DetectiveAlchemist −錬金術師の推理−

在ミグ

EP10 エピソードゼロ的なやつ(脚本)

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〇荷馬車の中
ヘルメス「・・・・・・」
ヘルメス「痛っ!」
ヘルメス「あ痛ぁ!」

〇山道
ヘルメス「おい! 御者よ!」
ヘルメス「なんちゅー運転をしておるのだ!」
デュナミス「ああ、すまねぇな、お嬢ちゃん」
ヘルメス「お嬢ちゃんではない!」
デュナミス「悪ぃな。なんせこの山道だ」
デュナミス「多少の揺れは仕方ねぇさ」
ヘルメス「多少って・・・・・・」
ヘルメス「何度も頭をぶつけたぞ!」
ヘルメス「尻も痛いし!」
ヘルメス「儂はカネを払っとるのだ!」
ヘルメス「勘弁プリーズだ」
デュナミス「・・・・・・嫌ならココで降りてくれて構わねぇぜ?」
ヘルメス「むぅ・・・・・・」
デュナミス「カネ払ってるって言うけど、散々値切ったじゃねぇか」
ヘルメス「ひ、ひぎぃ・・・・・・」
ヘルメス(旅費をケチったのが間違いだったか・・・・・・)
デュナミス「どの道ここまでだ」
デュナミス「車輪がイカれちまったし、」
デュナミス「馬も休ませてやりてぇ」
デュナミス「そこの宿屋で休憩だ」

〇森の中の小屋

〇兵舎
デュナミス「すまねぇ」
デュナミス「馬車が壊れちまった」
デュナミス「少し休ませてくれねぇか?」
ナシーナ「この人達が?」
ネミヤ「ええ。どうやらその様です」
デュナミス「何の話だ?」
ネミヤ「名のある方と存じます」
ネミヤ「どうかおチカラを貸して頂きたいのです」
デュナミス「チカラ?」
デュナミス「そりゃ力仕事なら得意だが・・・・・・」
ナシーナ「いえ。そうではなく・・・・・・」
ナシーナ「事件を解決してほしくて・・・・・・」
トラネコ「人が死んでるんですよ・・・・・・」
デュナミス「何だって!?」
ナシーナ「それで・・・・・・」
ナシーナ「『次に来るお客さんが事件を解決してくれる』って・・・・・・」
ナシーナ「この占い師さんが・・・・・・」
デュナミス「おいおい。俺は只の御者だぞ?」
ヘルメス「それ、たぶん儂の事だな」
デュナミス「ああ? お嬢ちゃんがか?」
ヘルメス「だからお嬢ちゃんじゃない、っちゅーに!」
ネミヤ「失礼。貴方様は?」
ヘルメス「ヘルメス・トリスメギストス」
ヘルメス「錬金術師で探偵だ」
デュナミス「錬金術師で・・・・・・ 探偵?」
デュナミス「そりゃ確かにうってつけだろうが・・・・・・」
ヘルメス「報酬如何によっては引き受けても良い」
ネミヤ「報酬・・・・・・」
ネミヤ「では貴方の今後を、未来を占う、というのは如何でしょう?」
ヘルメス「良いだろう。引き受けた」
デュナミス「そんなんで良いのかよ!?」
ヘルメス「駄目なのか?」
デュナミス「いや、お嬢・・・・・・」
デュナミス「お前さんがそれで良いなら構わねぇが・・・・・・」
デュナミス「カネ貰えばいいじゃねぇか」
ヘルメス「・・・・・・」
デュナミス「そんなんだからカネないんだな・・・・・・」

