泣け、宴だ(脚本)
〇屋敷の大広間
騒がしい男じゃった。
戦が終わり、宴の時間になると、あの男は一番盛り上がった。
とにかく騒いだりする祭り事が大好きな男じゃった。喋りが饒舌であり、裸踊りの一芸にも秀でておった。
そんな人を楽しませることが大好きなお主が戦の場で討たれてしもうた事は、我らの士気を大きく下げてしまう結果となった。
武士「のう、小次郎よ。お主はあの世で先に宴の準備をしておってくれ」
武士「我らもこの世で殿の命をお守り通す使命を全うしたら、すぐお主の元へ行くからの」
小次郎は愛された男だった。小次郎の為、宴を開こうではないか。
そんな声が上がり、宴を開く事になった。宴には多くの者達がやってきた。
武士「皆の者、小次郎の為によく集まってくれた。今宵は小次郎を想い、泣け、宴だ」
小次郎は宴の場所にひょっこりと顔を出していて、裸踊りをしているのかもしれない。
そう考えるとおかしてワシも笑いながら酒を飲んだ。小次郎、あの世でまた会おう。