ウマ編(脚本)
〇岩山
三女 ウシロ「ンフフ♪」
次女 サクヤ「どうしたよ!?ウシロ!」
次女 サクヤ「随分楽しそうだな」
三女 ウシロ「だってー」
三女 ウシロ「みんなで山登りが楽しくてー」
長女 マナカ「フフ、そうですね」
次女 サクヤ「ったくのんきなやつだ」
長女 マナカ「でもウシロ、任務中です。気を引き締めて」
三女 ウシロ「ふぁーい」
三女 ウシロ「・・ところでさー」
三女 ウシロ「なんか今日ってあったかくなーい?」
次女 サクヤ「またお惚けかよ!?」
長女 マナカ「今の気温は」
長女 マナカ「−33.3℃」
長女 マナカ「寒冷化は進む一方ですね」
三女 ウシロ「ふーん、そんなに寒いー?」
次女 サクヤ「鈍感だな!」
長女 マナカ「さて、ウマの反応は向こうですね」
〇雪洞
長女 マナカ「どうやらあの奥のようです」
〇岩穴の出口
〇牧場
長女 マナカ「ここです」
三女 ウシロ「あー、見てー」
三女 ウシロ「おうまさーん」
長女 マナカ「早速持ち主と交渉しましょう」
〇怪しいロッジ
牧場主「なるほど」
牧場主「あんたらの箱庭『パンゲア』のために」
牧場主「うちのウマが欲しいと」
長女 マナカ「ええ」
〇大樹の下
長女 マナカ「パンゲアは氷河期以前の気候を再現し」
長女 マナカ「現在、255種1023体の生命が暮らしています」
長女 マナカ「出来るだけ多くの種を保護するために」
長女 マナカ「是非協力していただきたい」
〇怪しいロッジ
次女 サクヤ「もちろんタダとは言わねぇ!」
次女 サクヤ「ウマ一頭に見合う食料と燃料は持ってきてるからよ」
牧場主(噂には聞いていたが)
牧場主(まさか実在するとは)
牧場主「ウマは連れていってくれてかまわない」
長女 マナカ「ありがとうご──」
牧場主「だが、報酬は食料や燃料ではなく」
牧場主「私もパンゲアに連れて行ってくれ!」
次女 サクヤ「お姉ぇ、この匂い!」
長女 マナカ「ええ、わかっています」
牧場主「この厳しい氷河期を生きていくのはもう限界だ!」
牧場主「なぁ、頼むよ!」
長女 マナカ「たしかにヒトのオスはまだ若干名受け入れ可能です」
牧場主「だったら」
長女 マナカ「ですが」
長女 マナカ「あなたを連れて行くワケには行きません」
牧場主「どういうことだ!?」
次女 サクヤ「テメェのくせぇ口から漂ってんだよ」
次女 サクヤ「ヒトの血の匂いがなぁ」
牧場主「そんなはずは!?」
牧場主「アレだ!さっき食べたウマだ!」
長女 マナカ「いえ、間違いなく」
長女 マナカ「ヒトの匂いです」
牧場主「・・」
長女 マナカ「それにわずかに硝煙の匂いも」
次女 サクヤ「テメェ・・本当に牧場主か!?」
牧場主「・・」
牧場主「洗い流せたつもりだったんだが」
略奪者「ご明察だ とんでもねぇ嗅覚だな」
長女 マナカ「本当の主を」
次女 サクヤ「食いやがったな!」
略奪者「オレだって好きで食ったワケじゃねぇよ」
略奪者「でもよ、こんな世の中だ」
略奪者「不可抗力ってやつだ」
次女 サクヤ「クズがっ!」
略奪者「何とでも言え」
略奪者「生き延びるためなら何でもやるさ」
長女 マナカ「・・」
略奪者「さて」
略奪者「パンゲアまで案内してもらおうか」
長女 マナカ「私達が銃に屈するとでも?」
