何も知らない

ささみ

日記(脚本)

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〇教室の教壇
  朝の時間からあっという間に時間が流れた
隣のクラスの先生「はい!じゃ帰りの会始めるよ〜」
クラスの子「せんせー!担任のせんせーは?」
隣のクラスの先生「担任の先生は急に具合悪くなっちゃってね・・・とゆわけで帰りは私がやるからね」
隣のクラスの先生「特にお知らせがある人はいないかな〜?」
クラスの子「ありません!」
隣のクラスの先生「わかったじゃあきょうつけ、れい」
  さようなら!!
  みんなそれぞれ帰りだした
川村康介「・・・・・・・・・」
  俺はしばらくぼーっとしてた
  担任のあの震え声が祈里のあの涙が頭から離れようとしない
  でもこれはあいつのいじめた末路てはないか・・・?
  祈里のロッカーや机はからっぽになってた
川村康介「帰るか・・・」

〇学校脇の道
  俺は昨日通った道を通った
  昨日とは違って天気は晴れ晴れとしてる
川村康介「・・・・・・」
  そのとき
川村康介「・・・!これは」
川村康介「昨日の・・・!」
  さらにそこには
  大量の教科書やノートが捨てられていた
川村康介「なに・・・これ」
  雨に濡れて教科書などはどろどろになっている
  拾い上げたノートは霧島祈里という名前が書かれている
川村康介「祈里の・・・か?」

〇町の電気屋
  何日も前
  小さな電気屋のあいたドアからニュースが聞こえた
「ーー市の〇〇町で男の立てこもり事件が発生しました」
「男は今でも逃走しており・・・」
お母さん「えっ!近くじゃない!?」
お母さん「あんたも登下校はきょうつけなさい」
川村康介「・・・はーい」

〇学校脇の道
川村康介「・・・・・・」
  急にあたりが怖く感じた
???「・・・・・・・・・」

〇線路沿いの道
川村康介「はっ、はぁはぁ・・・」
  足が棒になるほどに全力で走った
川村康介「あっ・・・このノート・・・」
川村康介「思わず持ってきちゃった・・・」
  後ろには汚い文字で霧島祈里と書かれている
川村康介「なんのノートだろ、表紙には何も書いてないし・・・」
川村康介「少しぐらいなら・・・いいよね?」
  中にに書いてあったのは

〇教室の教壇
川村康介「うっ・・・ううん・・・」
  放課後のチャイムが流れる
川村康介「夢・・・か」
  どうやら昨日の夢を見ていたようだ
川村康介「ノート・・・どうしよう」
坂上晴子「康介くん・・・?」
川村康介「あ〜、うんどうしたの?」
坂上晴子「実は今日掃除してたら教室の隙間に、こんなものが落ちてたんだけど・・・」
川村康介「・・・これ日記帳だ」
坂上晴子「へ〜そうやって読むんだ〜」
  後ろには霧島祈里と書かれていた
坂上晴子「霧島さんが書いたやつだからちょっと1人で見るのが怖くて・・」
坂上晴子「でも先生にも言いにくくって」
坂上晴子「おねがいいっしょに見てくれない?」
川村康介「えー・・・まぁいいけど」
坂上晴子「ほんと!ありがとう!!」
川村康介「あれ・・・?」
川村康介「結構ページが破かれている・・・」
坂上晴子「こうなると最後らへんのしか見れないね・・・」
川村康介「とりあえず読んでみるか・・・」

〇清潔な廊下
  8月6日
  今日はいつものどおりあの子にいじめた、
  水の入ったバケツを浴びさせたときの泣き顔は最高だった

〇教室の教壇
  8月7日
  今日はあの子の筆箱をうばったが、何も話さなかった、ムカつく

〇階段の踊り場
  8月8日
  今日は階段から突き飛ばしたが、しゃべらなかったのはウザかった彼女は物事を強く言えないから仕方のない

〇教室の教壇
  バタン!
  俺は日記を閉じた
  これ以上は見てられなかったからだ
坂上晴子「康介くん・・・私は大丈夫だよ」
川村康介「いや、でも・・・」
坂上晴子「だってもうそれぐらいでへこたれるほど私は弱くなんてない」
川村康介「・・・そうか」
  そういいながら俺はページをめくった

〇教室の教壇
  8月9日
  今日もあの子と言い争った、もうどうでもいい、先生き今日も怒られた。なんで?私何も悪いことなんてしてないのに
  今日もクラスの子から悪口が飛んできた
  叶うことなら

〇黒
  ミミヲチギリタイ

〇教室の教壇
川村康介「・・・・・・」
坂上晴子「・・・・・・」
  気まずい雰囲気が教室を渦巻いた
  窓の外からは赤い夕日が俺らを照らした
川村康介「帰ろっか・・・」
坂上晴子「うん・・・」

〇線路沿いの道
川村康介「・・・・・・」
坂上晴子「・・・・・・」
  見なきゃよかった、なぜかわからない後悔があった
坂上晴子「あのさ・・・」
川村康介「ん?」
坂上晴子「ありがとう、一緒に見てくれて」
坂上晴子「本当は持ってることですらとても怖かったから」
坂上晴子「康介くんがかっこいいって思った」
川村康介「別に・・・呪われているわけじゃないし」
川村康介「呪われていたら日記燃やすけどな」
坂上晴子「ふふ・・・」
川村康介「?」
坂上晴子「あはは!!やっぱり面白いな〜」
川村康介「???」
坂上晴子「いつも一人で無口だったから」
坂上晴子「こんなに面白いなんて!」
川村康介「は?そこまでか?」
坂上晴子「ねぇ!これからも話してもいい?」
川村康介「まぁ・・・別にいいけど」
坂上晴子「やった!!」
川村康介「あっじゃ俺こっちだから」
坂上晴子「うん!またねー」
  そういうと彼女は大きく手をふった

〇土手
川村康介「・・・・・・」
  日はもう沈みかけていた
川村康介「早く帰らないと・・・」
  何も覚えてないの?
川村康介「!?」
  後ろを振り返ったが誰もいなかった
川村康介「・・・・・・」
川村康介(疲れているのかな・・・)
  あのノートも日記の内容のこともすべて
  忘れるんだ

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