最終ステージ・出典紹介(ウ)(脚本)
〇仮想空間
タケウチ「では、(ウ)の紹介役のスナネズミさん、最終スピーチお願いします!」
(ウ)
「世界ぜんたいが、人間の生活のすべてが、
ひとつの長い物語なのさ」
〇美しい草原
スナネズミ「このフレーズは、アイザック・シンガーの、『お話を運んだ馬』の中の──」
シマウマ「ああー!」
カワウソ「はいはいはいw」
スナネズミ「はい、その本の中の、一番最初の物語。 「お話の名手ナフタリと愛馬スウスの物語」からとりました!」
スナネズミ「主人公の少年が、本を売りに来るおじさんといろいろ話して、自分の人生を考えていくんですけど──」
スナネズミ「その中で、このおじさんが言ってきかせた台詞です」
スナネズミ「それを読んで、私も、そうかーって思って、深く心を打たれた台詞です」
「世界ぜんたいが、人間の生活のすべてが、ひとつの長い物語なのさ」
スナネズミ「えーっと・・・かいつまんで言うと・・・」
スナネズミ「人間の生活っていうのは一日が終わればそれで終わり、ではない。 何が残るかっていうと、お話が残るんだ、というわけですね」
スナネズミ「それで、語り伝えられた物語にしろ、それに触発されて自分で作った物語にしろ、語り伝えられて長い流れになって──」
スナネズミ「ひとつの長い物語になるんだよ、ってところが、マックス・リュティさんの言う普遍性にも繋がっていくような気がするんです」
スナネズミ「ノーベル文学賞をとった、つまり創作文学の作家の作品ですけど、昔話にも深く通じるところがあるなと思って、これを選びました」
スナネズミ「今回、久しぶりに読んでとーってもよかったです。 ──なにかご質問はありますか?」
アリクイ「もう一度、タイトル教えてもらっていいですか?」
スナネズミ「はいはい。本そのものは、『お話を運んだ馬』です。 それの、一番最初のお話」
スナネズミ「「お話の名手ナフタリと愛馬スウスの物語」 の中のフレーズです!」
タケウチ「なんか、馬車が移動図書館をやってて──みたいなお話だっけ?」
スナネズミ「そうそう、そうなんです!」
スナネズミ「馬車にたくさんの本を積んで、貧しい子供たちに本を配ったり、お話を聞かせて回ったりっていう、ナフタリおじさんの生涯のお話」
アリクイ「ありがとうございまーす」