ワンコにグッバイ

根本桃安(ねもとぴぁ)

第五話 負け犬の皮を剥ぐ覚悟(脚本)

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〇ホストクラブの待機スペース
唯鈴(いすず)「ご主人様に、私は、なる!!」
風俗店オーナー(くっ、アタシとしたことが一瞬ひるんだ、が──)
風俗店オーナー「アンタのようなアマちゃんは見飽きたね!」
風俗店オーナー「S嬢なら体を触られずに済むと思ってんだろう?なめるんじゃぁない!」
風俗店オーナー「叩かれる快感も知らぬ嬢の鞭に、お客がヨガれると思うかぃ?」
風俗店オーナー「まずはM嬢としてみっちり体で覚えてもらうよ!」
風俗店オーナー「それが嫌ならお帰り。どっちみち、その容姿じゃ、アンタはM嬢止まりさ」
唯鈴(いすず)「──整形OKなんですよね?」
風俗店オーナー「は?」
唯鈴(いすず)「さっきボーイさんが話してました 整形のメンテでスタッフさんが休むって」
唯鈴(いすず)「Mで修行してお金を貯めます そしてM嬢を卒業する暁には──」
唯鈴(いすず)「整形してS嬢に生まれ変わります! 負け犬根性の染み付いた皮を脱ぐのです!」
風俗店オーナー「な──!?」
風俗店オーナー「なんだいアンタ、なんなんだい?何がそこまでアンタを駆り立てる?」
唯鈴(いすず)(『ナニ』よ)
唯鈴(いすず)(犬を卒業し、ご主人様に私はなるの!そして愛瀬さんをしつけるのよ!)
唯鈴(いすず)(ナニをナニして、二度とマウンティングできないようにしなきゃ!)
風俗店オーナー「今度はダンマリかい?分からん子だねぇ」
風俗店オーナー(だが感じる、この娘から底知れぬ『可能性』を──)
風俗店オーナー(ひとつ賭けてみるかい)
風俗店オーナー「あんたの熱意にゃ負けたよ 店を紹介してやろう」
唯鈴(いすず)「ありがとうございますッ!」

〇黒

〇校長室
  SMクラブ『あなたのしもべ』事務所
店長「ようこそ、SMワールドへ! 店長の阿内だ。アウチッ!」
唯鈴(いすず)「寿々喜唯鈴です。宜しくお願いします」
店長「あん?スズき いスズぅ?」
店長「・・・」
店長「グッド!リンリン! 今日から君は『凜子』だ!」
店長「リンリンは入寮希望なのだね!週5勤務OK?アージェントでヘルプ入れる?」
唯鈴(いすず)「入れられるだけ入れてください 一刻も早くご主人様になりたいので」
店長「エクセレント! やる気ムンムン、ウェルカムだ!」
店長「SMのノウレッジやエクスペリエンスはあるかい?」
唯鈴(いすず)「いいえ」
店長「ドントマインド! 俺が手取り足取りレクチャーを──」
店長「したいところだが、ベリー ディープだからね。まずは口頭でエクスプレインしよう」
店長「これがうちで提供しているプレイだ」
店長「言葉責め、目隠し、拘束・・・このへんは言葉通りだね、キャン ユー イマジン?」
唯鈴(いすず)「イエス、アイ キャン♥️」
唯鈴(いすず)(これぞ私の求めていた世界♥️)
店長「ギャグボールは猿ぐつわ。スパンキングは主に尻を手で叩くプレイだ」
唯鈴(いすず)「なるほど!勉強になります」
唯鈴(いすず)(無駄吠え対策に良さそう♥️)
店長「蝋燭、三角●●・・・この辺も分かるね?」
唯鈴(いすず)「えっと・・・」
唯鈴(いすず)(なんか、違うかも)
店長「うちはハードなプレイもできるのが売りだが、できないものは無理しなくていい」
店長「メニューの多い嬢は指名が増えるから、ハングリーにチャレンジするのもまた良しだ!」
店長「説明を続けよう」
店長「AFとは肛門●●のこと 最近はAVの影響でニーズが増してる」
唯鈴(いすず)「ええ・・・」
唯鈴(いすず)(こんな行為に、何の意味があるの?)
店長「●●とは、客の●した●を●●、あるいは自分の●を●●せることで──」
唯鈴(いすず)「はぁ!?」
唯鈴(いすず)「そんなの!求めていません!私!私は、屈辱や苦痛を与えたいんじゃなくて──」
店長「カーム ダウン、落ち着いて。 したくなければしなくていい」
店長「だがそれをしたい人もいるんだ そこはリスペクトしよう」
唯鈴(いすず)「・・・すみません、つい」
店長「実際にプレイしてみて目覚めこともあるからね、チョイスを狭めなさんな」
唯鈴(いすず)「選択肢・・・おっしゃる通りです」
店長「さて、テクニックはOJTで覚えてもらうワケだけど、しばらくは先輩の接客の見学だ」
店長「ソロでいきなりできることじゃないし、ほとんどのお客にはご指名の嬢がいるからね」
店長「ソープやデリの体入とはシステムが違うんだ」
店長「そろそろ来るかな、おいで」

