コント「ゾンビが街で大暴れ」(脚本)
〇店の休憩室
マエバシ「・・・遅い」
マエバシ「何やってるの、タカサキ・・・。やっと出番をもらえたって言うのに、遅刻なんて・・・」
マエバシ「あと、五分・・・」
「ごめん、マエバシ!」
タカサキ「私、間に合った!?」
マエバシ「間に合ってないよバカ! 大丈夫なの、事故とか病気じゃないよね!? 心配で台本全部吹っ飛ぶところだったんだけど!」
タカサキ「あ、ありがとう・・・ 事故は起こしてないよ」
マエバシ「お礼言ってる場合じゃない! 小道具は持って来た!?」
タカサキ「うん!」
マエバシ「衣装は!?」
タカサキ「ない!」
マエバシ「ええい仕方ない! このまま行こう!」
〇デパ地下
マエバシ「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
マエバシ「タカサキ、無事?」
タカサキ「う、うん。でもどうしよう、マエバシ・・・」
タカサキ「街中が、ゾンビだらけ!」
タカサキ「このままじゃ、私たちも、ゾンビまっしぐら・・・終わりだよ。この世の終わりだ」
マエバシ「大丈夫!! ここはホームセンター!!」
マエバシ「対ゾンビ戦における、聖地!」
タカサキ「映画の見過ぎじゃない?」
マエバシ「ここなら、たくさん武器になるものがある」
タカサキ「それはそうかも・・・。あ! これ、どうかな!?」
マエバシ「なになに・・・」
〇劇場の舞台
マエバシ「え、包丁?」
マエバシ(し、しまった。こんなセリフ、台本にない・・・)
マエバシ(って違う! そもそも、ここで出すのは包丁じゃない!)
マエバシ(タカサキが全然役に立たなそうなものを出して、それに私がツッコミをしていく・・・そういう流れでしょ)
マエバシ(何やってるの、タカサキ)
マエバシ(と、言うか・・・その包丁、何? 小道具じゃなくて、本物に見えるんだけど・・・一体どこから?)
マエバシ(あ~でもとにかく、場を繋げないと!)
マエバシ「ほ、包丁って、普通!! ボケないんかい!」
マエバシ(リカバリー・・・出来た? いや、反応見る感じ、台本忘れたのがバレた時と同じ、あの微妙な笑いが起きてる・・・やだ~~~!!)
マエバシ(ちょっと・・・いや大分不本意! ではあるけど! このまま本筋に戻るしかない!!)
マエバシ「って、は? タカサキ、何それ?」
タカサキ「あっ・・・これは・・・」
マエバシ(服のそでに・・・血?)
マエバシ「どういう・・・こと?」
マエバシ(って、またやっちゃった! さすがに空気がやばい! リカバリー、リカバリーの神よ! 下りて来て・・・そうだ!)
マエバシ「け、怪我!? まさかタカサキ、既に、ゾンビに噛まれて・・・」
タカサキ「ちが、ちがうちがう!」
タカサキ「ほら、この前言ったでしょ!」
タカサキ「新鮮で」
タカサキ「みずみずしくて」
タカサキ「真っ赤な・・・」
マエバシ「え・・・?」
タカサキ「いちごののったケーキが美味しい喫茶店で、バイト始めたって!」
タカサキ「ちょうどいちごを切っている時にゾンビに襲われたから、そでについちゃったんじゃないかなぁ」
マエバシ「まぎらわしい!」
マエバシ「あ、もしかしてその包丁も、その喫茶店から持って来たの?」
マエバシ「大人しそうな顔して、戦う気満々じゃない」
タカサキ「あはは・・・」
マエバシ「これは頼りになりそう。よし、その調子でゾンビをぶっ倒しましょう!」
マエバシ「でも、包丁じゃ近接戦しか出来ない。ゾンビに有利取れそうな武器を探して来て!」
マエバシ「定番はゴルフクラブにショベルにチェーンソー! あれ? 全部近接用だな!?」
マエバシ「いや、定番は捨てましょう。ホームセンターには、誰にも知られていない可能性がまだ眠っているはず!」
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まさかこれが最後の舞台になるなんて、マエバシも読者も予想できない衝撃のラストでした。最後にタカサキが自分のために人を殺してきたことが分かってもコントを続けて静かに終了するマエバシにプロ根性をみました。
マエバシさんのキャラクタービジュアルがとても表情豊かで、作中での感情とピッタリですね。このグダグダコント感も楽しいです。
群馬のホームセンター・・・
カ●ンズかジョ●フル本田でしょうか?
ゾンビに襲われても少人数なら数年は籠城できそうですね。