略奪者「へっ、そうだな アンタらどう見ても普通じゃないもんな」
略奪者「だが、これならどうよ」
略奪者「オラッ」
〇怪しいロッジ
次女 サクヤ「なんだぁこりゃ!煙幕かぁ!?」
長女 マナカ(こ、これは・・)
略奪者「嗅覚の鋭いアンタらには効くんじゃねぇか」
次女 サクヤ「なんだとぉ・・うっ」
長女 マナカ(これは・・ケシの・・)
〇黒背景
長女 マナカ(意識が・・朧げに・・)
〇古生物の研究室
Dr.ディーノ「ふむ」
Dr.ディーノ「理論的には可能だな」
Dr.ディーノ「あとは被験体だけか」
長女 マナカ「これは・・」
長女 マナカ「あの日の記憶」
Dr.ディーノ「なんだ!?」
マナカ「ハァ・・ハァ・・」
マナカ「Dr.ディーノ・・です・・ね?」
Dr.ディーノ「そうだが」
マナカ「あなたの噂を聞いてやってきました」
マナカ「妹達を・・」
マナカ「助けてください!」
Dr.ディーノ「おいおい、こりゃあひどいな・・」
Dr.ディーノ(感覚器官がズタボロにやられている)
Dr.ディーノ(こっちは頭をやられているな 前頭葉の損壊がひどい)
マナカ「私達は略奪者に・・襲われて・・」
マナカ「うっ」
Dr.ディーノ「あんたも重症だな」
Dr.ディーノ(よくそんな状態で人2人担いで・・)
マナカ「私は・・いいんです」
マナカ「どうか・・」
マナカ「2人を助けてくだ・・さい」
Dr.ディーノ(あくまでも自分は勘定にいれないか)
Dr.ディーノ「・・いいだろう」
Dr.ディーノ「3人とも救ってやる」
マナカ「本当ですか!?」
Dr.ディーノ「たが、オレが行うのは手術というより改造だ」
Dr.ディーノ「もう人としての生活には戻れないぞ」
マナカ「・・」
マナカ「かまいません」
マナカ「ここで・・死ぬくらいなら」
Dr.ディーノ「そうか・・」
〇黒背景
長女 マナカ(ああ・・ せっかく生き延びたのに・・)
長女 マナカ(こんなところで滅びるなんて・・)
???「・・ちゃん」
???「マナカちゃん!!」
長女 マナカ「ウシロの・・」
長女 マナカ「声・・」
〇怪しいロッジ
三女 ウシロ「マナカちゃん!!サクヤちゃん!!」
長女 マナカ「ウシ・・ロ」
次女 サクヤ「へっ・・でけぇ声だぜ」
三女 ウシロ「よかったよぉ」
長女 マナカ「ありがとうございます」
三女 ウシロ「へへへ、ウシロ役に立った?」
長女 マナカ「ええ」
略奪者「ちっ、1人効かねぇやつがいたか」
次女 サクヤ「ネタが割れりゃ怖くねぇ」
次女 サクヤ「こんな煙」
次女 サクヤ「ぶっとばす」
〇怪しいロッジ
略奪者「ひっ!!ドラッグスモークが!?」
長女 マナカ「あなたの生きる為に何でもする姿勢」
長女 マナカ「生命としては間違っていないでしょう」
長女 マナカ「ですが」
長女 マナカ「同じヒトを殺め、食したこと」
長女 マナカ「2人に危害を加えようとしたこと」
長女 マナカ「許せません」
長女 マナカ「さあ」
長女 マナカ「トリアージの時間です」
〇怪しいロッジ
略奪者「何が許さねぇだ」
略奪者「返り討ちにしてくれるわ」
略奪者「うらぁ」
略奪者「ツノで弾きやがった!」
略奪者「来るな!来るな!」
長女 マナカ「無駄です」
長女 マナカ「さぁ、サクヤ!ウシロ!」
長女 マナカ「いきますよ!」