〇怪しげな山小屋
ヘルメス「ここか・・・・・・」
デュナミス「何で俺まで・・・・・・」
ヘルメス「客観的な意見が欲しいのと、」
ヘルメス「容疑から完全に外れている者だからだ」
デュナミス「・・・・・・」
デュナミス「まあいいや」
デュナミス「さっさと解決しちまおう」
ヘルメス「で、こやつが被害者か」
デュナミス「プライという、旅の魔法使いだそうだ」
ヘルメス「ふむ・・・・・・」
ヘルメス「頭部に傷があるな」
ヘルメス「これが致命傷か」
ヘルメス「他に外傷は見当たらない」
デュナミス「攻撃力の高い武器で一発、か?」
デュナミス「魔法使いの低いHPじゃ珍しい事じゃない」
ヘルメス「しかし出血がない」
ヘルメス「凶器も見当たらん」
デュナミス「おまけに部屋の内側から鍵が掛かっていたそうだ」
ヘルメス「密室か」
デュナミス「凶器がないとなると、魔法か?」
ヘルメス「調べてみよう」
デュナミス「それは?」
ヘルメス「ゴニディオン・パピルス」
ヘルメス「触れたものの魔紋を検出する」
デュナミス「魔紋? 魔法にも痕跡があるのか?」
ヘルメス「まあ属性が解る程度だがな」
ヘルメス「風属性だな」
デュナミス「おいおい。汎用性の高いやつじゃねぇか」
デュナミス「攻撃、回復、補助、何でもござれだ」
ヘルメス「うむ。これだけだと殺害方法まではわからんな」
デュナミス「扉の方はどうだ?」
デュナミス「一時的に開錠魔法を使ったとか」
ヘルメス「思いっ切り違法魔法だがあり得るな」
ヘルメス「というか、お主中々良い働きをするな」
デュナミス「・・・・・・」
デュナミス「さっさと終わらせて飯食って寝たいんだよ」
ヘルメス「そうか」
ヘルメス「扉には何の魔法も掛かっていない」
ヘルメス「正真正銘の密室だ」
デュナミス「何もわからねぇじゃねぇか」
ヘルメス「そう焦るな」
ヘルメス「所持品は、っと・・・・・・」
デュナミス「これ、確か魔法効果のある杖だな」
デュナミス「魔法が使えない奴でも使える」
ヘルメス「火が出るとか、そんなだな」
ヘルメス「火力の調節が難しくて、よく鍋を焦がす」
デュナミス「・・・・・・」
ヘルメス「テレポの翼」
ヘルメス「窓のサッシを掃除するのに丁度良い」
デュナミス「瞬間移動出来るアイテムだろ!?」
デュナミス「なんでお前そんな無駄に家庭的なんだよ」
ヘルメス「ご主じ・・・・・・ 師匠が家事の出来ん人でな・・・・・・」
デュナミス「・・・・・・」
デュナミス「良い嫁さんになれそうだな」
ヘルメス「・・・・・・儂、男でも女でもないぞ?」
デュナミス「え!?」

〇兵舎
トラネコ「ええ? 魔法なんて使えませんよ」
ヘルメス「職業は?」
トラネコ「武器商人です」
デュナミス「んじゃ、攻撃力の高い武器を持ってるか?」
トラネコ「今持ってるのは・・・・・・」
ヘルメス「おひょおおお・・・・・・」
ヘルメス「ムラマサ・ブレードではないか!?」
ヘルメス「本物か?」
トラネコ「ええ、まあ一応」
デュナミス「東の国の剣だな」
デュナミス「しかしこれじゃ、あんな殺しは出来ない」
ヘルメス「むう・・・・・・ ミネウチ・アタックでもなさそうだ」
トラネコ「そもそも大切な商品を殺人に使ったりしませんよ」
デュナミス「この宿へは何をしに?」
トラネコ「この刀を売りに行く最中でした」
ヘルメス「売ってしまうのか・・・・・・」
トラネコ「それが商売ですから」

〇兵舎
ネミヤ「風属性の魔法ですか?」
ネミヤ「まあ多少でしたら心得があります」
ヘルメス「どんな?」
ネミヤ「攻撃や補助の魔法ですね」
デュナミス「風魔法の攻撃って言うと、切ったりするやつか?」
ネミヤ「そうですね。あとは竜巻を発生させたり・・・・・・」
デュナミス「竜巻・・・・・・」
ネミヤ「私、怪しまれているのでしょうか?」
ヘルメス「うんにゃ」
ヘルメス「全員に聞いている。気にするでない」
デュナミス「状況証拠に過ぎねぇしな」
ヘルメス「そういう事だ」
ヘルメス「この宿へはどうして?」
ネミヤ「仕事ですよ」
ネミヤ「流れの占い師なんです」
ネミヤ「恥ずかしながら・・・・・・」
ネミヤ「姉が大のギャンブル好きで、借金があるのです・・・・・・」
ヘルメス(被害者は金目の物など所持していたか?)

〇兵舎
ナシーナ「プライは私のお付きの魔法使いですよ」
ヘルメス「お付き?」
ナシーナ「某国の姫、とだけ名乗っておきます」
ヘルメス「ふむ・・・・・・」
ヘルメス「旅の途中だったな。目的は?」
ナシーナ「私より強い男に会いに行く・・・・・・」
ヘルメス「は?」
ナシーナ「私、護身術のつもりで様々なスキルを習得してきました・・・・・・」
ナシーナ「通常攻撃が先制攻撃で全体攻撃で2回攻撃でクリティカル確定で敵の攻撃力と防御力を半分にするデバフをかけられます」
ヘルメス「お、おう・・・・・・」
ナシーナ「祖国に私より強い殿方がいなくなってしまいまして・・・・・・」
ヘルメス「要するに婿探しの旅か」
ナシーナ「はい❤」
デュナミス「で、あの魔法使いが護衛に付いて来ている、と?」
ナシーナ「はい❤」
ヘルメス(護衛・・・・・・ いらんだろ・・・・・・)
デュナミス(周囲に対する護衛だろ?)
デュナミス(やり過ぎないように)
ヘルメス(・・・・・・納得)
ナシーナ「でも最近、プライの様子がおかしかったんですよね」
ヘルメス「おかしい? どういう風に?」
ナシーナ「えぇっと・・・・・・」

