何も知らない

ささみ

あの雨の日に(脚本)

何も知らない

ささみ

今すぐ読む

何も知らない
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒
  嫌われ者少女ってしってる?
  職員室ではこの話題で埋め尽くされている
  あの噂の子でしょ?職員室で話題になってた
  私も初めてみた・・・小学生のいじめなんて・・・
  でももう小学4年だ

〇教室の教壇
坂上晴子「やめて・・・やめてよ・・・!」
坂上晴子「私の筆箱取らないでよ・・・!」
霧島祈里「あっはっは!!」
クラスの子「あっ!またいじめている!!」
クラスの子「先生〜!また霧島さんがいじめてる!!」
担任「またお前か!ちょっとこい!!」
霧島祈里「・・・・・・!」
  そういうと担任は彼女を連れて行った
坂上晴子「もうやだよ・・・」
坂上晴子「なんでいじめるの・・・?」
坂上晴子「もうしにたいよ・・・きえたいよ・・・」
クラスの子「そんなこといわないで!晴子ちゃん!」
クラスの子「私達が守るから!!」
坂上晴子「うっう・・・ありがとう・・・」
川村康介「・・・・・・・・・」
  嫌われっ子・・・霧島祈里は僕の幼馴染だ
川村康介(昔は優しかったのに・・・)
川村康介(そういえばこのいじめが始まってから話してないや・・・)
  そしてこの子も

〇教室の教壇
  給食を食べ終わり5時間目の授業が始まった
川村康介(まだ・・・帰ってきてない・・・か)
  祈里の机の下には5時間目の授業のプリントが落ちていた
  みんな気づいていても決して誰も拾わない
担任「はい、じゃあみんな教科書のp.234開いて〜」
  そのとき
坂上晴子「あれ・・・?私の教科書画ない・・・」
クラスの子「忘れたの〜?見せてあげようか?」
坂上晴子「えっ・・・でもさっき机の上においたよ!!」
クラスの子「あっ!!なんかゴミ箱の中に本みたいのが!!」
クラスの子「えっ!これ教科書だよ!」
坂上晴子「!!これわたしの・・・」
  だけど教科書には大きく「アホ」と書かれていた
坂上晴子「なに・・・これ・・・!」
クラスの子「ひどい・・・またあの子のしわざだよ!!」
クラスの子「そういえば俺あいつが教科書になんかしてるの見た!!」
坂上晴子「うっ・・・うぅぅ・・・」
  そしてあの子は泣きながら教室を出た
担任「あっ!ちょっと先生は追いかけるついでに話を聞いてくるから」
担任「ちょっと自習してて!」
  教室が一気に騒がしくなった
  僕はあっという間に一人になった

〇教室の教壇
  帰りの会の時間になると曇ってた空から雨が振り始めた
  教室のドアが開くとそこには先生とあの子が
担任「席に戻れるか・・・?」
坂上晴子「はい、大丈夫ですありがとうございます」
クラスの子「晴子ちゃんだ!よかった!!大丈夫?」
坂上晴子「うん・・・もう大丈夫ありがとう」
  そのとき
  なにも顔色を変えることなく祈里が帰ってきた
  周りが攻撃的な目で祈里を見る中祈里は座った
担任「帰りの会始めるぞ〜」

〇教室の教壇
クラスの子「晴子ちゃん!いっしょに帰ろ!」
坂上晴子「うん!」
霧島祈里「・・・・・・・・・」
  そのときあの子の肩に祈里のランドセルがぶつかって落ちた
  だが二人は無視して廊下に歩いた
川村康介「・・・ねぇ」
霧島祈里「・・・えっ?」
川村康介「さっきの授業でのプリント落としたから、はい」
  僕は帰りの会のときについた足跡まみれのプリントを祈里に渡した
  本当は関わりたくもなかったけど
川村康介「じゃあ僕行くね」
霧島祈里「あっ!ちょ!!」

