エピソード8(脚本)
〇駅のホーム
円城寺敏郎「おい。なんて顔してんだよ。 バッチリ出演出来るんだぞ」
山崎葵「・・・だって、急にキスするんだもん・・・」
円城寺敏郎「おいおい、女優だろ? キスくらいで泣くなって」
山崎葵「・・・初めてだったのに」
円城寺敏郎「え?」
山崎葵「・・・ファーストキス」
円城寺敏郎「まじ?」
山崎葵「知らない人とすることになるなんて」
円城寺敏郎「ああ、えっと。俺は円城寺。 円城寺敏郎ってんだ」
山崎葵「山崎葵」
円城寺敏郎「う、うん。葵ちゃん。よろしくね」
山崎葵「・・・どうせ、今日が最後でしょ」
円城寺敏郎「いやそんなことないって」
円城寺敏郎「あ、そうだ、チェキスタやってる?」
〇駅のホーム
円城寺敏郎「え、フォロワー2千て、葵ちゃんすごくね?」
山崎葵「このくらい普通だよ。むしろ少ない方」
円城寺敏郎「まじ?」
円城寺のフォロワー数は28人のまま。
山崎葵「少な!」
円城寺敏郎「ねえ、これどうやって増やすの?」
山崎葵「うーん。 まずは、一度に見てくれた人が、また見に来たいって思うような画像をアップすること」
円城寺敏郎「うんうん。他には?」
山崎葵「あとはハッシュダグの使い方かな」
円城寺敏郎「ハッシュダグ?」
〇古いアパート
〇CDの散乱した部屋
部屋でくつろぐ円城寺。
手にはスマホが握られている。
〇駅のホーム
山崎葵「ハッシュダグも知らないの? #をつければ同じ興味を持った人が探しやすくなるんだよ」
〇CDの散乱した部屋
円城寺敏郎「こうしてハッシュダグを付ければ、君恋を見た人が気付いてくれるはず」
スマホの『投稿ボタン』を押す。
円城寺敏郎「おっと、そろそろだな」
テレビの電源をつけると、ちょうど君恋の始まりのシーンが流れている。
円城寺敏郎「・・・・・・」
円城寺敏郎「うおーーーー!!︎」
両手を上げ雄叫びを上げると、そのまま床に転がる。
ピロリン♪
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