Dear📧Friend

ゆきんこ

キミへ届け(脚本)

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〇SNSの画面
ネタム「今日は、待ちに待った小説大賞発表の日!」
ネタム「予選は通過したんだ。 もしかしたら大賞、いや、佳作くらいに食い込んでいるかもしれない・・・!」
ネタム「時は来た!」
ネタム「Uwitterでの発表の時間だ!」
ネタム「ウ・・・!」
ネタム「嘘だろ」
ネタム「また『ヒイロ』なのかよォーー!?!?!?!?」

〇大教室
同級生「ヒイロくん、おめでとう!」
同級生「見たぜ、『小説家にナレル』の最優秀賞! メチャクチャ面白かったー!!」
ヒイロ「ハハ。 みんなで言うの止めてよ〜」
ヒイロ「同じ公募に投稿してもカスリもしなかったヤツも近くに居るからさあ」
ネタム「チッ、オレのことかよ」
ネタム「ちょっと社交性あるからって、取り巻きに囲まれやがって。 相変わらずムカつくぜ」
ヒイロ「目の前で煽るのはやめろよな。 昔から非常識だな、オマエ」
ネタム「幼稚園からチビのくせに。 口だけはデカいよなあ!」
ヒイロ「オマエなんか人のこと妬みすぎて、 頭がワイてるぜ」
「な・ん・だ・と〜!? やんのか!コラァ!!」
ユウミ「ちょ、2人共ォ、喧嘩は止めてよ!?」
ユウミ「昔からの幼なじみじゃない! 仲良くしようよ」
ヒイロ「ユウミが言うなら・・・ 今日のところは勘弁してやるよ」
ユウミ「ヒイロくん、待って」
ユウミ「ネタムくん、またね!」
ネタム「チッ」

〇イルミネーションのある通り
ネタム「あーあ」
ネタム「もうすぐクリスマスかよ」
ネタム「今日も今日とて、 ヒイロに喧嘩を売る毎日・・・」
ネタム「ヒイロとユウミ、やっぱり付きあっているのかな」
ネタム「アイツらはどんどん先に行きやがる」
ネタム「小説の賞とか取れば人生変わるかと思っていたけど」
ネタム「オレだけ何にも変わらねーな」
ネタム(ホントは分かっている)
ネタム(単にオレには無くて、ヒイロには在るってこと)
ネタム「才能が・・・」
ネタム「クソ! チクショー!! バカヤロー!!!!」
ネタム「全部オレのせいッ!」
ネタム「クッ、イテテ」
ネタム「最近執筆で長時間座ってるせいか、 腰が痛え・・・」
ネタム「高校生まではちゃんとスポーツしていたから、こんなことで腰痛めたりしなかったのになあ」
ネタム「昔は・・・」

〇野球のグラウンド
  昔はなーんにも考えなくても、アイツらと笑いあって遊んでいたな
  でもやっぱりヒイロは、俺より何でも巧くこなすんだ
  野球、勉強、小説。
  みんなヒイロが1番。
  オレはいつも自分が情けなくなって、
  いつの間にかアイツの隣に立つことが
  できなくなっちまうんだ。

〇CDの散乱した部屋
ネタム「つまみも食べる気分じゃねえな」
ネタム「悔しくて、アイツの作品読むのを避けていたけど」
ネタム「最優秀賞だけは読むか・・・」
ネタム「────」
ネタム「────!」
ネタム「────!?」
ネタム「アハッ・・・」
ネタム「────エ?」
ネタム「マジか。 こんな展開・・・切な・・・」
ネタム「・・・・・・」
ネタム「スゲえわ!」
ネタム「なんだこの、ホワホワした気分は?」
ネタム「──」
ネタム「完敗、だな」
ネタム「コメントも書いてみようかな」
ネタム「恥ずかしいから、別アカにしよ。 ユーザーネームも変えて・・・」
ネタム「初コメ失礼します。最優秀おめでとう! とても面白かった。特に主人公は・・・」

〇男の子の一人部屋
ヒイロ「大賞取ったから、コメントいっぱい来てるな〜」
ヒイロ「ん? この人初コメントだぞ。 知らない人だなあ」
ヒイロ「でも、この感想・・・ 的確! きちんと読んでくれているんだな」
ヒイロ「嬉しい! 早速返信しよう」
ヒイロ「初コメントありがとうございます! 深く理解して下さっていて、嬉しいです。主人公は・・・」

〇コンビニ

〇コンビニの店内
ネタム「お疲れさまでーす。 納品書にサインお願いしま〜す」
コンビニのおばちゃん「ハイハイ、 いつもご苦労さま」
コンビニのおばちゃん「お兄さん大変だね〜。 若いけど学生さんかい?」
ネタム「あ、ハイ。 大学行きながら配達もやっています」
コンビニのおばちゃん「無理しなさんな! なんだか前より痩せてない? ちゃんとご飯食べているのかい??」
コンビニのおばちゃん「コレ持って帰りな! じゃ、頑張って」
ネタム「あ、ありがとうございます!」
ネタム(こんなこと初めてだ)

