オリジナル(脚本)
〇荒廃した教会
ニカ「ここにも居ないか」
ニカ「ダメか・・・」
ニカ「もうここに生き残ってる奴はいない・・・」
ニカ「はぁ・・・」
「・・・ううっ」
ニカ「っ!」
ニカ「微かにうめき声がっ・・・」
ニカ「どこだ? !どこにいる!」
〇荒廃した教会
ニカ「この部屋か?」
ニカ「おいっ!いるなら返事をしてくれ!」
マージョー「こ、ここです・・・」
ニカ(っ...違うか)
ニカ「生存者だな、よかった 立てそうか?」
マージョー「はい、あのわたし目が見えてなくて」
マージョー「手を繋いで歩いてもらえないですか?」
ニカ(魔女のせいか・・・)
ニカ「ああ、その目はここの事故でか?」
マージョー「そうです・・・」
マージョー「ああ、ごめんなさいっ 手の震えが・・・」
ニカ「案ずるな」
ニカ(この状態で魔女のことを話せば、 恐怖を呼び起こすことになるだろう)
ニカ(今は何も聞かないでおこう──)
〇暖炉のある小屋
ニカ「ただいま」
デリム「・・・っ♪」
ニカ「お客がいるんだ、えっと・・・」
マージョー「マージョーです、はじめまして」
マージョー「わたし、目が見えないので ぶつかったらごめんなさい」
デリム「・・・?」
デリムはほぼ初対面のマージョーに
顔を至近距離で見つめていた
ニカ「近すぎだデリム、ぶつかるぞ」
デリム「・・・・・・」
ニカ「マージョー、ここにデリムがいるから」
ニカ「デリムは無口なやつだから、いないように 思うかもしれないが、ここにちゃんといる」
ニカ「覚えとけ?」
ニカは二人の手を乗せて、互いの存在を示した
マージョー「はい。わかりました」
マージョー「あのっあなたはどうして廃墟に?」
ニカ「ニカだ。ボクは魔女を探していた」
ニカ「魔女の名は"ジョルチア・イベル"、そいつがイゼールを収集しているせいで、家々は廃墟になってる」
ニカ「君がいた場所も魔女によって、 廃墟にさせられたのさ」
マージョー「恐ろしいですね...」
デリム「・・・っ」
ニカ「マージョー、酷かも知れないが 教えてほしいんだ」
ニカ「魔女の姿を見てないか? 些細なことでも構わない」
マージョー「いいえ、何も」
マージョー「お役に立てず申し訳ないです」
ニカ「そうか...」
ニカ「ありがとう、また魔女を探す手がかりを 見つけに行く決心が付いた」
デリム「・・・! !」
ニカ「いいや、今日はもう遅いから明日にするよ」
ニカ「マージョーもゆっくりくつろいでくれ」
ニカ「何かあったらすぐボクが駆けつけるから」
マージョー「ありがとうニカさん」
〇暖炉のある小屋
その夜──
マージョー「・・・(寝息)」
「死に損ないを、まさか私の手の届くところへ連れてきているとは」
「優秀すぎて助かるわ」
マージョー「・・・ん?なんでしょう」
マージョー「あ、」
マージョー「ニカさん・・・?」
ニカ「くっっ・・・」
ニカ「マージョー、目が見えるようになったんだねぇ」
マージョー「はい・・・けど、こんな夜に、わたしに 何か用ですか・・・?」
ニカ「・・・いやっ・・・」
理由をたずねてもうまく説明してくれず
先ほどのニカの態度とはまるで別人のように、
暗闇のなか、月の光が影となり、
ニカの表情がうかがえない
少しでも灯りを付けようと、
マージョーが辺りを見回す
そのとき──
ニカの足元にだけ、紅白の花びらが散らばっていることに気づいた
マージョー「ハッ・・・っ」
〇荒廃した教会
マージョーは、まだ目が見えていた数時間前に、あの廃墟で起こったことを思い出した
魔女の力で瓦礫(がれき)の破片が宙を舞い、人々に襲いかかり、悲鳴と血飛沫が
錯乱していた
「あっははははっ」
「いいわよ、いいわあぁ~~泣き叫ぶ声、 もっと、もっともっともっともぉ~~っと聞かせて?」
マージョー(だめ・・・このままみんな、 魔女に殺される・・・)
マージョー(・・・とにかく誰かに助けをっ)
マージョー「きゃああああっっ!!!」
マージョーの真上から、2mほどの大きな瓦礫の破片が落下した
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ニカとデリムの関係性が一番の謎でしたね。デリムはいったい何者なのか。ニカが二重人格であることを知っているのか。善と悪のどちら側の存在なのか、等々。とにかく不思議でした。
3人の誰かが魔女とは思いましたが…
話の展開だけでなく音楽や背景がより不気味さ、怖さを増していました。