・・・・・・・・・」
アサコ「了解!再度、女優として復活するわ!」
〇黒
以下のアバターを消去しますか?
アバター名 アサコ
アバターID 8856
「YES」←
アサコ「元気でね!」
〇美しい草原
戻って来てしまった女優業、法律は変わらないけど、良い方に変わった事もある、それは落ち込んでいた表情と、好きな人への距離
宮地 麻子「私も新田くんが大好きよ!」
遠野 宏輝「前よりいい表情だね!宮地くん!」
「・・・・・・・・・・・・♡」
遠野 宏輝「へっ?」
〇空
そのキッカケをくれたのは仮想世界の少女、アバター名「アサコ」もう1人の私
アサコ「またね♡」
良い終わりで良かった〜
確かに時代が進むに連れて表現の自由って狭まっているような気がしますね
15秒目を瞑るが本当にありそうなcmでした
この世界設定、楽しくで好きです。今でもマズい食べ物に「※スタッフが美味しくいただきました」が入るのが鬱陶しいと思っているのに、一挙手一投足にこんな注釈は……そんな窮屈な世界で苦悩する麻子さんの描写が素敵です。
そして、アバターのアサコさんが設定にピッタリのビジュアルですね!輝いていて表情豊かで!
これは設定が面白いです!
アダルト系や SF 系など、色々とどんな注釈が入るか…想像するとそれだけで楽しいです笑
良いアイデアがあってうらやましいですね😲