〇田舎の公園
ネタム「配達も一段落ついたし、休憩するか」
ネタム「モグモグ たまには良いこともあるもんだ」
ネタム「こういう人情話を取り入れた作品が、オレに書けたらなあ」
ネタム「アッ!」
ヒイロ「でさあ、毎回コメントくれる読者さんがスゴい熱量で驚いたんだよ」
ヒイロ「あまりにも的確にボクの狙いを指摘してくるから、」
ヒイロ「もしかしたら近くにいる人── ユウミかなと思ったんだよね」
ヒイロ「違う?」
ユウミ「残念だけど私じゃないわ」
ユウミ「でも大事にしたいね! ヒイロくんのこと、色眼鏡無しでちゃんと見てくれる人だもんね」
ヒイロ「だよね!」
ヒイロ「ネタムみたいに毎回喧嘩売ってくるようなヤツとは大違いだ」
ユウミ「ネタムくんはそんなに悪い人じゃないわ」
ユウミ「ただ自己肯定が低いせいで、他人に強く当たってしまう時もあるかもしれないけど」
ユウミ「小説好きなのは一緒だし、 私は昔みたいに3人で仲良く話したいよ」
ヒイロ「またネタムと仲良くしろって話なら、ボクは帰る」
ヒイロ「じゃ、また明日ね」
ユウミ「──」
ユウミ「また仲良し作戦、失敗しちゃった」
ネタム「ユウミ・・・ オレたちのことを そんな風に思っていたのか」
ネタム「でも今さら・・・だよな」

〇黒
ネタム「アガッ・・・」

〇田舎の公園
ユウミ「え? 今木の陰からスゴい声と音しなかった?」
ユウミ「キャアア! え?え? ネ、ネタムくん!?」
ユウミ「ねえ、ねえ!どうしたの!?」
ユウミ「ア・・・口から血の泡が・・・」
ユウミ「救急車!!」

〇田舎の病院の病室
ネタム「肝臓癌。 余命1ヶ月・・・」
ネタム「何だそれ。ツイてねーの(笑)」
ネタム「エ」
ネタム「オレもう小説書いても意味ないってこと?」
ネタム「アハハ」
ネタム「泣くな・・・笑えよユウミ!」
ユウミ「だって私は、」
ユウミ「ネタムくんが頑張っていたの、知ってたよ?」
ユウミ「ヒイロくんの作品のコメントも ネタムくんでしょ?」
ユウミ「小さい時から見てきたから・・・ いつか、2人が仲良く小説の批評し合うの楽しみにしていたから」
ユウミ「ね、 ヒイロくんに癌のことやコメントのこと、話そうよ」
ネタム「それは駄目!ゼッタイ」
ネタム「オレ、もうヒイロの隣に居られなくても」
ネタム「「本当の馬鹿な友だちの1人」 で終わりたいんだ」
ユウミ「ネタムくん」
ユウミ「私にできることあったら言って!」

〇イルミネーションのある通り
  クリスマスを迎えることなく
  ネタムくんは病院で息を引き取った。

〇男の子の一人部屋
ヒイロ「あ!」
ヒイロ「また名無しさんが読んでくれている! テンション上がるな〜♪」
ヒイロ「相変わらずきめ細かいコメント! ボクのこと、よく分かってくれているよな」
ヒイロ「でもさ〜 絶対ユウミなのに、何で隠すんだろう?」
ヒイロ「もしかしたらユウミ、ボクのことが好きになっちゃったのかな?」
ヒイロ「それで恥ずかしくて言えないなら、 可愛すぎ!」
ヒイロ「ユウミはネタムに惚れているから、 ムカついてネタムに冷たい態度取っていたけど・・・」
ヒイロ「そうでなくなったなら、少しくらいなら仲良くしてやるんだけどな」
ヒイロ「あ、雪」

〇クリスマスツリーのある広場
ヒイロ「寒いと思った! 明日はホワイトクリスマスだな」
ヒイロ「気分イイなあ!」
ヒイロ「明日のクリスマスパーティにネタムも呼んでやるかな」

コメント

  • 王道の男女3人のドラマ! 直接言うのでなく小説のコメントで伝えるっていうのがすごくいいですよね。ようやくお互い素直になれそうだと思ったときに…切ない。

  • あぁ、ネタム……あぁ、ヒイロ……

    自分からコメント書くのってスゴい苦手だけど、今度から頑張って書きたいと思います……😭

  • ラストが衝撃的すぎてしばらく固まってました😭いい話に出会えて嬉しいです。

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