キマジメント

小松朋喜

エピソード5 生真面目(脚本)

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〇オフィスのフロア
古和杉流(なぜバツイチだとキマジメくんにバレた!?誰にも言ってないはずなのに・・・)
木間寺芽「部長 資料の確認お願いします」
古和杉流(何だその笑顔!?なぜ笑ってるんだ!?)
令和和令「どうしました真っ青な顔して?」
今時野子「わかった!トラブルだ!」
今時野子「喧嘩したんでしょキマジメさんと?」
令和和令「男は原因を分析し問題を解決しようとするモノ・・・」
今時野子「でも女は後悔を感じ間違いを補うために相手にさらに愛情を与えようとしたり改善策を考えたりするモノなんです!」
古和杉流(改善策・・・)
令和和令「おお、すげーじゃん いつそんな事覚えた?」
今時野子「いっつも一緒にいるからねw」
令和和令「まさかコワスギル部長」
令和和令「浮気でもした?」
今時野子「ないない!部長がそんな事できるわけないじゃん!」
令和和令「だよな!」
古和杉流「そ、そうだよ・・・」
今時野子「男は浮気をステータスだと今だに思ってるからクソなんだよ!」
  浮気するヤツは全員死んだ方がいい!
今時野子「カズノリは浮気しないでね?」
令和和令「当たり前 付き合ったら一筋 今はお前だけ」
今時野子「あ〜ん!大好き!」
古和杉流「あ、あの・・・君達ってまさか・・・」
令和和令「付き合ってます」
古和杉流「ええ!?だってこの前絶対付き合わないって・・・」
令和和令「すんません😅」
今時野子「絶対になんかありえないから!」
「ねぇ〜~~💖」
  本当ね
木間寺芽「絶対浮気しないと約束しても するのが男・・・そういう生き物」
古和杉流「キマジメくん!?わ、私は・・・」
木間寺芽「盛り上がっている所申し訳ないですが みなさん本日中に終わらせないといけない仕事があるのを覚えていらっしゃるでしょうか?」
令和和令「やば!そうだった!」
今時野子「今やりま〜す!」
木間寺芽「全く、社内に一体感が出たのはいいですが、少しフレンドリーすぎるのは如何なものでしょうか?」
木間寺芽「ねぇ部長」
  なんだその笑顔!怖すぎる!
古和杉流(君は一体何を考えている? やはり聞いてみるしかない・・・!)
古和杉流「あの・・・今日食事でも・・・」
木間寺芽「申し訳ございません 用があるので」

〇汚い一人部屋
古和杉流(まずい・・・まずいぞ!)
古和杉流(なぜキマジメくんは私の離婚の事を知っているんだ?)
古和杉流(しかしあれは昔の話 今現在浮気をしているわけじゃない・・・)
古和杉流(私の大切な人はキマジメくんだけなんだ!)
古和杉流(愛し合っているんだ・・・話せばわかる わかってくれるはずだ・・・きっと!)