〇小汚い廊下
セリナ「お疲れ様です」
店長「待たせたかい、セリナ。こちらビギナーの凜子だ。手ほどきプリーズ?」
店長「リンリン、こちらセリナ。店のイチオシM嬢だ。しばらくは彼女にトゥゲザーしなさい」
店長「寮もルームメイトだからね ゲット アロング ウェル(仲良く)な!」
唯鈴(いすず)「すず──凜子です よろしくお願いします」
セリナ「よろしく」
店長「セリナ、22時からの予約、リンリンをジョインさせてね。S沢さんには話してあるから」
セリナ「了解です」
店長「リンリン、最初は見てるだけでいいからね。リラックス&グッドラック🤞」
セリナ「まだ時間あるし、いったん寮に戻りましょう」
唯鈴(いすず)「え?」

〇寂れた雑居ビル
セリナ「予約がないときは店外待機なの。喫茶店を使う子が多いけど、寮の子は寮で待てるからね」
セリナ「お客さんが事務所で嬢を選んで、店から連絡が来たら近場のホテルに向かうわ」
セリナ「昔は店にプレイルームがあったんだけど、今は色々厳しくてね」
唯鈴(いすず)「この仕事、長いんですか?」
セリナ「・・・」
セリナ「着いたわ、このビルの二階と三階が寮よ」

〇二人部屋
セリナ「狭苦しいけど、家電は好きに使っていいから」
セリナ「貴重品は自分でしっかり管理してね」
セリナ「自分の身も、最終的に守れるのは自分だけだから、何時たりとも気を抜かず──」
唯鈴(いすず)(今日からここが私の家・・・。仮住まいだけど、やっと落ち着ける──)
唯鈴(いすず)「ぐぅ」
セリナ「言った側から寝たッ!?」
セリナ(見た目の割に図太い子ね)
唯鈴(いすず)「グァー・・・グァー・・・」
セリナ「せめてベッドで寝なさい、よっと!」
セリナ「ガリガリじゃない、もう・・・」
唯鈴(いすず)「すやすや」
セリナ「お疲れ様です。すみません、21時ご予約のS沢様ですが、ソロ対応で宜しいでしょうか?」
セリナ「ええ、随分疲れていたみたいで──はい」
セリナ「分かりました。凜子さんには私から伝えます」
セリナ「まったく」
唯鈴(いすず)「スー、スー・・・」

〇ステンドグラス
店長「覚悟は、アー ユー レディー?」
唯鈴(いすず)「イエス!どこからでもおいでませっ!」
店長「グッド! 記念すべきファースト・ゲストは~!?」
「この方々だぁ~!!!」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「よう、リンリン!遊びに来てやったぞ」
餘目 天花(あまるめ あまか)「今日は私もご主人様なんだから、し~っかり尽くしなさいよぉ?」
唯鈴(いすず)「な・・・なんで二人がここに!?」
風俗店オーナー「そりゃ、アタシが密告したからねぇ!」

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コメント

  • 久しぶりに読みにいけました!
    店長が結構好きで、無理しなくていいとか
    リスペクトとかなんかその業界には業界の礼儀がある、て教えてくれているような

    二人がやってきたのが夢で本当に良かったです💦

  • リンリンがこの先どうなってしまうのか気になりすぎるっ!
    大人のお店でドキドキします

  • 表現はまだまだ行ける気がしますが、それにしてもアウチさんは良いキャラですね。レベル数段上の変態の臭いがプンプンしますね。前半の谷展開から一転、楽しくなってきました。

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