笑う

嵐虹

エピソード1(脚本)

笑う

嵐虹

今すぐ読む

笑う
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学校の部室
なお「──ふぅ 今日も笑えなかった・・・」

〇学校の部室
あず「あれ、ここ空いてる!」
なお「──!?」
あず「失礼しま~す ってあっ! 格好いいって噂のなお先輩だ!!」
なお「おい、 もしかして今の聞いていたか?」
あず「えっ!? ちょっとだけしか聞いていませんよ」
なお「いつから聞いていた?」
あず「『今日も笑えなかった』からです」
なお「──ほぼ全部じゃねーか・・・」
あず「確かに!! 先輩の笑っているところ見たことないかも・・・」
なお「・・・見られたものはしかなねぇ」
あず「?どうかしましたか?」
なお「あんた、なまえは?」
あず「『あず』です!小倉 あず (おぐら あず)私が生まれたとき窓の外にはキレイな小豆色の夕焼けができていたのを見てつきました」
なお「ふぅ~ん」
あず「!!聞いておいて失礼ですよ! 何その『ふぅ~ん』ぜんぜん興味なさそうじゃないですか!」
なお「面白い女」
あず「!?」
なお「知りたいか 俺がなんで笑えないか」
あず「──知りたいです」
なお「あのは2年前──」

〇学校の屋上
「おい!またいるぞw」
  その頃俺はいじめを受けていた
  同じクラスの女子から人気を受けていたからだ
なお「君たち、いつもいるの?」
「うわー! 今の聞いたか!『君たちもいつもいるの』だってさw」
「あぁ、そうさ お前がクラスにいると女子がうるさいからなw」
なお「そうなのか、それはごめん」
「謝ってやがるw あれれ?w女子の前だと笑顔なのに俺たちの前では笑顔じゃないのかw?」
「女子の前だけいいこぶっててキモw」
なお「僕はそんなつもりじゃ!!」
「言い訳してるw こんなやつ放っておこうぜ」
  当時の俺はよく笑顔がすてきと言われていたのでずっと笑っていた。
  しかし、途中で気付いた。
  この笑顔は本当の笑顔ではないと・・・
  笑うのを辞めようと思ったが周りの人が悲しんでしまうため辞められなかった。次第にどうしたらいいのかがわからなった
  そして春を迎え卒業した

〇学校の部室
なお「──と、言うわけだ って!!なんでないてるんだ!?」
あず「うっ・・・うぅ~ だって、先輩は悪くないのに・・・」
なお「まぁ、あくまで過去の事だ 今さらどうしようもない」
なお「このことは誰にも言うなよ」
あず「わかってます 大丈夫です」
あず「──」
なお「?」
あず「あっ!!」
なお「!!なんだ、そんな大きな声を出して」
あず「良いこと思いつきました!」

〇学校の部室
あず「私、先輩がまた笑えるようになるのをお手伝いさせていただきます!」
なお「・・・は?」
あず「先輩はまた笑えるようになりたい?」
なお「──なりたい・・・」
あず「決まりです!」
あず「明日のこの時間帯空いていますか?」
なお「あぁ、空いてる」
あず「なら明日この時間帯にこの・・・」
なお「?」
あず「ここってなんていう部屋なの?」
なお「ここはもう使われていない元ミーティングルームだ」
あず「もう、秘密基地でいいや!」
あず「明日この時間帯にこの秘密基地に集合で!」
あず「あと、この秘密基地は2人だけの秘密ですよ!」
なお「あぁ、わかった」
あず「それじゃ!またね先輩!!」
なお「あぁ」

コメント

  • 笑うことを意識したら尚更笑えなくなることもあるのかも知れない。あずの提案に応じた時点で、なおはもう笑う心の準備はできているような気がします。自分が意識していないときに、ふと気がつくと自然と笑顔になっている、そんな瞬間が訪れたらいいですね。

  • 過去のトラウマって中々払拭するのは難しいですよね。
    でも今日も笑えなかった、と冒頭にあるように原因の追求や克服をしようとしているようで、強さを感じました。
    可愛い後輩ちゃんも現れて、無事笑えるといいなぁ。

  • 作り笑い、愛想笑い、笑いはいろいろあるけれど、心から笑う時の笑顔は全く違う。以前のように笑えるようになるに作戦に期待します。

成分キーワード

ページTOPへ