始まり(脚本)
〇オフィスのフロア
ある日のオフィス・・・
赤月 恭介「なぁなぁ、誠 相談があんだけどよ」
高城 誠「どうしたんだよ、恭介」
赤月 恭介「俺さ、実況者同士のコラボやってみてぇんだよ」
高城 誠「うん、まぁいいんじゃない?」
赤月 恭介「それでさ、「かいさん」を誘いたいんだよ」
高城 誠「かいさんを!?」
かいさん、というのは「かな&かいの実況」のチャンネル主の通称で、小説家としても有名な人だ。
高城 誠「さすがに無理だって」
高城 誠「あの人、コラボしないことで有名じゃん・・・」
赤月 恭介「言うだけだったらタダだって!」
高城 誠「大丈夫かなぁ・・・」
赤月 恭介「とりま、夜にでも連絡してみるわ!」
高城 誠「いいのかなぁ・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
その日の夜・・・
立花 湊「・・・?」
何とか小説を書き終わらせ、ひと段落しようとしていた時にSNSから通知が来た。
立花 湊「メッセージ?」
立花 湊「まぁ、見てみよう・・・」
クロディーといいます。
実は、実況者同士でゲームをしたいと思っています。
かいさんもどうですか?
立花 湊「コラボ・・・か・・・」
私はいつも通り断ろうとキーボードに触れ、不意に気が変わった
立花 湊「・・・たまにはいいか・・・」
いいですよ。いつからやりますか?
その返信に、相手はかなり驚いたらしい
え、ほんとですか!?
では、○○日までに集めます!
返信を終えて、私はこの後しないといけないことを思い浮かべる
立花 湊「さて・・・今日も小説書いて・・・動画も作って・・・」
立花 湊「・・・・・・」
考え事をしていると、気分が沈んでしまった。
それを頭から追い出すように、今度は編集を始めた。
〇寂れた一室
その日の夜、俺は恭介とゲームの試合を撮っていた。
高城 誠「わわっ!」
赤月 恭介「誠、そこだ!」
高城 誠「ちょ、この人強いって!」
赤月 恭介「あ、おい!大丈夫か!?」
高城 誠「ごめん、やられた!」
赤月 恭介「仕方ねぇって!相手が強いしよ!」
テレビには「LOST」と出ていた。
高城 誠「それにしてもこのユーザー名、どこかで見たことあるような・・・?」
赤月 恭介「えっと・・・あ、この二人、チームだったんだな」
相手のユーザー名は「かいくん」と「かなと」だ。
どこで見ただろうかと考えていると、「あ、そういや!」と恭介が声をかけてきた。
赤月 恭介「かいさんとのコラボ、決まったぞ!」
高城 誠「え、ホント!?」
そして思い出す。
高城 誠「てか、この二人かいさんとご友人さんじゃん!」
赤月 恭介「え、マジ!?」
道理で強いわけだ。
かいさんとご友人さんはゲームがうますぎることでも有名だ。
小説も書き、絵も上手、自作ゲームも作るという才能の塊。
正直、俺には手が届かない存在だ。
高城 誠「あ、メッセージが来てる」
赤月 恭介「対戦ありがとうございました・・・いい試合ができました・・・」
このゲームは対戦ゲームのため、相手にメッセージを送れる機能がある。
そのメッセージの最後に、「とても強くて初めて負けるかと思いました」と書かれていた。
高城 誠「いや、ボロ負けだったよ・・・」
赤月 恭介「まぁまぁ、素直に受け取っておこうぜ!」
また別の試合だ!と言って恭介はゲームを始めてしまう。
高城 誠「・・・明日、仕事なんだけど・・・」
・・・多分、この声は聞こえていないだろう。
私もたまにYouTubeで実況者さんのゲーム動画を見ますが、話しながらよくできるなぁと感心してしまいます笑
色々考えて視聴者を飽きさせない苦労もありそうですねぇ。