〇学校の昇降口
川村康介「・・・雨だ」
川村康介「傘なんて持ってきてないのに」
  そんなことをぼんやり考えていたら
霧島祈里「ねぇねぇ」
霧島祈里「もしかして傘ない感じ?」
川村康介「そうだけど・・・なに?」
霧島祈里「よければ私の傘、貸してあげようか?」
川村康介「遠慮しとく、君の傘なんて死んでも使いたくない」
霧島祈里「え〜じゃあ死んだら使ってくれるの?」
川村康介「まさか、殺す気?」
霧島祈里「いやだな〜そんなわけないじゃん」
霧島祈里「それにこんな雨だったら教科書濡れちゃうよ?」
川村康介「・・・わかった」
霧島祈里「おっ♪話がわかってくれて助かる〜」
  そういうと祈里は真っ白な傘を取り出した

〇学校脇の道
霧島祈里「ふふ・・・これがあいあい傘とゆうものなのかな〜」
川村康介「・・・・・・」
  僕はただ無視を続けた
  帰り道がいつもより長く感じる
霧島祈里「ねぇねぇなんでさっき僕にプリント渡してくれたの?」
川村康介「・・・・・・」
霧島祈里「えー無視か〜つらいな〜」
霧島祈里「本当はね僕嬉しかったんだよ」
霧島祈里「こんな自分でも声かけてくれる人まだいたんだって・・・」
霧島祈里「思わず驚いちゃった!」
川村康介「・・・・・・」
川村康介(それはお前のせいだろ・・・)
霧島祈里「・・・そっか!」
霧島祈里「ねぇねぇ」
霧島祈里「もしも僕がいじめられている側だったら」
霧島祈里「君は一体どうゆう反応をするの?」
川村康介(なにを言っているんだこいつは・・・?)
  気持ち悪い
  早くここから出たい
  気づいたときには足がでていた
  僕は雨にうたれながら走った
  もう教科書なんか関係ない
  一刻も早くこんなところから抜け出したかった
  その時僕は一回だけ後ろを振り向いた
  その時の祈里の顔は

〇教室の教壇
  次の日いつまでたってもいじめられっこのあの子が来なかった
クラスの子「晴子ちゃん大丈夫かな・・・」
  祈里がいないのはいつものことだ
  いつも遅れてやってくる
  その時
担任「・・・・・・」
  担任がいつもよりも遥かに暗くなってやってきた
  その感じにクラスがしずかになった
クラスの子「えっ・・・俺らなんかやった・・・?」
クラスの子「しらないよ・・・とりあえず謝ってみてよ・・・」
  そうすると担任は口を重く開ける
担任「えー・・・ここのクラスに在席していた昨日霧島祈里さんが転校することになりました」
  それはすごい突然の別れだった
  でも、それ以外何も感じなかった
  祈里は嫌われ者だったから
  こうなるとクラスがざわめき始める
クラスの子「晴子ちゃんをいじめるからだよ!!」
クラスの子「気まずくなって引っ越したんじゃねw」
クラスの子「でもよかった〜!これで晴子ちゃんは安心だ!!」
担任「・・・・・・」
  そういうと担任は無言で教室を出た
川村康介「・・・・・・?」
  僕は担任の様子が気になりついていくことにした

〇清潔な廊下
  担任はある程度歩くと近くにいた隣のクラスの先生と会った
隣のクラスの先生「あっ・・・朝の会どうでした?」
担任「はい・・・とりあえずは信じてもらえたという感じ・・・ですかね」
隣のクラスの先生「まさかまだ小学四年生に言えませんよね・・・こんなこと」

〇黒
  自殺したなんて・・・

〇清潔な廊下
川村康介「・・・・・・!?」
担任「先生・・・あまり廊下で話さないでください、他の生徒に聞かれたら大変なことになります」
隣のクラスの先生「あっ・・・ごめんなさい・・・」
川村康介「・・・・・・」

〇学校脇の道

〇清潔な廊下
川村康介「・・・・・・」

次のエピソード:日記

コメント

  • なんかすごく複雑な気持ちです。
    真相はどうなんだろう…。
    誰がいじめっ子でいじめられっ子なのか。
    真実を知らないままこんな形にってしまうのはすごく残念でならない気持ちになりました…。

成分キーワード

ページTOPへ