次女 サクヤ「おう!」
三女 ウシロ「うん!」
〇怪しいロッジ
略奪者「ぐぎゃー」
〇牧場
略奪者「ぬわー」
〇怪しいロッジ
長女 マナカ「トリアージ」
長女 マナカ「完了です」
〇古生物の研究室
Dr.ディーノ「任務ご苦労」
三女 ウシロ「おうまさん可愛かったー」
三女 ウシロ「次はしかさんがいいなぁ」
次女 サクヤ(馬鹿かよ)
Dr.ディーノ「ああ、次はシカだ」
次女 サクヤ「馬鹿かよ」
Dr.ディーノ「一旦みんなゆっくり休んでくれ」
Dr.ディーノ「後でメンテナンスだ」
三女 ウシロ「ふぁーい」
次女 サクヤ「なぁ、今回は偶然プラスになったが」
次女 サクヤ「ウシロの感覚何とかならねぇのか!?」
Dr.ディーノ「うむ、ベースの人間時代の機能が壊滅的だったから難し──」
次女 サクヤ「頼むぞ、天才なんだろ!?」
Dr.ディーノ「わかったわかった 善処するよ」
Dr.ディーノ「ふぅ」
長女 マナカ「妹達がすみません」
Dr.ディーノ「いや大丈夫だ」
Dr.ディーノ「だが生憎現在の設備ではこれ以上の処置が難しい」
Dr.ディーノ「パンゲアが完成すれば」
Dr.ディーノ「リソースを再建研究に割けるんだが」
長女 マナカ「一刻も早い完成を目指します」
Dr.ディーノ「・・キミも早く取り戻せるといいな」
長女 マナカ「・・」
〇古生物の研究室
長女 マナカ「・・」
Dr.ディーノ「手術は成功した」
Dr.ディーノ「じきに2人も目を覚ます」
Dr.ディーノ「どうだ?機械の体は?」
長女 マナカ「問題なく動きます・・が」
長女 マナカ「なぜトリケラトプス?」
Dr.ディーノ「トリケラトプスは白亜紀末期まで生き延びていた種だから」
Dr.ディーノ「一種の希望の象徴だな」
長女 マナカ「・・この格好は?」
Dr.ディーノ「・・趣味だ」
長女 マナカ「フフ、噂通りおかしな人ですね」
Dr.ディーノ「どうした?表情が笑ってないぞ?」
長女 マナカ「・・え?そんなはずは・・」
長女 マナカ「アレ?」
Dr.ディーノ(心因性の顔面麻痺・・か)
〇古生物の研究室
長女 マナカ「そうですね・・」
長女 マナカ「私は信じています」
〇桜の見える丘
長女 マナカ「いつかこの地上にまた暖かさが戻って」
長女 マナカ「3人揃って」
長女 マナカ「太陽の下で」
長女 マナカ「笑って過ごせる日が来ることを」
長女 マナカ「その日を目指して続けます」
長女 マナカ「このトリアージを」
この美少女絵なんだろう?クラゲかな?
って思っていたらまさかのトリケラトプス!
古来や未来ってロマンあっていいですねー。
3姉妹のアタック攻撃といえばデルタアタック……!
トリプルトリケラトリ……世界観と3人の姉妹設定がまず面白かったです!そして同じ美少女ちゃんなのに三者三様で、読んでいてとても楽しかったです!
温かい世界を取り戻せるといいな!この子たちならきっとできるはず!
(服装が博士の趣味なのツボりました😂)
トリプル・トリケラ・トリアージ、一度聞いたら頭から離れないタイトルですね!
三姉妹全員キャラが立っていて、同じ立ち絵なのにちゃんと別人になっているのが凄いです。台詞だけでどの子が話してるのかしっかり伝わります。
世界観も個性的で面白かったです!続きが読みたくなりました。