キミはつめたかった

水夜

キミは__(脚本)

キミはつめたかった

水夜

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〇黒
僕「握ったキミの手も」
僕「キミの態度も」
キミ「べ、別に照れてない!!」
僕「キミに降る雨も」
僕「いつでもキミはつめたかった──」

〇大きい病院の廊下
僕「好きなご飯も」
キミ「ん!美味しい!__くん料理得意なんだね」
僕「そ、そうかな?僕は__さんの方がお上手かと・・・」
僕「スイーツも二人で食べて」
僕「こ、ここのケーキ屋さんおすすめなんです! 生クリームがしつこくなくて・・・」
キミ「確かにね。いいね、ここ気に入った」
僕「好きなところに二人で行って」
キミ「─くんどこいくの?」
僕「とっても夜景がきれいなのところです」
キミ「ふーん」
僕「二人で笑い合って」
僕「僕、笑ってる__さん好きです」
キミ「っ・・・・・・!な、にそれ」
僕「二人で泣き合って」
僕「─さんには俺よりもっといい人がいますよ・・・」
キミ「な・・・・・・にそれ、そんなの・・・・・・今までずっと__のこと好きだったわたしがバカみたいじゃんっ!」
僕「それでもキミはつめたかった」
僕「否、」
僕「──────」
僕「ベッドに横たわるキミは ずっと前からつめたかった」
僕「─さん・・・・・・・・・なんででしょう・・・・・・どうして・・・・・・なんで・・・・・・キミはつめたいの・・・・・・」
  彼女は猫のような人だった
   すぐに何処かへふらっと行ってしまう
  感情が読み取りずらくて、秘密主義な人_
  元から体温が低くて、寒がり
   冬の日はこたつから出てこなくて
  幾度となく僕を困らせた
  でも──
   それすら僕は嬉しかったのだ
  もっと早くに気付くべきだった
  キミといれる時間を─
  キミが僕を見てくれた時間を─
   なにより大切な時間に気付けなかった
  こんな時間がずっと続くと思っていた──
  僕は浅はかで、無知で
  キミがもう一度僕を見たら何て言うだろう
  バカ?アホ?
  そんな言葉でもいいから
  僕はもう一度キミの暖かさに触れたい──

コメント

  • 「キミはつめたかった」が、本当は自分にとって温かい人であったことの心の裏返しなんですね。そして本当に冷たい人になってしまったことで初めて分かる自分の思いの深さや後悔。名前のない二人だけに、過ごした日々のリアルさが余計に胸に迫り、切ないラストでした。

  • 恋人間のコミュニケーションの冷たさのお話かと思いきや、、、だったのですね。淡々と語るスタイルが作品世界とピッタリですね。

  • まず、続きが気になる!!!内容長くなく、シンプルなのに、なぜか文面から目が離せなくって。名前の部分が下部線なところが余計過去の思い出の回想感強まっていてグッと入り込んでしまった…。この女性は、死んでいたのかなと途中で思ったけど、きちんと体温が低いって言っていてほっともした。読み手に変などんでん返しがないところもなんだか安心したよ。もっと長編で読んでみたい。小説として、あなたの作品を読んでみたい。

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