HIMAHAN-Z(ヒマハンズ)

君乃世界

エピソード3(脚本)

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〇総合病院

〇近未来の病室
広川継人「頼んでいたオレフレアが届いたんだ」
広川継人「姉さん、好きだったでしょ?」
  久怜愛は眠ったままである。
広川継人「そうそう。 今日ね、とんでもない転校生が来たんだ」
広川継人「ハーフの女の子なんだけど、ほんと高飛車で嫌になっちゃうよ」
「悪かったわね高飛車で」
広川継人「ク、クリスティーナ!」
真泉クリスティーナ「ふーん・・・ ここが塾ねえ・・・」
広川継人「ど、どうしてここが・・・」
真泉クリスティーナ「なんでここを知ってるかって?」
真泉クリスティーナ「そんなの決まってるでしょ。 私を誰の娘だと思ってるの?」
  病室に入ってくるクリスティーナ。
広川継人「ちょっと! 勝手に入ってこないでよ!」
真泉クリスティーナ「広川久怜愛の件は、会社の上層部しか知らないトップシークレット」
真泉クリスティーナ「公になったらHIMAHAN-Zは販売中止よね」
広川継人「・・・何が言いたいんだよ」
真泉クリスティーナ「つまり現状、彼女は会社の息のかかった病院に監禁されてるってことよ」
広川継人「なんだその言い方は! 姉さんをこんな目に合わせたくせに!」
広川継人「そもそもHIMAHAN-Zなんて世に出しちゃいけないものなんだ!」
真泉クリスティーナ「そんなに怒らないでよ」
真泉クリスティーナ「私、あなたに協力して欲しくてはるばる日本にまで来たんだから」
広川継人「僕に・・・協力?」
真泉クリスティーナ「そう。 でもそのためにはHIMAHAN-Zにログインしてもらう必要があるの」
広川継人「誰がお前たちに協力なんてするものか。 都合のいいことばっかり言って」
広川継人「僕は絶対に許さないんだから!」
真泉クリスティーナ「あなた、何か勘違いしてない?」
真泉クリスティーナ「あの事故は広川久怜愛本人が起こしたのよ? 私たちのせいにされても困るわ」
広川継人「そんなのお前たちのでっち上げた嘘に決まってる!」
真泉クリスティーナ「本当のことよ」
真泉クリスティーナ「それに、協力しないんじゃなくて、できないんでしょ?」
広川継人「?」
真泉クリスティーナ「一般人の彼に聞いたわよ。 あなた、HIMAHAN-Zが怖くてログインできないんだってね」
真泉クリスティーナ「まぁ、無理もないか」
  眠る久怜愛の近くに寄るクリスティーナ。
真泉クリスティーナ「身内がこんな目にあったんだもの」
広川継人「やめてよ!」
  クリスティーナの前を塞ぐ継人。
広川継人「姉さんに近寄るな!」
  ため息をつくクリスティーナ。
真泉クリスティーナ「今日このあと、一般人の彼も一緒に私の家でHIMAHAN-Zをやるの」
  継人に顔を近づけるクリスティーナ。
真泉クリスティーナ「あなたも一緒にどう?」
広川継人「行くわけないだろ!」
広川継人「自分たちだけで勝手にやればいいじゃないか」
真泉クリスティーナ「意気地なしね。 天才科学者広川博人の名が廃るわ」
広川継人「父さんは・・・関係ない」
真泉クリスティーナ「とにかく。 私にはあなたの持っているβ版のギアが必要なの」
真泉クリスティーナ「あなたが使わないならギアだけでもよこして」
広川継人「断る!」
真泉クリスティーナ「じゃあ、あなたが一緒にログインしてくれるの? 無理でしょう?」
真泉クリスティーナ「さあ、早くギアを渡しなさい」
広川継人「どんな理由であれ、お前なんかに絶対に渡すものか!」
  継人をきっと睨みつけるクリスティーナ。
真泉クリスティーナ「あなたは、自分の手でお姉さんを救いだそうとは思わないわけ?」
広川継人「え?」

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コメント

  • 凄く面白い。

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