Ten star(脚本)
〇黒
箕輪 公「・・・・・・」
箕輪 公「・・・・・・ううっ」
箕輪 公(・・・だめだ、眠れない)
箕輪 公(不安でしかたがないよ)
箕輪 公(無事に帰れるんだろうか・・・)
箕輪 公(・・・・・・んん?)
箕輪 公(なんだか、眩しいな)
箕輪 公「・・・」
箕輪 公「っ!」
箕輪 公「ちょちょ、ちょっと!」
箕輪 公「銀二!剣持さん!はやく起きて!」
田代 銀二「んだよわこう、低血圧を 急に起こすんじゃねえよ」
田代 銀二「・・・・・・」
田代 銀二「・・・あ?」
剣持 はづき「んん・・・・・・」
剣持 はづき「ん?」
剣持 はづき「ぉおおお!」
〇火山のある島
箕輪 公「霧?」
箕輪 公「違うな、わたげ?」
田代 銀二「わたげだろうよ」
田代 銀二「ほら、こうやって掴めっ・・・」
田代 銀二「ありゃ・・・掴めねえ」
剣持 はづき「これはまさしく! ケセランパセランですよお!」
剣持 はづき「パイセンたち!ほら見てください! 見てくださいよおっ!」
田代 銀二「お、おう 見てる見てる」
剣持 はづき「は!」
剣持 はづき「カメラ回さないとっ!」
箕輪 公(とても寝起きとは思えない機敏さだな)
剣持 はづき(あれ?なんだか向こうに 流れていってるような──)
剣持 はづき「(急に真面目に) パイセンたち、急いでください」
箕輪 公「ああっ待って剣持さん! バッグ忘れてる!」
「持ってきてください!もう~~はやく!」
「"彼ら"が導いてくれてるんですからっ!」
箕輪 公「彼らって・・・だれ?」
田代 銀二「はあぁ・・・」
田代 銀二「わっかんねーけど、いまはもちけんに 着いてってみようぜ」
〇山道
田代 銀二「はぁ・・・はぁ・・・っ」
箕輪 公「銀二!急いで!けんもちさん 見失っちゃう!」
田代 銀二「運動嫌いなんだってのっ・・・ はぁっ・・・ひぃぃ・・・」
剣持 はづき(ケセランパセランが、集まってる?)
剣持 はづき(一体何があるの?)
剣持 はづき「あっ──」
箕輪 公「うあっっ!」
箕輪 公「急に止まらないでよ、剣持さん・・・」
剣持 はづき「ここに何かがあるはずです!」
剣持 はづき「彼らが教えてくれました」
箕輪 公「何かって・・・んーと」
箕輪 公「・・・あっ!これ」
箕輪 公「3合目の到着地点を示す看板だ!」
田代 銀二「なにい? !」
田代 銀二「看板あったのか?」
箕輪 公「うん!これで帰れる・・・」
箕輪 公「みんなで!」
剣持 はづき「ケセランパセランのおかげですね♪」
箕輪 公「そうだね。 僕らだけじゃ、辿り着けなかったし」
田代 銀二「ま、ガチモン見ちまったからな」
田代 銀二「そういうことにしとくか」
〇山道
田代 銀二「おし!ここが入り口だな」
箕輪 公「はあ、よかったぁ~」
剣持 はづき「ああ・・・」
剣持 はづき「やっぱり写ってないです・・・」
田代 銀二「そりゃおかしいだろ! あんなにハッキリ見えたのに!」
剣持 はづき「目に見えるのに、写真には残せない」
剣持 はづき「だからオカルトって神秘的なんです」
箕輪 公「まあ、無事に戻ってこれてよかったよ」
箕輪 公「お、電話だ、もしもし」
箕輪 公「...ああはい、ご心配をお掛けして...」
箕輪 公「...え、誰と居たかって...」
はじめは、なんでこの3人が一緒なんだろ
と、不思議に思っていた
銀二とは同学年だけど、他クラスで
話したことがないけれど
天文部にいるときは、めちゃくちゃ
話すことが当たり前になっていた
剣持さんは後輩だから、学年も違うし
話す機会は、天文部に限るけれど
趣味も全然共感できないけど、
僕が知らない世界で生きてて
刺激をもらえる
そっか、知らないうちに
僕ら3人は、いつの間にか──
「...ああ、聞こえてます すみません」
「"友人"と、遊んでました」