〇祈祷場
　　ラスボス化した愛結が　呪いを放出する
　　ようやく　目を覚ました霊媒師
　　ラスボスを見て　再び目を閉じる
響 玲桜「今　起きたろうが！ 寝たふりすんな　ポンコツ!!」
霊媒師「あんなの　料金に入ってない 割に合わん!!」
響 玲桜「あんたが　呼び出したようなもんだろ!? 何とかしろ!!」
霊媒師「無茶言うな　通信教育の霊媒師だぞ」
響 玲桜「通信でも　黒帯いるって 威張ってたじゃないか!!」
霊媒師「そりゃ　黒帯もいるさ　 でも　実用向きじゃない」
響 玲桜「いざとなると男って　言い訳ばっかり！ しっかりしろ!!」
　　霊媒師にビンタする
霊媒師「殴られたって構わん 命落とすよりはな！」
響 玲桜「だったら　これは？」
　　霊媒師にキスをする
霊媒師「おおおお　何十年ぶりじゃあぁぁぁ」
霊媒師「元気百倍!!　エロパンマン!!」
　　ラスボスに立ち向かう　霊媒師
響 玲桜「バカとクズは使いようってな」
歩羽 優萌花「バカとハサミでしょ？ 切れるハサミなの??」
霊媒師「いくぞ！ クラミジアトラコマティス」
愛結怨霊「ウガー!!」
霊媒師「あちちち！」
霊媒師「お返しだ！　バイドクトレポネーマ!!」
愛結怨霊「オウ!!」
霊媒師「センケイコンジローマ!!」
愛結怨霊「ルガー!!」
霊媒師「床を　穴だらけにしやがって 弁償しろ！　ウレアプラズマ!!」
愛結怨霊「フハハハ」
霊媒師「こうなったら　最大の技　見せてやる!!」
霊媒師「トリコモナスゲンチュウ!!!!」
愛結怨霊「フンガー!!」
　　怨霊は　猛吹雪を起こした
　　屋根の飛んだ　小屋に吹雪が吹き込む

〇祈祷場
霊媒師「このままでは　凍え死ぬ」
響 玲桜「何か手はないのか？」
霊媒師「人柱･･･いやダメだ！ 危険すぎる･･･」
鳥月 流我　「俺にやらせてくれ！」
響 玲桜「うんこは引っ込んでろ 俺を使え」
霊媒師「危険だぞ　死ぬかもしれない」
鳥月 流我　「女は男を立てるもんだろ」
響 玲桜「相変わらず　うんこ発言か 一番キライなタイプだよ！」
鳥月 流我　「操乃の前では　男でいたいんだ」
響 玲桜「それこそ痛いね　お前はクズ ヒーローじゃない!!」
鳥月 流我　「散々　クズ呼ばわりされたんだ 最後ぐらい　ヒーローにしてくれよ」
鳥月 流我　「俺が死んだら　後は頼むぜ」
霊媒師「では覚悟は良いな？　いくぞ!!」
　　覚悟をきめた流我　
　　走馬灯のように
　　思い出が　よみがえる

〇海水浴場
久々津 操乃「ほんとうに･･･クズね！」
鳥月 流我　「クズじゃねえ 俺の名前は流我だ」

〇遊園地

〇けばけばしい部屋
久々津 操乃「ベッドが回る!!　遊園地みたい!!」

〇車内
久々津 操乃「・・・・・・」
久々津 操乃「クズね　本当にクズなんだから 本当に･･･どうしようもないクズ」

〇祈祷場
鳥月 流我　「操乃･･･もう二度と　クズとは言わせねーぜ」
　　流我の魂が　人柱になる
　　怨霊を大樹の中に　閉じ込めた
　　流我は生体エネルギーを使ったので
　　抜け殻のようだった
　　横たわる流我と操乃
　　二人とも　魂の抜け殻のよう
　　だが大樹を突き破り　
　　怨霊が火を放つ
響 玲桜「次は　俺を人柱に!!」
霊媒師「いや　通信では叶わん　強すぎる」
　　外は氷点下の吹雪　中は大火事
　　どこにも　逃げ場がない
歩羽 優萌花「熱い　熱い!! 火が襲ってくる　罰が当たったんだ ゴメンナサイ!!」
　　優萌花が　炎から逃れようと
　　棚を倒してしまう
　　中に　パソコンがあった
霊媒師「そうだ！　珍しい霊能術を･･･ 確か　オンライン霊能授業で･･･」
響 玲桜「通信の次は　オンライン授業か！」
　　しかしパソコンは　雷の攻撃で壊された
霊媒師「ああ　ダメだ！　パソコンが壊れた!!」
響 玲桜「動画か？　俺のスマホで見ろ！」
霊媒師「覚えるまで　時間稼ぎしてくれ」
　　怨霊は　大樹を突き破り
　　今にも　出て来そうだ!!
霊媒師「電波が悪くて　動画が止まるなあ・・・」
響 玲桜「早くしろよ！」
　　連続攻撃してくる怨霊
響 玲桜「もう無理だ　かわしきれない」
霊媒師「よし覚えたゾ ケジケジ・ケジラミ!!!!!!」
　　しかし　何の効果も現れなかった
響 玲桜「いい加減にしろ　ポンコツ!!」
霊媒師「後ろを　見てみろ」
　　ゆっくり振り返る玲桜　そこには･･･
　　縁士郎が戻っていた!!
響 玲桜「どうして？　成仏したんじゃないのか??」
霊媒師「時空を歪めたのじゃ 彼はさっきの縁士郎ではない 昨日の縁士郎だ!!」
響 玲桜「昨日の縁士郎？ てことは･･･悟りを開く前の縁士郎･･･ つまり･･･」
縁士郎「愛結～　早くカップルに取り憑いて 気持ちい～いこと　しようよ～💛」
　　それを聞き　愛結の怨霊は
　　みるみる小さくなった
愛結「縁士郎～早く～　 にゃんにゃんする　にゃんにゃん!!!!　 大好き～💛」
響 玲桜「バカとクズは使いよう!!」
響 玲桜「これほど　バカがありがたいと 思ったことはない!!」
霊媒師「バカは世界を救う　 そして　クズは地球を救うのじゃ!!」

