秘めた想い

シュークリーム

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〇理科室
女生徒「・・・先生も知ってるはずですよ」
  校舎3階の端にある理科室。
  一人の生徒が先生に詰め寄り、顔を赤らめた──
  待ってくださーい!!

〇パールグレー
先生「き、禁断の恋とかではないですからね!!」
先生「やましい感じに書かないでください!!」
先生「確かに僕は教師で彼女は生徒ですが、事情を聞いてください!」

〇理科室
  〜1時間前〜
  明日の授業の準備を終えて、一息つこうと椅子に座る。
  疲れが溜まっていたのだろう。
  そのまま眠ってしまった──

〇黒
  せーんせー!
  あれ? 寝てる・・・?
  起こさない方がいいよね
  でも話したいし・・・!
  先生寝過ごして鍵閉められちゃったらかわいそうだし
  1時間経ったら起こそう!
  寝やすいように電気も消しとこう
  ・・・おやすみ。先生。
  やば! 私も寝てた!?
  1時間以上経ってる!!
  先生、起こした方がいいよね・・・
  無防備な寝顔、かわいいなぁ・・・

〇理科室
  カシャッ
先生「・・・!?」
先生「あれ、寝ちゃってた・・・?」
先生「もう外暗くなってるなあ」
先生「とりあえず電気つけよう」

〇理科室
  カチッ
先生「七森さん、どうしたんですか?」
七森「な、なんでもないですよ」
  電気をつけると、身を隠しながらドアに向かおうとする七森がいた。
先生「明らかに隠れながら逃げる体勢でしたよね」
七森「最近流行りの筋トレですよ」
七森「太ももに効くので私もよくやるんです」
七森「すみません。ご高齢の方にはわからないですよね」
先生「高齢ってほどではないですよ。まだ25です!」
七森「失礼しました。先生の年齢になんて興味がないもので」
七森「それでは私は帰りますね」
七森「さようなら、先生」
先生「あ、はい。七森さんさようなら」
先生「あ、ちょっと待って」
先生「さっきシャッター音が聞こえたんだけど」
七森「・・・!」
七森「き、気づいてたんですか!?」
七森「べ、別に先生の寝顔が可愛いからとかじゃなくて」
七森「無防備な、そう、無防備に無様な姿を晒している先生を写真に収めておこうと思っただけです!」
七森「わかりましたか!」
七森「私だって好きで撮ったんじゃないんですからね!」
先生「・・・え?」
七森「・・・?」
先生「七森さんが撮ったの?」
先生「しかも、僕の写真?」
七森「知らなかったんですか?」
先生「不審人物なら・・・報告が必要だと思っただけで」
先生「七森さんだとは思ってませんでした。・・・はい」
七森「・・・!?」
先生「とりあえず、消してもらえるかな・・・?」