〇草原の道
  まもののむれが あらわれた!
プライ「姫様! 危険です(魔物が) お下がりください!」
ナシーナ(大丈夫なんだけど・・・・・・)
ナシーナ(まあ張り切ってるし・・・・・・)
プライ「これでも食らえ!」
プライ「ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ うじとり やまあ きらぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺ」
ナシーナ「何のじゅもん!?」
プライ「何? 無傷だと?」
プライ「ならばこれならどうだ!」
プライ「↑↑↓↓←→←→BA」
ナシーナ「だから何のじゅもん!?」

〇兵舎
ナシーナ「・・・・・・という様な事がありまして」
デュナミス「大丈夫かよ・・・・・・」
ヘルメス「何だかよくわからんが、相当ボケている様だな・・・・・・」
ナシーナ「まあ、魔物は私が倒すから良いのですが・・・・・・」
ヘルメス「あ〜・・・・・・ ほんじゃあ、レベルアップの度にボケていく訳か・・・・・・」
デュナミス「そういうもんなのか?」
ヘルメス「歳を取ると、肩こりとか腰痛とか出てくるだろ?」
ヘルメス「宿に一晩泊まっただけじゃHP全快しないし」
デュナミス「・・・・・・」
デュナミス「何か凄ぇ悲しいんだけど・・・・・・」
デュナミス「レベルアップの度にどんどん衰えていくのかよ・・・・・・」
ヘルメス「仕方あるまい」
ヘルメス「歳を取るとはそういうものだ・・・・・・」
ヘルメス「ん?」
ヘルメス「もしかして・・・・・・」
デュナミス「何だよ」

〇怪しげな山小屋

〇兵舎
「気絶してただけぇ〜!?」
ヘルメス「うむ」
ヘルメス「原因はこれだな」
ネミヤ「テレポの翼?」
ヘルメス「瞬間移動が出来るアイテムだ」
ヘルメス「じいさんはボケておった」
ヘルメス「傷の回復をしようと思ったが、間違って使用してしまったらしい」
ネミヤ「ああ、成程・・・・・・」
ネミヤ「屋内で瞬間移動の魔法が発動してしまったから・・・・・・」
ヘルメス「うむ」
ヘルメス「天井に頭をぶつけて気絶した」
トラネコ「何だそりゃ!?」
トラネコ「そんなくだらない事で、俺達は足止めされてたのかよっ!」
トラネコ「こっちは忙しいんだよっ!」
プライ「面目ない・・・・・・」
プライ「薬草を使ったつもりだったんだが・・・・・・」
トラネコ「畜生! ふざけんなよっ!」
ナシーナ「お騒がせして申し訳ありません・・・・・・」
ヘルメス「良かったではないか」
「・・・・・・?」
ヘルメス「誰も死んでおらん」
ヘルメス「誰も殺しておらん」
ヘルメス「最良の結果ではないか」
「・・・・・・」

〇山道
デュナミス「で、あの占い師、何だって?」
ヘルメス「この先の街で、運命的な出会いがあるそうだ」
デュナミス「何だそりゃ」
デュナミス「やっぱカネ貰うべきだったな」
ヘルメス「別に良いさ」
ヘルメス「大した事はしておらん」
デュナミス「まあ、お前さんが良いなら、別に良いけどよ」

〇巨大な城門
デュナミス「と、この辺か・・・・・・」
ヘルメス「うむ。世話になったな」
デュナミス「んじゃ、縁があったらまた利用してくれ」
ヘルメス「うむ。かたじけナッシングだ」
デュナミス「ああ、そうそう」
デュナミス「この街な、俺の娘が働いてるんだ」
デュナミス「会ったら良くしてやってくれ」
ヘルメス「・・・・・・」
ヘルメス「いや名前も言わんと・・・・・・」
ヘルメス「まあ良いか・・・・・・」
ヘルメス「さて、先ずは興信ギルドでも訪ねて・・・・・・」

コメント

  • なるほど〜!タダの一時的な相方かと思っていたら、伏線だったのか!!
    ソフィアに出会うのは運命だったという展開がエモい!!
    今回、じーさんがボケていたという平和なオチがまた良きですね。
    私にとって、もはや赤髪のこの立ち絵のコはヘルメス以外に見えないくらい、マッチしています🤣🤣🤣
    リアタイしたいので、また連載してほしいです🥰

  • 不意にムラマサブレードに出会ったらおひょおおってなりますね!ドラク○エⅣ…じゃあ姫様が殴ったんじゃね?と思ってましたがまさかの気絶😂😂楽しかったです!

  • たしかにあのゲームのあの演出は、脳挫傷になってもないレベルの衝撃音ですからね…

    あのゲームでも、ある意味探偵パート的(真犯人を連れて来い)な話がありましたね。4コマ劇場でもたびたびネタにされていましたが笑

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