〇汚い一人部屋
古和杉流「イ!!? なんだこの激痛は!!? 息ができない!? この痛み・・・ 下半身から・・・」
古和杉流「ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!!」
古和杉流「キ、キマジメくん!?」
木間寺芽「あなたとの写真。楽しいデートや食事の風景をアップしていました。黙って投稿してごめんなさい」
  #愛する彼
  #誠実だと信じている
  #真面目な人
  #古和杉流
  #結婚したいけど不安
  #彼を知っている人がいたら教えて
古和杉流「君・・・そうやって私の事を? このためにSNSをやっていたのか?」
木間寺芽「当たり前。こんなもの大嫌い。SNSなどなくなればいい。でもおかげであなたの過去に辿り着けた。便利なのは認めるわ」
古和杉流「過去って・・・それは・・・」
木間寺芽「古和美咲さん。あなたの娘。高校生?」
古和杉流「ちゅ、中学3年だ・・・なぜ君が美咲を!?」
木間寺芽「彼女からDMがきたたんですよ。コワスギル部長の過去を教えると」
古和杉流「まさか・・・」
木間寺芽「相当恨まれてますね」
  あなた、不倫して家庭を崩壊しましたね?
木間寺芽「親権は母親が持ったそうですが」
古和杉流「そうだ!だからもう私には・・・」
木間寺芽「関係ないと?」
木間寺芽「世間的、法律的には終わった事ですが、美咲さんはどうでしょう?」
  今もあなたのせいで苦しんでいる
  これが終わったと言えるでしょうか?
木間寺芽「すべて聞きました。前の会社に勤めていた時の後輩がお相手だとか。20歳程歳の差があったようですね。気持ち悪い」
古和杉流「やめてくれ・・・」
木間寺芽「美咲さん、家では優しくてイイお父さんだったのに、裏で父のしていた事を知り、精神的に病んだとか」
  当時小学生の女の子には相当なトラウマ
  この先男の人とお付き合いできないかもしれませんね
古和杉流「やめてくれ!」
木間寺芽「お酒を飲むと性格が変わるらしいですね?」
  ハラスがどうとかで酒の場を避けていたのではなく、自分の性欲を押さえているためにお酒を控えていた
木間寺芽「そうですね?」
古和杉流「やめろ!」
古和杉流「もうやめ・・・」
木間寺芽「痛いですか?でしょうね」
木間寺芽「だってあなたの大事な所に」
  あなたと関係を持った女性の名をすべて彫りましたから
木間寺芽「痛いはずです」
木間寺芽「三桁を超える女性の名前がアレに刻まれているのですから」
古和杉流「〇✕△□#%$*‘!!!??」
木間寺芽「薬で眠らせたのか?」
木間寺芽「いいえ」
木間寺芽「あなた昨日 やめていたお酒をしこたま飲みましたね 泥酔している隙に彫りました」
木間寺芽「あんな事をされて起きないなんて😂 よほどお飲みになられたんですね🤪 またお酒で失敗しましたね🤣」
古和杉流「この・・・!?」
古和杉流「う・・・うがが・・・!!!?」
木間寺芽「なんて?聞こえません」
  男の人の急所を傷つけるとそれほど痛いのですか?我慢なさい。出産の苦しみに比べたら大した事ではないでしょう
木間寺芽「妊娠した事はありませんが」
古和杉流「ぐぐ!?」
古和杉流「終わった事・・・今は・・・君の他に・・・女は・・・」
木間寺芽「知っています。あなたは真面目。だからあなたに好意を抱いたのですから」
古和杉流「じゃあ!!」
木間寺芽「私は愛人の子供なんです」
木間寺芽「父は大手の社長。母はホステスでした。どういう出会い方をしたかは、わかりますよね?」
木間寺芽「私は父の顔を知りません」
木間寺芽「わかりません。本当に父の事は何もわからない。ただ母は父を大手の社長だとしか言わなかった」
  だから父が社長かどうかも実際はわからないのです
木間寺芽「昔は父を恨み、なんとしても父に復讐をと考えていましたが時間の無駄なのでやめました」
木間寺芽「それよりも、私はこんなクズ人間にならないようにと真面目に生きる事に時間を使いました」
木間寺芽「クソ真面目に・・・」
  酒や男にだらしのない母を世話し、食事や掃除洗濯をしながら勉強をして大学に行きました
木間寺芽「大変だったか?いいえ、あっという間でした」
木間寺芽「私は父や母とは違って真っ当に生きる決意をしていたので、目標に向かって必死に生きていたらほんの一瞬でした」
古和杉流「お・・・お母さんは・・・」
木間寺芽「全身管ですが生き延びてます」
  部長もお酒を完全に絶った方がいいですよ。母みたいになりたくなければ
木間寺芽「昔の汚点は今も汚点。反省なんかできないんですよ人間は」
木間寺芽「例え今、真面目に生きていても、過去にひどい事をしているのであれば、その人間は一生汚物なんです」
  生まれてから死ぬまで真面目に生きる。それが真の真面目。生真面目なんです
古和杉流「真面目!?君がやった事が!?正しい事をしているとでも言うのか!?」
  はい?
木間寺芽「浮気より悪がこの世の中にあります? あなたに比べれば私の方がよっぽどマシだと思いますが?」
古和杉流「浮気をしている男なんて世の中にいくらでもいる!奴らを懲らしめればいいだろ!なぜ私にこんな・・・ひどい事をするんだ!」
  決まっているじゃないですか?
木間寺芽「あなたを愛しているからですよ」
木間寺芽「愛している人には真面目に 生真面目に生きて欲しい」
木間寺芽「そう考えるのは当たり前でしょ?」
木間寺芽「さ、行きましょ?」
古和杉流「ど、どこに・・・」
木間寺芽「仕事にですよ?」

〇汚い一人部屋
木間寺芽「もうすぐ朝です。遅刻しますよ?」
古和杉流「仕事だって!?こんな状態で仕事なんて・・・」
木間寺芽「大丈夫ですよ」
木間寺芽「今まで沢山の女性を傷つけ 家族を壊し 人の道から外れた行いをしているのにも関わらず 次の日には何食わぬ顔で仕事に行く」
  毎日モジモジしてまるで自分は被害者かのように振舞ってきた
  加害者、いや、犯罪者なのに
  あなたは完全にイカレた異常者
木間寺芽「だから大丈夫!ずっと嘘をついてきたんだから!今日もいつも通り弱弱しい部長を演じましょ!慣れてるじゃないですか!」
  待ってます
木間寺芽「プロポーズ! とびっきりロマンティックなサプライズ希望ですからね!」
木間寺芽「やっぱりこういうのって女の方から言うのはちょっと・・・」
木間寺芽「だから部長が言ってくれるまで待ってます!」
古和杉流「〇✕△□$%‘*+!!!??」
  古和杉流の背中に
  「生真面目」
  と彫られる
「ぎゃ〜~~~~~~~~~!!!??」
木間寺芽「浮気がもっとも悪質なハラスメント だからしないでね💖 『絶対』」
  結婚するまで一生逃さないから💕

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