〇理科室
七森「い、嫌です」
先生「え、なんで」
七森「そんなに消したいんですか?」
先生「まあ、できたら」
七森「・・・よだれ垂らして変顔してる写真」
先生「そんなにひどいの!?」
先生「それは是非消して欲しいね」
七森「では、ご自分で消してください」
  先程まで醜態を晒していた七森だったが
  自分が優位にたったと同時に余裕を見せる
七森「はい、どうぞ」
  七森はロック画面を先生に見せた。
先生「消してくれないの?」
七森「消したいならご自分でどうぞと言っているんです」
先生「勝手に人の携帯触らない方がいいよね」
七森「持ち主が許可を出していますが」
先生「でもパスワード知らないし」
七森「・・・先生も知ってるはずですよ」
七森「ほら、どうぞ──」
先生「・・・」
先生「いや知らないけど」
七森「当てないと消せませんよ」
先生「だ、だって分からないし」
七森「当てずっぽうで構いません」
先生「自分の・・・誕生日とか」
七森「惜しいですね」
七森「私のではないです」
先生「誰かの・・・誕生日?」
七森「誰の、ですか?」
先生「知らないよ!」
七森「では、ヒントを差し上げます」
七森「毛先が少しはねたふわふわの髪」
七森「瞳は意外と大きくて」
七森「眼鏡をつけています」
七森「ふふ。もう分かったでしょう? 言えなかったら消さないですよ」
先生「・・・い、犬?」
七森「先生の犬は眼鏡をかけているんですか?」
七森「違いますよ。ほら次は?」
先生「・・・僕?」
七森「先生の誕生日ですか? 私が?」
七森「ふふ。面白いこと言いますね。入れてみたらどうですか?」
  1995年2月5日生まれ
  199525と入力する
七森「あー、残念。開きませんでしたね」
七森「先生恥ずかしいですね。先生の誕生日、でしたっけ?」
先生「・・・七森さんが僕の誕生日知ってるはずないもんね」
七森「さあ?」
七森「それはともかく、先生の写真残っちゃいますね」
先生「消してくれないの!?」
七森「消しませんよ。そういう約束ですから」
七森「誰かに見せちゃおうかなー」
先生「それはやめて!」
七森「1人だけでも?」
先生「1人もダメです!」
七森「では私の端末からは消してあげます」
先生「ほっ・・・」
七森「代わりに・・・」
七森「先生の携帯に保存しておいてください」
七森「そうすれば私が誰かに見せる心配もないですし、消したことにもならないですよね?」
先生「自分の写真を自分で持ってるの?」
先生「しかも寝顔」
七森「他の人に見せ」
先生「写真ください!」
七森「では先生のライン教えてください」
先生「あ」
七森「?」
先生「ごめん、僕ラインやってないんだ」
先生「教員用のメールアドレスに送ってくれる?」
七森「・・・」
先生「・・・?」
七森「先生のばか!写真待ち受けにしたもんね!さようなら!」
  七森は慌てて理科室を後にする
先生「消してくださいよー!!」

〇階段の踊り場
七森(先生を待ち受けにするのは私が恥ずかしいな。やめよ・・・)
七森(525991)
七森(先生惜しいですよ)
七森(私、先生の誕生日覚えてますよ)

〇理科室
先生(ごめん、本当はパスワード知ってるんだよ)
先生(目の前で何度も開かれたら流石に気づくし、1年以上同じなのは不用心だって)
先生(言った方がいいかな)
先生(でも知ってるって言ったら気持ち悪がられそうだなあ)
先生(僕、七森さんに嫌われてるし)

〇階段の踊り場
七森(告白したら先生は困るかな)

〇理科室
先生(僕の誕生日覚えててくれたっていうのは、素直に嬉しいんだけど)

〇階段の踊り場
七森(分かってる。だからせめて生徒として近くにいたいんだよ)

〇理科室
先生(でもずっと一緒なのは危ないしなあ)

〇階段の踊り場
七森(1番はずっと先生だからね)

〇理科室
先生(絶対変えた方がいい)

〇階段の踊り場
七森(もし気付いていても秘密にしてね)

〇理科室
先生「よし明日言おう!」

コメント

  • タイトル通り二人とも想いを秘めたまま終わったのが逆に新鮮でした。大事にしたい人や想いって、そう簡単に開示できないですよね。そんな二人の気持ちが伝わり、爽やかな交際の始まりを予感します。

  • 二人のすれ違いが面白かったです。
    彼女も強気でツンツンしちゃってますが、この先生なら受け止められると思うんですよ!
    先生は気弱そうですが、なんだか包容力みたいなのを感じるんです。
    応援したくなる二人です。

  • 先生と生徒の恋って、私は経験したことがないけれど、こんな感じなのかな。禁断だからこその葛藤や言いたくてもいえないじれったさがあってツンツンしちゃったりする様子がとても巧みに描かれていて、場面がよく想像できてハラハラしました。ふたりとも不器用で、責めてるようで空回りしているような駆け引き感もあって可愛さも感じました。

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