〇祈祷場
　　除霊が行われ　
　　流我と操乃は
　　カップルの霊から解放された
歩羽 優萌花「咲楽さんの怨霊を　供養してあげたい」
響 玲桜「カップルの変死や　事故死の原因だろ そんな奴　放っとけよ」
歩羽 優萌花「玲桜がいなかったら 私もきっと怨霊に･･･放っておけない」
響 玲桜「ワカッタ　俺も付き合うぜ 一緒に坊主になってやるよ！」
歩羽 優萌花「坊主はヤダ!!」
響 玲桜「そういえば　縁士郎が成仏してたこと 何で知ってるんだ？ 気絶してただろ？」
霊媒師「優れた霊媒師は　何でもお見通しじゃ」
響 玲桜「本当は　狸寝入りなんだろう？ オンライン霊媒師め」
　　笑う三人

〇車内
　　操乃の家の手前　10メートルで
　　流我の車は止まっていた
鳥月 流我　「ここを曲がると　お別れだな･･･」
鳥月 流我　「ここ数日　熱い気持ちだったけど･･･ 霊に取り憑かれてたせいだよな」
久々津 操乃「そうだね･･･」
鳥月 流我　「除霊してもらって　体も軽くなったけど なんだか　気持ちも･･･」
久々津 操乃「そうだね･･･」
鳥月 流我　「どうせまた　喧嘩するしな やっぱり俺たち　このまま･･･」
久々津 操乃「・・・・・・」
　　流我は　やはりクズだった
　　けれど操乃も　意地っ張りなのだ
鳥月 流我　「ここを曲がると　お別れだ」
久々津 操乃「何回言うの？ それ　もう三回も言ってるよ」
鳥月 流我　「偉そうに　うるさいなー」
久々津 操乃「偉そうなのは　そっちでしょ」
鳥月 流我　「なんだと　助けてやったのに！」
久々津 操乃「助けてくれたのは　霊媒師！ あと　玲桜と優萌花 あんたは所詮･･･」
鳥月 流我　「所詮なんだよ　言ってみろよ」
久々津 操乃「よしましょう　また喧嘩」
鳥月 流我　「どうせ　またクズあつかいか」
久々津 操乃「赤の他人になる人に そんな失礼なこと　言えない」
鳥月 流我　「人柱になった時 もう二度と　クズって言わせねーって 誓ったが･･･」
鳥月 流我　「本当に　言ってくれないのか･･･」
久々津 操乃「助けてくれて　ありがとう 感謝してます」
鳥月 流我　「そんな他人行儀なセリフ」
久々津 操乃「もう　他人だもん」
鳥月 流我　「・・・・・・」
久々津 操乃「エンジンかけないの？　いつまでいるの？」
鳥月 流我　「分かったよ!!」
　　エンジンをかけようと
　　流我が手を伸ばした　その時
　　操乃の手が　流我の手を止めた
　　そして両手で　彼の手を包み込む
久々津 操乃「エンジンかけたら終わりだよ　私たち そんなことも分かんないの!?」
久々津 操乃「クズ！」
　　なぜか　ニンマリする流我
久々津 操乃「ほんとうに･･･クズね！」
鳥月 流我　「クズじゃねえ 俺の名前は流我だ！」
　　抱き合う二人
　　後ろで覗いている者がいた
縁士郎「やっと　盛り上がってきたな！」
愛結「一度は体から離れたけど 戻ってきてよかったね！」
縁士郎「あの霊媒師　仕事が雑だから 簡単に戻ってこれたよ」
愛結「今度こそ二人　盛り上がるみたい!!」
縁士郎「本当は大好きなくせに　喧嘩ばかりして 世話の焼ける二人だ!!」
愛結「もう一度取り憑くなら　今にゃん!!」
　　二人は再び　雷の衝撃を受けた
　　激しく揺れる車体
　　二組のカップルの悲願は達成された
　　めでたく成仏成仏･･･💖💖💖
　　
　　大変長らくありがとうございました