魔女の秘密

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魔女の秘密(脚本)

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〇巨大な城門
  あるところにとても美しいお姫様がいました
  お姫様は善良な願いのみを叶える竜に全ての人々の幸福を願いました
  竜はお姫様の傲慢に怒りました
  お姫様は永遠に覚めることのない悪夢の中に閉じ込められ行方不明になってしまったのです
  お姫様の居場所と竜の呪いを解く方法は竜のしもべである魔女だけが知っているのです

〇闇の要塞
魔女「傲慢な人間の匂いだわ」
傲慢なモブ「魔女め姫を救う方法を教えろさもなくば・・・」
魔女「いいわよ」
傲慢なモブ「そんなあっさりでいいのか?」
魔女「モブに使う尺がないのよ」
傲慢なモブ「・・・まあいい姫を救う方法は?」
魔女「東の村に火事で家を失った人がいるから助けに行ってあげて」
傲慢なモブ「その村人を救うと姫の呪いが解けるのか?」
魔女「ええもちろん あと他にも困っている人がいるからその人たちも救わなければならないわ」
傲慢なモブ「何人救えば姫の呪いを解くことができる?」
魔女「モブにしてはいい質問ね お姫様の呪いを解く方法は」
魔女「全ての不幸な人々を救うことよ」
傲慢なモブ「ふざけているのか魔女め!! そんなことができるはずがないだろう!?」
魔女「愚か者め ではなぜ姫を救おうとする?」
傲慢なモブ「決まっている罪のない哀れな姫を救いたいだけだ」
魔女「全ての人を救うことができないのなら 他の者を差し置いてなぜ姫だけを救おうというのだ?他にも罪のない者はいよう」
傲慢なモブ「・・・クッ」
魔女「無辜の民を救っても名誉や権力や美しい姫を手に入れることはできないものな」
魔女「お前は姫を救いたいのではないただ自分の欲を満たしたいだけだ」
魔女「だが誰がそれを責められるというのかそれがそなたの幸福であるのならそれもまた姫の願いのうち」
魔女「姫を救いたいと思うのならば傲慢を捨て家に帰って飯食ってクソして寝て働いて婚活して家族ができたら大事にして暮らせ」
傲慢なモブ「・・・・・・」
傲慢なモブ「もしやあなたは・・・ いや」
傲慢なモブ「おっしゃることまことにそのとおり 私はこれにて失礼いたします それでは良き夢を魔女よ」
魔女「ふ・・・」
魔女「感のいいモブだったわね尺を使いすぎたわ」

〇闇の要塞
  お姫様を救うために魔女の元へやってきた人々は魔女に呪いを解く方法を聞くと皆諦めて帰っていきました
  そして長い時が過ぎました

〇闇の要塞
イケメン「すみませーん 魔女様のお宅でしょうか?」
「!!昨日注文したやつもう来たの?プラチナ会員は早いわね」
イケメン「こんにちは魔女様でしょうか?」
魔女「ええ 印鑑いるかしら?」
イケメン「あ 僕宅配便じゃないです」
魔女「ご飯は頼んでませんけど」
イケメン「Uberなにがしでもないです」
イケメン「この服はただの私服です」
魔女「サプリと宗教はまにあっていますけど それでは」
イケメン「いえ勧誘とかじゃなくて魔女様に教えてほしいことがあって来たんです」
イケメン「困っている人が何処にいるのか教えてほしくて来ました」
魔女「それを知ってどうするの?」
イケメン「お手伝いしに行くだけですけど」
魔女「そして信者を増やしたり個人情報を集めて特殊詐欺したりするのかしら?」
イケメン「魔女様それは・・・」
イケメン「素晴らしい防犯意識です」
イケメン「確かに困っいる人の弱みにつけ込む悪い人は沢山いますもんね」
イケメン「一応学生証とサークルの名刺は持って来ていてですね」
イケメン「学校に問い合わせて大丈夫です自分はボランティアサークルの代表でして」
イケメン「時間と人手に余裕があるので是非案件を紹介してもらいたくてきました」
魔女「・・・・・・」
魔女「たしかにこの学校の生徒に金髪で服の趣味の悪いボランティアはいるみたいね」
イケメン「金髪は僕しかいないんですけどそんな子いないはずですおかしいですね」
魔女「あなたがね」
魔女「もういいわよ」
魔女「あなたの学校の最寄駅近くにある 大きな公園にゴミが散乱していて 子ども達が遊べなくて困っているわ 助けてあげて」
イケメン「この前の嵐で飛ばされてきたのかな? それは大変ですねすぐに片付けに行きます」

〇闇の要塞
  公園は綺麗になり子どもたちは救われ
  お姫様は穏やかな夢を久しぶりに見ました
イケメン「こんにちは 魔女様はご在宅でしょうか?」
魔女「こんにちは 今度は何かしら」
イケメン「また案件を紹介してもらいたくてきました」
魔女「ボランティアって学校とか行政が紹介してくれるものじゃないの?」
イケメン「そうですね でもそれだけだと申告のない問題が見えないままですよね」
魔女「あなたいったいなにがしたいの?」
イケメン「自分は困っている人のお手伝いがしたいだけですが?」
魔女「もしかしてあなたは 声なき声を聞き見えざる人々を救える気でいるのかしら?」
イケメン「自分には遠くで困っている人を見つけて全員を助けることはできません」
イケメン「でも周りに困っている人がいて自分にできることがあればお手伝いできると思うんです」
イケメン「魔女様がそれを教えてくれればきっと」
魔女「・・・・・・・・・・・・」
魔女「昔すべての人々の幸福を願うだけで叶えようとしたバカな子どもがいたけど」
魔女「今の子たちはそれほど愚かではないということね」
イケメン「お伽話のお姫様のことですか?」
イケメン「でも子どもの夢ってそういうものじゃないですか」
イケメン「もしお姫様の呪いが解けずに大人になれないままだとしても」
イケメン「手助けは大人がすればいいんですよ」
イケメン「小さなお姫様は自分なりに現実を見ようとして夢を願ったんだと自分は思います」
イケメン「お姫様が見ている永遠の悪夢は多分現実のことなんでしょうね」
イケメン「ならみんながお互いに助け合えれば お姫様の悪夢はそれほどひどいものじゃなくなりますよ」
イケメン「きっとね」
魔女「・・・・・・」
魔女「私は本当は・・・」
イケメン「あなたの秘密を誰も暴きません」
イケメン「だからどうか少しでも良い夢を見てください魔女様」
魔女「・・・あなたもね」

コメント

  • ボランティアって、押し付けがましくなったり、自己満だったりすることもあって、なかなか難しいですよね。でも、やらない人よりやる人、願わない人より願う人が増えれば、お姫様の願いは叶うんじゃないかなと思います。

  • ボランティア精神について考察ができました。人助けって結局は自分の助けになったりしますよね。それに自覚がある人が本当のボランティア活動に適している人だと思います。魔女様と若者の言葉は深い!

  • 完全に佐○の人かと思いました笑
    人助けって、純粋に助けるものと、自分の私利私欲を満たすための二種類がありますね。
    感謝いらずとも人のためになれる人間になりたいです。

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