第8章第3節 『コミマ消滅!? 滅亡のカウントダウン』(脚本)
〇コミケの展示スペース
只野男志(や、やべー。 あれが発動したら俺、巻き込まれて死んじゃうじゃんっ)
狩場玖珠絵「デュランダル様、お止めください。 罪なき民を巻き込んでしまいます!」
デュランダル「正義のためには、犠牲がつきものなのである」
只野男志「お、お待ちを、デュランダル様!」
デュランダル「何だ。 名を知らぬ運命の戦士(ドゥーム・チャンピオン)よ」
只野男志「コミマを消し去る前に、これをご覧ください」
バッグから『真・アーサー王伝説 第四
章』を取り出す。
狩場玖珠絵「げっ! ちょ、おまっ」
デュランダル「ほう。これは何だ」
只野男志「エクスカリバー様の新刊です」
狩場玖珠絵「てめぇ!」
デュランダルがページをめくる。
デュランダル「ふむ・・・。この時代の絵巻物か。 よくできている」
狩場玖珠絵「! あ、ありがとうございます」
デュランダル「エクスカリバー、第一章から第三章はないのか。持ってくるがいい」
光球を握りつぶし、読みふけりはじめる。
狩場玖珠絵「は、はい。ただ今」
只野が玖珠絵に耳打ちする。
只野男志「これで時間稼げますね。 にしても、なんかヤバくないですか、あいつ」
狩場玖珠絵「そうよ。 闇の勢力を見るとクレーターを量産するヤバイ奴。狂人よ狂人」
狩場玖珠絵「・・・今のうちにマルスをどうにかしなきゃ」
只野男志「マルスか・・・マルス・・・ん?」
〇展示場
マルス「げははは。その態度、気に入った。 俺様は偉大なる王となる男、マルスだ」
〇コミケの展示スペース
只野男志「あの、なりきりの人!」
狩場玖珠絵「なに急に。キモい」
只野男志「玖珠絵様、俺さっき、マルスっぽいの見ました」
狩場玖珠絵「マジで? ・・・よし。 あたしが時間を稼ぐわ。 探しに行ってきなさい」
只野男志「え、俺?」
狩場玖珠絵「当然でしょ。マルスの姿はあんたしか見てないんだから」
狩場玖珠絵「いい? 見つけたらすぐ連絡。 あたしが速攻で倒す」
只野男志「でも、俺1人じゃ危険すぎ──」
狩場玖珠絵「うるさい、さっさと行け! バックレたら殺すわよ」
バシッ
只野男志「痛っ。 蹴らないでくださいよ、わかりました、わかりましたぁっ」
〇展示場の入口
只野男志「って、誰が探すかよ、バーカ。 俺はこの隙に遠くまで逃げさせてもらうぜっ」
只野男志「げぇっ、マルス!」
マルス「ゲゲェッ! デュランダルぅ!?」
女眷属「マルス様。今こそ戦いの時です。 さぁ、大幹部の力を・・・あっ」
マルスが女眷属を小脇に抱える。
マルス「おのれデュランダル。いずれお前を倒す。 だが今ではないっ」
只野男志(あれ? もしかして俺のこと、本物だって勘違いしてる?)
マルス「撤退、撤退~~」
只野男志「あ。ちょっと、そっちには本物が! こら待て! 行くなって!」
〇コミケの展示スペース
マルス「ハァハァ・・・なんとか、振り切ったようだな。げは。げはははっ」
女眷属「なぜ逃げるのです? マルス様」
デュランダル「・・・マルスだと?」
狩場玖珠絵「! まさかこいつが、マルス?」
只野男志(ギャーッ! 手遅れだったァ!)
マルス「・・・げげっ、追いつかれた」
デュランダル「マルス、滅すべし」
デュランダルが黒い剣を構える。
狩場玖珠絵「ここでお力を使われてはコミマが! コミマがーー! おやめください!」
デュランダルの全身から黒く輝くオーラが立ちのぼりはじめる。
マルス「!?」
マルス「・・・デュランダルと同じ気配だと・・・なんなんだ、こやつは」
只野男志(あ。やっば! よりによって敵のボスに俺がパンピーだってバレた!?)
マルス「・・・そうか。わかったぞ」
只野男志(わかっちゃった!?)
マルス「こいつ、貴様の弟子だな」
只野男志(バカで助かった!)
デュランダル「・・・我が奴の弟子だと? 我を愚弄するつもりか」
女眷属「ふん、生意気な青二才め。 かかってこい。マルス様が相手だ」
マルス「ちょっとぉ!」
デュランダル「・・・よかろう。 我が力を思い知るがいい」
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